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化学は、
- 面倒な化学反応式の記述・計算が多い
- 覚える知識が多いため、問題数が多い
という特徴から、理科の中でも試験時間が足りず、点数が上がらないで困る受験生が多い科目です。
しかし、時間が足りず点数が取れない受験生の多くは、実力の前に試験の挑み方を間違えていることが多いです。
この試験の挑み方を工夫するだけでも、
- 試験時間内で解ける問題数が増える
- 焦ることによるミスが減る
ことで、簡単に化学の点数が上がる可能性があります。
本記事では、私が高校生時代にも実践し、塾講師として指導した経験から有効だった『化学の試験の挑み方の工夫』を紹介します。
化学で点数が取れない
よくある失敗事例
化学で点数が取れない原因は『実力不足』と『戦略不足(時間不足)』の2つに大きく分けることができます。
実力不足の受験生は、当然実力を磨く学習が必要です。
しかし、この方でも、本記事の内容を参考にすれば化学の効率的な学習法を掴むことができるので、是非参考にしてください。
さて、化学の試験で点数が取れない最も典型的な失敗事例はコチラです。
- 前から順に解いていく
定期テストの感覚なのか、模試や入試でもこの解き方をする受験生はかなり多いです。
しかし、この試験の挑み方が化学の失敗を招く大きな原因です。
前から問題を解くこと
のデメリット
- 時間のかかる理論化学で時間を消費する
- 点数の取りやすい無機化学・有機化学の問題を犠牲にする
化学は、
- 知識と計算がバランス良く問われる理論化学
- 知識問題が中心の無機化学・有機化学
の3つの分野に分けることができます。
その中でも、理論化学は1問に使う時間が多いです。
それは、化学反応式を作った上で、小数計算も含めた面倒な計算が必要になることがあるからです。
そして、模試や入試は『理論化学→無機化学→有機化学』の順で出題されることがほとんどです。
つまり、安易に前から順に解いていくと、次の事態が起こりやすくなります。
- 前半の理論化学で大半の時間を使ってしまう
- 残りのわずかな時間で無機化学と有機化学の問題を解く
- 時間が足りず解ききれない、焦ってケアレスミスして点数が取れない
- せっかく時間をかけた理論化学で計算ミスもして、さらに失点
これが最も典型的な化学の試験の挑み方の失敗例です。
一番問題なのは、知識メインで時間をあまりかけずに点数を取りやすい無機化学・有機化学で点数を取れないことです。
このような経験に覚えがある人は多いのではないでしょうか?
つまり、この試験の挑み方を変えなければいけないということです。
化学の点数を上げるための方針
考え方
- 前から順に解くという発想を捨てる
- 全ての問題を解くという発想を捨てる
- 解いた問題で確実に点数を積み重ねる
具体的な方法
- 時間がかからない有機化学→無機化学の順で解く
※安定した得点源の確保 - 残りの時間で、理論化学の取りやすい知識問題、手間の少ない計算問題を進める
※残り時間での得点の底上げ
理論化学
理論化学の1問と無機・有機化学の1問における配点は、さほど大きな差はありません。
そのため、時間を消費しやすく、計算ミスもしやすい理論化学から先に手を出すのは良い作戦ではありません。
そもそも、試験において、誰も前から解きなさいという指示は出していません。
有機化学
有機化学は最も安定して得点が取れる分野で、解く時間もそこまでかかりません。
それは暗記内容も覚えやすく、出題パターンもほぼ決まっているからです。
特に構造決定(問題の条件から物質を当てる推理問題)は対策しやすく、まとまって多くの点数を取れる美味しい問題です。
なお、有機化学の点数を上げる効率的な学習方法を次の記事で紹介しています。
こちらの記事も参考にしてください。
無機化学
無機化学も知識問題が中心で、計算問題はそこまで多くありません。
そのため、問題を解くのに時間は掛かりませんし、仮に知識を忘れていたら、勘か飛ばすという割り切りがしやすいため、無駄が生まれにくいです。
このような特徴から、少ない時間で点数を取りやすい有機化学・無機化学の2分野でまとまった点数を確保し、残り時間で理論化学の手間が掛からない問題に手を出すのが、最もコスパの良い戦略です。
さらに、全てを解くという発想を捨てれば、焦ることによる理論化学の計算ミスも減るので、さらに化学の点数を上げることにつながるでしょう。
以上の内容からも、安易に前から解くのではなく、戦略を持って試験問題を解くことが、いかに効果的かがわかると思います。
では次で、各分野の攻略法について、内容を少し具体的に深掘りたいと思います。
化学の点数を上げる
具体的な行動
- 有機化学→無機化学→理論化学の順で解く
- 知識問題と有機化学の構造決定を優先し、計算問題は後回し
- 残った時間で解きやすそうな計算問題を順次解いていく
共通試験や大学によって出題形式・傾向は変わりますが、基本的にこの流れで対策できます。
なお、有機化学・無機化学でも計算問題が出ますので、有機化学の構造決定以外は後回しにして問題ないでしょう。
この流れをもとに、過去問で出題形式を確認すれば、より具体的な解答手順をイメージできるはずです。
そして、一度作戦を立てて、制限時間ありで実際に過去問を解けば、
- どのテーマの問題を優先すべきか?
