3月・9月のお彼岸シーズンになると、近くの親戚回りや、親戚をお迎えするので忙しくなります。
親戚関係を保つことは大事ですが、
- 決まった期間で親戚同士でお互いに行き来するため忙しい
- お供え物やお香典の準備に手間がかかる
といった、面倒ごとが付きまとうのも、お彼岸の実際です。
時代が進めば、
- 高齢化により、お互いの家の行き来が難しくなる
- 親戚同士の家が離れていると、なおさら行き来が大変になる
- 世代交代により、親戚付き合いも浅くなる
と、時代の変化に合わせて、お彼岸のやり取りも自然と変化していきます。
そこで、無理に今まで通りのお付き合いを継続しようと無理すると、自分だけでなく、親戚の家にも負担がかかってしまいます。
逆に、時代の変化に合わせて『お彼岸での付き合い方を変えること』は、お互いの生活を幸せにするうえで、実は重要なことだと思っています。
我が家でも、父親が亡くなり、母親と長男の私のみの実家となったため、まさに時代変化のときを迎えています。
そこで今回、そんな我が家が、お彼岸での親戚付き合いの負担を減らすために実践している3つの工夫をご紹介します。
お彼岸の手間を減らす3つの工夫
まずは、我が家で実践している3つの工夫と、そのメリットを紹介していきます。
なお、その一部は、自分の家だけで勝手に決めるわけにはいかず、親戚間で約束事を取り決めることもあります。
親戚関係を友好に保つためにも、その取り決めにおける交渉は非常に重要です。
それは最後にまとめてご紹介します。
お彼岸の工夫1:お香典のやりとりを無くす
具体的な方法
お互いの家に行くときに、お香典を持っていかない
メリット
香典袋を毎回用意しなくて済む
お葬式と異なり、お彼岸でやり取りされるお香典の金額は、基本的に同額です。
先か?後か?の違いはあれど、頂いた金額を確認し、そのお家に伺うときに同額のお香典を包みます。
ということは、いってこい、の考え方で、お金の移動が実質ありません。
つまり、お香典は、完全に形式上のやり取りだけになっています。
そこで、我が家では、気の知れた親戚関係とは話を合わせ、お互いにお香典は用意しないように取り決めています。
※血縁関係の遠い親戚とは、お香典のやり取りは続けています
お彼岸の工夫2:いただいたお供え物を他家に持っていく
具体的な方法
ある親戚からいただいたお供え物を、他の親戚の家に持っていく
メリット
- お供え物の準備が不要
- お供え物の種類で悩まなくて済む
先に言っておくと、全ての親戚に対してお供え物を回し使いしていません。
自分の家でも準備します。
しかし、予想していなかった親戚が来たなど、想定より準備が必要になった場合に、既に頂いたお供え物を、他の親戚に持参することがあります。
当然、同じ親戚にそのまま返さないように注意は必要ですが、追加の準備が突然必要になったときに取る方法です。
また、全てをいただいていると、お菓子類が突然貯まり、その消費に困るのも現実です。
『リサイクル』という表現は不適切かもしれませんが、自分の家にお供え物がたまりすぎないように、コッソリと使い回しています。
お彼岸の工夫3:お彼岸の回数を減らす・無くす
具体的な方法
両家で相談し、お彼岸をしない時期を決める
メリット
行く・迎える回数が減るので、時間のゆとりが生まれる
よっぽど前向きな方でない限り、お彼岸の大変さを感じているのは、お互い様です。
そのため、お互いの気持ちが一致すれば、話し合いのうえで、お彼岸の回数を減らせます。
実際に我が家では、ある親戚とは9月のお彼岸は行き来しない、と約束しています。
その理由は、お盆から間もないのと、相手の家庭の稲の収穫時期にぶつかり忙しいからです。
このように、お互いでお彼岸の大変さの共感性が生まれれば、話し合いのうえで、お彼岸の回数を減らすことができます。
特に、お彼岸の大変さで共感を生みやすいポイントは、次の3点です。
- 9月のお彼岸は、お盆から間もない
- 高齢化すると、移動が大変になる or 移動手段が十分にない
- 田んぼや畑をしている場合、9月は収穫で忙しい場合がある
実は、この共感性の高いポイントそのものが、このあと解説する『交渉ポイント』になります。
お彼岸を楽にするための3つの交渉術
- 雑談の中で、移動が大変になったなどの両家で共感できそうな話題を入れる
- 話題の中で共感を得られた感触があれば、具体的な交渉を軽く振る
- 嫁ぐ割合の多い女性同士の会話のほうが、話が進みやすい
両家の親が亡くなるといった世代交代が起これば、親戚付き合いも自然と減っていきます。
逆に、今も続いている親戚付き合いは『同世代同士』の関係で成り立っています。
そのため、年齢に関わる話や地域性のある話(農業など)は、結構な割合で共感性を生みます。
特に『健康・体力』に関わる話は共感性を得やすいです。
それをお彼岸、または普段の雑談の中で織り交ぜ、共感性の得られる大変さがないか?を探り、交渉ネタを見つけていきます。
さらに、女性の方が、お彼岸を楽にするきっかけを作りやすいです。
女性差別ではありませんが、嫁ぐことの多い女性は、嫁いだ家庭の親戚付き合いに疲れやすいです。
そこに年齢などの要素も入ると、『なるべくお互いに楽にしていこう』という話に発展しやすくなります。
事実、我が家で、お香典を無くしたり、お彼岸回数を減らしたキッカケは、全て母と相手のご家庭の叔母さんの雑談にあります。
このように、大変な思いをしているのはお互い様です。
ご先祖様に失礼に聞こえるかもしれませんが、今を生きている人間が無理なく過ごせる環境づくりのほうが大事だと思います。
そのために、お互いが納得しやすい理由作りを大事にしましょう。
まとめ
お彼岸を楽にする工夫
- お香典を持参しないことにする
- お供え物を使い回す
- お彼岸自体を減らす、やらない
親戚間での交渉術
- お互いで共感できる健康・体力ネタなどで、キッカケを見つける
- 女性同士のほうが、楽にする方向へ話が進みやすい
時代の変化とともに、家庭環境や親戚付き合いも変わっていきます。
今までの慣習を大事にする考え方も素敵ですが、まず優先すべきは『自分の生活の過ごしやすさ』だと思います。
一方的に今までの慣習を断ち切るのは、人間関係が絡む都合上、なかなか難しいのが現実です。
しかし、自分が感じている大変さは、相手も抱いている可能性が高いです。
特に慣習ものは、その傾向が強いです。
お互いが共感できることを大事にし、今後の付き合い方も変化させてみてはいかがでしょうか?
それが、長期的に、よい人間関係を作り出せるポイントだと思います。
なお、お彼岸関係で次の記事も紹介しています。
お彼岸の意味・お供え物・香典の相場