高校の化学基礎・化学は、中学までの理科と比べて学習する内容量が圧倒的に多いです。
そのため、大学受験向けの化学基礎・化学の問題集は、極力少ない問題数に抑えるために、なるべく類題数を減らし、幅広い問題パターンを収録するようにできています。
しかし、化学基礎・化学で学ぶ基本計算は理解が難しく、計算に慣れるまでにそれ相応の練習量が必要となる場合が多いです。
そのため、コンパクトにまとまった問題集では練習量が足りず、
- 自分のやっている計算の意味がわからない
- 計算問題の解き方が定着しない
といった悩みを抱える受験生が非常に多いです。
高校化学は、基本計算ができないと解けない問題が多く、基本計算で苦しむことは受験生にとって深刻な悩みでしょう。
私も塾講師として化学を指導してきたなかで、基本計算が原因で化学に苦しむ学生を多く見てきました。
そして、その指導を通じて、基本計算が苦手な受験生には、計算の意味を理解するのは当然としながらも、ある一定の練習量が絶対に必要だという結論に至りました。
そこで活用したのが、本記事で紹介する『基本計算の反復演習を徹底した問題集』です。
高校化学で計算問題の類題が多い問題集は大変貴重なため、本書はかなり活用できました。
本記事の対象者
- 化学の基本計算でつまずくことが多い人
- ドリルのように基本計算問題を練習したい人
- 反復演習で計算パターンを定着させたい人
本記事では、この『おすすめの問題集』に加えて、本書の特徴・おすすめの使い方も合わせて紹介します。
化学の基本計算で悩んでいる方は、是非参考にしてください。
化学基礎・化学のおすすめ計算問題集
改訂版 大学入試 ゼロからはじめる 化学計算問題の解き方
これが化学基礎・化学の基本計算問題を徹底した反復演習できる問題集です。
では、この問題集がどのような構成・特徴を持っているのか説明します。
本書の構成と特徴 - 良い面・悪い面 -
※太字が重要事項
- 化学の基本事項のまとめページ
※各テーマ毎に細かくまとめを用意 - 確認問題
※1問で基本計算の方針を確認 - 多くの練習問題でで計算パターンを定着
※1パターンにつき3問ほどある
※ほぼ1問1答形式 - 2段階の難易度設定の問題が用意
※ほとんどが基本問題
この4つの構成・特徴に基づき、各項目の良い面・悪い面を整理していきます。
なお、ここの良い面・悪い面が後の『おすすめの使い方』にもつながりますので大事にしてください。
悪い面
まず、化学の各計算パターンごとに、その基本的な考え方や重要事項がまとまったページがあります。
しかし、このまとめページを安易に頼ってはいけません。
ここに書いてある内容は、ほぼ教科書に書いてある内容を短く切り貼りした程度なので、これだけで正しく理解をするのは正直難しいでしょう。
そのため、基本的な理解は教科書などを利用し、本書は計算問題の練習題材に特化して使うべきです。
なお、余談ですが、暗記項目の多い化学基礎・化学の重要事項が丁寧にまとまった参考書を欲しい方は、次の参考書を利用すると良いでしょう。
解法の焦点(Z会)
この参考書は、
- 重要事項が左ページにコンパクトにまとまっている
※英単語帳のように重要部分を赤シートで消せる工夫あり - 丁寧で理解しやすい図説が右ページにある
※見開き1ページで全体を理解できる
という優れた特徴があり、重要事項の確認と理解の両面に大変適しています。
良い面
本書は練習用題材としては、かなり優れています。
まず確認問題で基本となる計算の方針を確認します。
これは各計算パターンに対して1問用意されています。
しかし、これだけであれば学校で使用している化学の問題集でも十分に足りるので、あえて本書を使わなくても良いでしょう。
重要なことは、練習したい類題がたくさん用意されていることです。
本書の練習問題には、同じ計算方法を利用する類題が1パターンにつき3問程度用意されています。
しかも1問1答形式なので、練習したい計算以外に余計な神経を使う必要がまったくありません。
そして、下手に難しい問題にも触れることはありません。
そのため、徹底して同じ計算パターンを反復練習できます。
なお、本書に掲載されている問題は★★(基本)と★(応用)の2段階に分かれていますが、ほぼ基本問題と考えて良いです。
むしろ、応用問題まで手を出したいならば本書ではなく、他の大学受験用問題集を使えば問題ないでしょう。
おすすめの使い方
- 手持ちの化学の問題集でつまずいた計算問題に注目
- 問題集の解説・教科書などで基本的な考えと計算方法を確認
- 本書で、つまずいたテーマの練習問題(基本)だけを解く
- 解けるようになったら、普段の問題集に戻る
問題集を手に入れると、その問題集をやり切らないといけないと思う受験生は多いです。
当然、やり通すべき問題集もありますが、それはメインで利用する問題集だけです。
本書は『苦手な計算問題を徹底練習するための問題集』として利用すべきで、全ての問題に触れる必要はありません。
既に解ける計算問題を何回解いても点数は上がりませんし、ただの時間の無駄です。
重要なことは目的です。
本書は、苦手な計算問題を徹底的に練習するための目的で使うため、それ以外の使い方は無駄です。
そのため、自分がつまずいた計算問題だけの練習材料として使うのが最も効率的でしょう。
まとめ
- 1問1答形式で類題を反復演習できる
- ほぼ基本問題なので、基本計算練習を徹底できる
- 苦手な計算テーマだけ本書で計算練習する
いかがでしたか?
大学受験化学基礎・化学では、基本の計算問題が解けないと手がつけられない問題が多く存在します。
そのため、いかに基本計算を徹底して練習するかが、化学の点数を上げるうえでのポイントになります。
本書は基本問題に特化した計算練習ができる数少ない大学受験向け問題集です。
普段から化学計算で頭を悩まされている人は、本書を是非利用にしてみてください。
なお、高校化学の勉強法に関して、次の記事も紹介しています。
気になる方は、是非参考にしてみてください。
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