学校の課題が多すぎて勉強できない!
本来、課題をやること自体が勉強なので本末転倒のような嘆きですが、確かに膨大な課題に束縛されて自由時間が激減することは珍しくないでしょう。
学校が家庭に向けて『教育しています』アピールで多くの課題を出す今ではなおさらです。
実際に、私が塾講師として指導した生徒の学校は課題が多く、常日頃、生徒から課題に関する悩みを聞いていました。
確かに、課題の多さが原因で『生徒が本来やるべき勉強の時間が少なくなるな』と思ったことは事実です。
そこで本記事では、塾講師の指導経験から『量の多い課題の効率的な取り組み方』を紹介します。
どうせ時間を使って課題をやるならば、やった分だけ実力につながって欲しいと考えるのが当たり前です。
本記事で紹介する取り組み方は、決してさぼりではありません。
なるべく無駄な時間のない効率的な取り組み方になるので、課題の多さで悩んでいる方は是非参考にしてください。
学校の課題が多くて勉強できない理由
まず、学校の課題が多くて勉強できなくなる理由を簡単に整理していきます。
この理由がわかれば、その対処方法も明確になります。
これらに該当していないかチェックしてみてください。
もし思い当たることがあれば、後で紹介する取り組み方を実践するだけで、自由時間が増えるでしょう。
理由1:面倒だからまったく手を付けない
当たり前だ!と思われるかもしれませんが、これは多くの人が思い当たるのではないでしょうか?
大人も同じで、私自身でも思い当たる節があります。
誰しも、面倒に思う課題からは逃げたくなるものです。
しかし、逃げれば逃げるほど、
- 締め切りが迫り、課題をやる時間が減る
- 使える時間が減ると、課題をやることがより大変に思える
- だからなおさら課題から逃げる
この悪循環で、どんどん精神的に悪い方向に向かい、最終的にやっつけ仕事で課題を終わらせることになるでしょう。
当然やっつけ仕事なので、掛けた時間の割に、自分の実力が上がった実感は得られず、ただ苦痛だけが残ります。
理由2:全てを100%で取り組もうとする
極端な話ですが、その課題を100%の力で取り組む必要はありますか?
これは学校に対して失礼かもしれませんが、使える時間が限られている以上、真剣に考えるべきことです。
100%の力で課題に取り組もうとすれば、当然それ相応の実力が要求されます。
しかし締め切りがある以上、どこかで妥協しなければならない部分は出てくるでしょう。
どこで妥協するのか?
この考え方の例をいくつか挙げてみましょう。
- 受験に使わないから、ほどほどで済ませる
- 苦手だから、最低限できるところだけ自力でやる
- ず~っと苦手で、今すぐ挽回できないので、今回はやったフリをする
※過去にさかのぼって復習する時間がない
これが、課題を効率的に取り組む方法のヒントになるでしょう(詳細は後で説明)。
この判断は早ければ早いほど良いです。
理由3:実力に合わない課題で悩み続ける
これは理由2と若干似ています。
誰でも得手不得手があるのは当たり前です。
自力で解決できることもあれば、何かを頼って初めて乗り越えられることもあります。
しかし、課題という名目で出されると『全てを自力で解決しなければいけない』と思ってしまう人が多いです。
得意なものは、それで良いでしょう。
しかし苦手なものまで自力でやり通そうとしたら、膨大な時間が掛かってしまい、時間が足りなくなるでしょう。
場合によっては、課題をやるための復習や別の勉強も必要になるかもしれません。
自力で解決できる課題もあれば、できない課題もある、ということを割り切るべきです。
では、割り切ったうえでどう取り組むのか?
これは後で説明します。
理由4:課題の種類とやるべき時間帯のミスマッチ
これは先ほどまでと毛色の異なる話です。
1日全体を振り返ると、
- 頭がさえている・疲れが少ない時間帯
※朝・午前中が一般的 - 疲れていて集中できない時間帯
という具合に、時間帯によって調子が異なることに気づくでしょう。
いつ・どのような状態か?は人によって変わりますが、日々の生活リズムにおける自分の状態を理解していることは重要です。
一言で課題と言っても、
- 思考を要するもの
※数学・読解など - 思考が不要なもの
※暗記もの(漢字・英単語など)
というように、課題にもいろいろな種類があります。
当然、疲れて集中できないときに思考を要する課題をやるのは非効率です。
いざやってみても、なかなか進まずにイライラして終わってしまい、余計に課題をやるのが嫌になるでしょう。
やみくもに課題に取り組もうとすると、調子が出ずに課題がまったく進まず無駄な時間を過ごしてしまうことはよくあります。
多い課題の効率的な取り組み方
では、先ほどまでの失敗事例を参考に、効率的な課題の取り組み方を説明していきます。
なお、ここで紹介する内容は、さぼりではありませんが、結構極端な内容です。
あくまでも、
- 時間が足りない
- 他に使える時間を増やしたい
という場合を対象にしており、サボることを目的としていないことだけ注意してください。
1:やりやすいものから10分だけでも始めてみる
課題に取り組むときの1番のハードルは『課題を始めること』でしょう。
面倒なものを目の前にすると、人はどうしても先延ばしにしたくなるものです。
テレビ・スマホ・ゲーム・漫画。
何でも良いのですが『あと10分だけ・・・』と課題を始める時間をドンドン先延ばしにした記憶は誰でもあるでしょう。
そこで、次のように行動してみてください。
面倒な課題の取り掛かり方
- やりやすい課題からやってみる
※好きな科目・テーマ、暗記ものなど - まずは10分だけでもやってみる
※つらくなったら中断しても良い
嫌いな課題よりも、好き・やりやすい課題の方が当然腰を上げやすいです。
とは言っても、量の多い課題です。
最初から全力で頑張る気持ちで臨もうとすると、その面倒さから逃げ出したくなります。
そこで『たった10分だけでもやってみよう』と思ってみましょう。
つらくなったら中断しても良いです。
こう思うことで、課題に取り組むための精神的ハードルを下げることができます。
そして、仮に10分でやめる気満々だったとしても、いざ始めてしまえば、意外にその後も継続して課題に取り組めるものです。
その結果、課題が徐々に減っていくことが実感でき、なおさら課題に取り組むハードルが下がっていくでしょう。
いかにして課題を始めることへの精神的ハードルを下げるか?