- どのテーマの問題は避けるべきか?
の振り返りができ、より実践的で、あなたに合った作戦を作り上げることができるでしょう。
それをわかったうえで、普段の勉強で計算・判断の正確さを磨けば、順調に化学の点数を上げることができます。
なお、この感覚を掴むには実際に試験問題を解く必要がありますが、まずはセンター試験の問題を解くと良いでしょう。
それは、知識・計算問題のバランスが取れていて、色々な作戦を試すのにちょうど良いからです。
ここで時間の使い方の感覚を掴めれば、他の大学でも自分で作戦を立てることできるようになります。
ちなみに、お試しで使うには『河合塾のマーク式問題集』という共通テスト形式の問題集を使うのが良いです。
それは、
- 問題にクセがない(ひねくれた問題が少ない)
- 知識・計算のバランスがちょうど良い
- 問題の難易度も標準レベルで、簡単すぎず、難しすぎず
という理由です。
また、化学全般の学習の優先順位とその考え方を次の記事で紹介しています。
試験での点数の取り方に加えて、化学の勉強時間の割り振りを参考にしたい方は、本記事を是非参考にしてください。
さらに、化学が苦手な人向けに、おすすめの問題集・参考書を次の記事で紹介しています。
応用ではなく、まず基本を徹底したい方は是非参考にしてください。
まとめ
- 理論化学は、計算で時間を消費しやすく、計算ミスも起こりやすいためコスパが悪い
- 有機化学が最も安定して短時間で点数を取りやすい
- 無機化学は覚えているかどうかで、解くかを判断しやすく時間が掛からない
- 知識問題&有機の構造決定を優先し、有機→無機→理論で解く
- 残り時間は、手間が掛からなそうな問題を優先して取れるだけ取る
試験は制限時間があるため、作戦を持って挑まないと実力通りの点数は取れません。
まずは、取りやすいところから点数を集め、残り時間で少しずつ点数をかき集める考えが必要です。
この考えはスポーツと同じで、
- 普段の学習は、試合に勝つために自分を磨くトレーニング
- 解く順番を考えることは、試合に勝つための作戦
です。
この考えがあれば、他の科目の試験の挑み方も変わって、試験で得点を上げやすくなるでしょう。
是非、限られた時間内で得点を上げる攻略ルートの意識を持ってください。
なお、勉強法に関して次の記事も紹介していますので、是非参考にしてください。
化学の点数を上げる効率的な学習順序
https://www.tm-life-agent.com/entry/study-chemistry-procedure
化学の基礎を徹底する問題集・参考書
https://www.tm-life-agent.com/entry/chem-probBooks-beginner
有機化学の効率的に点数を上げるおすすめ勉強法
https://www.tm-life-agent.com/entry/howto-organic-chem
化学の基本計算問題を徹底して練習する問題集
https://www.tm-life-agent.com/entry/chemistry-cal-trainingBook
点数を上げるための問題集の正しい使い方