今の時代、日々多くの課題を出す学校が増えています。
その理由には、
- 課題を出さないと子どもが勉強しない
- 課題を出すことで学校が指導していることを保護者にアピールできる
- 教科ごとに出したいだけ課題を出すため、単純に量が増えている
※教科間での連携が少ない
が挙げられます。
確かに、課題は子どもが勉強する1つの良いきっかけになります。
しかし課題が多すぎると、十分に考える時間を子どもに与えず、結果的にやるだけになり、消化不良で終わるという不幸な結果を招きます。
どうせ課題をやるならば、やった分だけ点数が上がるといった見返りは当然欲しいですし、自分で自由に使える時間も欲しいところです。
そんな課題が多い状況でも、取り組み方を工夫するだけで今の苦労が大分減ります。
それを知らず、何も考えずに課題を頑張り、時間ばかり失っていく多くの高校生を塾講師として見てきました。
- せっかく課題をやるなら点数を上げたい
- 課題に使う時間を減らして、自分で自由に使える時間を増やしたい
- そもそも、課題に対する精神的なストレスを減らしたい
このような希望は『課題に対する考え方・取り組み方』を変えていけば実現できます。
本記事では、そのような希望を実現するための『選択と集中による学校課題で効率的に点数を上げるおすすめの勉強法』を紹介します。
これは、私が塾講師として高校生に指導してきた内容です。
本記事を参考にして、課題をやった分だけ点数を上げ、無駄な時間を減らし、自分が自由に使える時間を増やしましょう。
学校の多い課題で
損する考え方とその理由
損する考え方
- 課題の全てを全力で取り組もうとする
理由
- 1日の時間が24時間なのは変わらない
- 人によって得意・不得意があり、同じ課題にかかる時間が違う
- 人によって課題に使える時間が違う
※部活動や習い事など
『学校の課題』は強制力が強いため、子どもはちゃんとやらなければ、という気持ちを抱きます。
そのため、最初は頑張って自分で考え、しっかり課題をやり切ろうとします。
しかし、人によって得意・不得意があるので、課題でつまづくことは当然あります。
そして1日24時間という時間は変わらないため、いつまでものんびりと課題に取り組めるわけではありません。
部活動や習い事で忙しい子が課題に使える時間はなおさら少ないでしょう。
この結果、課題の締め切りが迫った途端、真面目に取り組もうとしていた姿勢は一変し、単なる答え写しのような行動をするようになります。
学校の課題が多い場合の典型的な失敗例です。
こんな行動に覚えはありませんか?
これは極めて中途半端な学習で、無駄が多すぎ、かけた時間の割に点数は上がりません。
では何故このような事態に陥るのでしょうか。
その原因は、自分の実力を考えずに、目の前の課題にどのくらいの時間がかかるのか?を予想しないからです。
自分の苦手な科目であれば、時間がかかることは想像できるでしょう。
難しい問題に出会ったら、時間がかかることは想像できるでしょう。
このような『課題に対して将来かかる時間を予想しないこと』が根本的な原因です。
しかし、課題にかかる時間が最初からわかれば苦労しません。
やってみなければわからない、というのは1つの事実です。
そのため、課題の取り組み方や考え方を工夫して、無駄な時間を最初から無くしていくことが重要になります。
効率的に点数を上げる
学校課題の勉強法
では、具体的な課題の勉強法について説明していきます。
2段階に分けて説明しますが、基本的な考え方は『選択と集中』です。
勉強法1:
本気と適度の2つに分類
- 課題を『本気で取り組む』と『適度に済ませる』にわける
- 本気の基準:ポジティブな理由
受験に必要・得意・やりたい - 適度の基準:ネガティブな理由
受験に不要・苦手・やりたくない
全てを完璧にできたら素敵です。
しかし、時間に限りがあるなかで全てを完璧にこなせる人はどれだけいるでしょう?
そこまで多くないでしょう。
そのため、やるべき課題を『本気で取り組む』優先度の高い課題と、『適度に済ませる』優先度の低い課題にわけましょう。
なお、あらかじめ言っておきますが、受験に不要・苦手といったネガティブなものは頑張らなくて良い、と言うつもりはありません。
ただし、課題をやること自体が負担ですし、ネガティブな課題はなおさら負担が大きいです。
そのため、しっかりと課題に取り組むには余裕が必要です。
この余裕には『精神的な余裕』と『時間的な余裕』の2つがあります。
この2つの余裕を作ることが重要なので、少し詳しく説明します。
精神的な余裕
- 受験に必要なものが勉強できていない
- 自信が持てる得意科目がない
この状況で精神的に落ち着いていられるでしょうか?
恐らく無理で、この精神状況では1つ1つの課題の取り組みが雑になり、課題を通じて実力をしっかり身につけることができません。
最悪の結果は、しっかり学習できなかったことで、得意になるはずの科目も中途半端な実力で終わってしまうことです。
この精神的に余裕がない状態を避けるためにも、優先度の高い科目から手をつけ、徐々に余裕を高めることが重要です。
そして、優先度の高い科目の中の『得意・やりたい』という気持ちは、次の時間的な余裕を生みます。
時間的な余裕
- やるべき課題がいっぱい残っている
この状況でも落ち着いて課題に取り組むことは難しいでしょう。
得意・やりたい科目ほど、課題にかかる時間は短く済みます。
つまり、得意・やりたい科目の課題を優先的にやることで、短い時間で課題が減り、時間的な余裕を生み出すことになります。
そして得意な科目・やりたいと興味が持てる科目ほど学力は伸びやすく、点数は上がります。
『好きこそものの上手なれ』です。
そのため、得意・やりたい科目の課題は自信につながり、先ほどの精神的な余裕を生み出します。
このように、優先度の高い科目に重点を置くことで、精神的にも時間的にも余裕が生まれます。
この状態であれば、苦手な科目でも余裕を持ってしっかり取り組むことができるのではないでしょうか?