このきっかけを生み出すだけでも、かなり状況は良い方向に向かうでしょう。
2:課題を本気とほどほどの2つに分ける
学校の先生には申し訳ないのですが、時間がない・他にやるべきことがある状況で、全ての課題に全力を注ぐことはできません。
そこで、やるべき課題に優先順位を付けてみましょう。
特に次のようなものは、優先順位を高くしたほうが良いでしょう。
優先順位の高い課題
- 受験に必要な科目
- 点数を上げなければならない科目・テーマ
- 得意な科目・テーマ
そもそも課題をやりたくなくても、自分に必要だと思える課題の方が、まだ取り組みやすいでしょう。
得意な科目であればなおさらです。
そこで、優先順位の高い課題は、しっかり自分で考え、時間を使って本気で取り組みましょう。
その使った時間の分だけ、しっかり自分の実力が磨かれます。
そして、優先順位の低い課題からは積極的に逃げてしまい、ほどほどの努力で終わらせてしまいましょう。
課題に取り組む本気度・時間を削れば良いだけの話です。
具体的な取り組み方は次のとおり。
優先順位の低い課題の取り組み方
- 無駄に長時間悩まない
※少し悩んだら答えを見る - 問題集の解答を写す
まずは終わらせることが大事です。
課題の量が多い場合は、まず『終わった』という状況を作らないと精神的な余裕が生まれません。
そして、嫌な課題ほど取り組み方が雑になり、掛けた時間の割に実力が磨かれず非効率になりやすいです。
そこで、優先順位の低い課題は、ここで紹介した方法でまずは終わらせてしまいましょう。
そのうえで、もしこの行為に罪悪感を覚えるのであれば『課題が一通り終わり、時間に余裕があればやり直せば良い』と考えれば良いでしょう。
なお、学校によっては、問題集の答えを写すのを防ぐために、解答を配布していない場合があるでしょう。
しかし今では、問題集の解答などはAmazonなどで簡単に手に入れることができます。
教科書ガイドも、教科書付属の問題対策に有効で、授業の予習系の課題などで活躍するでしょう。
手元に解答がない場合は、Amazonなどでさっさと手に入れてしまいましょう。
3:本気を出すのは実力1個上のレベルまで
これは先ほどの優先順位の考え方の発展編です。
本気で取り組む課題でも、そこで出題される問題の難易度には幅があります。
当然、自分の実力よりはるかに高いレベルの問題もあるでしょう。
勉強は『できないことを、できるに変える』ことが目的で、その積み重ねで実力が上がります。
しかし、できないこと全てをできるようにすると膨大な時間が掛かり、課題の締め切りに間に合わないこともあるでしょう。
当然これには限度があり、普段の学習目標であれば『自分の実力より1個上レベルまでをできるように努力していく』のが最も効率的です。
そのため、明らかに難しい問題などは、先ほどのほどほど対応と同様に、むやみに悩まず、さっさと答えを見て終わらせた形で済ませるのが良いでしょう。
そして、そこで浮いた時間を、本来取り組むべき問題や他の時間に使うべきでしょう。
このような『選択と集中の考え方』は、課題の種類だけでなく、問題の難易度でも有効です。
無駄な時間を極力無くすよう、メリハリのきいた時間の使い方を徹底しましょう。
なお、別の記事で『問題集で点数を上げる効果的な使い方』を紹介しています。
問題集をやっても成績が伸びずに悩んでいたら、こちらの記事も是非参考にしてください。
4:集中できないときは単純作業もの
課題の取り組み方の失敗例で、集中できる時間帯とできない時間帯があることを説明しました。
集中できる時間帯は何も気にする必要はありません。
意識したいのは『集中できない時間帯で何をやるか?』
当然、集中できない時間帯で思考力が必要な課題はやるべきではありません。
苦痛を感じながら無駄な時間を過ごすだけです。
やるべき課題は『漢字・英単語・暗記』といった単純作業ものです。
疲れていて集中できないときは、何をやっても非効率だと思われがちです。
しかし実は、暗記系の知識は集中できていなくても、意外に頭に残ることが知られています。
そのため、単純作業系の課題はいつ取り組んでも十分に学習の効果があり、無駄になりにくいです。
ということは、疲れて集中できないときは、短時間でも良いから単純作業の課題を進めた方がお得ということですね。
時間を無駄にすることなく、残りの課題も減っていく。
精神的にも優しい課題の取り組み方です。
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まとめ
- やりやすい課題を短時間でいいから始めてみる
- 課題を本気とほどほどの2種類に分ける
- 本気で取り組む問題は実力1個上まで
- 集中できないときは単純作業ものを進める
いかがでしょうか?
課題が多くて時間が足りない!勉強できない!
こんな悩みを抱えながらも、せっかく時間を使うのであれば有効に使いたいものです。
本記事では、なるべく無駄のない効率的な課題の取り組み方を紹介しました。
課題が多いときほど有効な手段です。
参考になる方法があれば、是非一度実践してみてください。