ただの順番の入れ替えですが、自分の気持ちをコントロールして、時間を有効に利用する大事な工夫です。
これが重要な科目を選択して、そこに時間を集中するということです。
勉強法2:
今の実力の1つ上まで目指す
- できないけど理解できそうなものは追う
1:解答を見て理解できるもの
2:できるまでやり直し - できなくて理解が難しいものは一度パス
1:解答を見ても理解できない
2:印をつけて答えを写す
3:時間に余裕があれば再挑戦
自力でできるものだけやっていても点数は上がりません。
『できないもの』を『できる』に変えていくことで点数は伸びていきます。
しかし、全てをできるようにすると、無駄に時間がかかり時間的余裕が無くなる危険があります。
そのため、できなくても解答を見て理解できるようなものを優先的にできるようにします。
逆に、解答を見てもなかなか理解できないものは、印をつけて、さっさと答えを写してしまいましょう。
答えを写す理由は、ひとまず提出できる形にして時間的な余裕を作るためです。
そして印をつける理由は、もし時間が余ったときに、さらにレベルアップするために再挑戦するための目印です。
難しい問題は理解に時間がかかる可能性が高いため、そこで時間を浪費すると、他の問題に使う時間が足りなくなる可能性があります。
これが冒頭で説明した『損する考え方』の結果につながります。
特に、得意・好きな科目ほど、難しい問題に粘りすぎて時間を浪費する可能性があるため注意が必要です。
課題にかかる将来の時間は完璧には予想できません。
さらに、使ってしまった時間は取り返せません。
そこで、難しい問題を後回しにすることで、優先的に取り組むべき問題にしっかり時間を使え、時間を使った分だけの実力をつけることができます。
これが取り組むべき問題の『選択』と『集中』です。
また、余裕があったときに更なる上を目指せば、無駄のない時間の使い方が実現できます。
これならば、課題にかかる時間を予想しなくても、無駄な時間を無くせますよね?
さらに、得意・苦手に合わせて、やるべき問題を選択しやすいですよね?
余った時間は得意科目を伸ばすでも良し、苦手科目の克服に使うも良し。
そのときの科目全体のバランスを見て決めていけば良いでしょう。
なお、課題の問題の解き方にも、実力を上げるための工夫があります。
これは問題集の効果的な使い方と同じで、次の記事で紹介しています。
こちらも是非参考にしてみてください。
点数を上げるための問題集の正しい5つの使い方
https://www.tm-life-agent.com/entry/howto-exercise-book1
学校の課題を
適度に済ませる方法(補足)
学校の課題で難しい問題などは答えを写して後回しと説明しました。
しかし、
- 答えを学校が回収して手元にない
- 答えのない自由研究
- 読書感想文や芸術系の課題
について、少し補足説明します。
答えが手元にない場合
一部の学校では、答えを写すことを防ぐため、学校が問題集の答えを回収してしまっている場合があります。
この場合は答えを写そうにも写せません。
答えがない場合はAmazonを使いましょう。
Amazonで『問題集名 or 教科書名』で検索すれば、大体の問題集は手に入るので買ってしまった方が早いです。
書店でも注文できますが、時間がかかるのでAmazonが良いです。
自由研究
自由研究のテーマを考えることは意義があると思っています。
しかし、自分で考えることが難しいのも実際です。
私の考えでは、1から全て自分で考えるのではなく、与えられた題材を通じて研究とはどんなものか?を学んでいくステップを踏んで良いと思っています。
その経験から、次はこんなことを考えてみよう、とつながっていくでしょう。
0から1を生み出すのは難しいですが、1から2を生み出すのはハードルが下がります。
このように、自由研究のテーマは、最初のテーマ決めが結構難しいので、自由研究のテーマもAmazonで買う、という行動を取ってみても良いと思います。
下の画像はAmazonの商品の一例ですが、『夏休み 自由研究』で検索すれば、いろいろな題材が見つかります。
その中から興味のあるテーマを選んでみるのも1つの手だと思います。
読書感想文・芸術課題
これも手ごわい課題で、私はあまり好きではありませんでした。
というのも、うまいものを作ろうと思いすぎて手が止まってしまい、なかなか課題が進まないからです。
ただし、読書感想文や芸術課題は、完成度の限界がありませんので、今の自分でできることを素直にやるのが良いと思います。
実際にやってみると、困ることが具体的に出てきます。
この、想像でどうしたら良いのか?ではなく、実際の行動を通じて困ることを発見することが重要です。
何で困っているのか?が具体的であればあるほど、その解決策を調べやすく、考えやすくなります。
そのため、まずは上手さを最初に考えるのではなく、手を動かしてみるということを大事にするとよいでしょう。
まとめ
- 得意・不得意や受験に要・不要などの基準で、『本気で取り組む課題』と『適度に済ませる課題』 で分ける
- 得意・不得意に合わせて、自分の実力より1ランク上までの問題に絞って効率的に点数を上げる
- 最後に余った時間で、得意科目をさらに伸ばす、苦手科目を克服する
- この選択と集中で、課題を効率的かつ効果的に利用する
- 問題集の答えや自由研究のテーマはAmazonで手に入る
課題を簡単に済ませて実力にもつく方法があれば、世の中で誰も苦労しません。
だからこそ工夫が必要で、せっかく時間を使って課題に取り組むのであれば、自分に実力という見返りがなければ損です。
ただ単に頑張るのではなく、頑張り方を工夫することで、周りと差をつけることができます。
戦略的に課題を有効に利用していきましょう。