四十九日や一周忌といった法事では、お葬式と同様に参列者の方はお香典を持参します。
お葬式のお香典の金額で悩まれる方は多いので、法事で包むお香典の金額で悩む方も多いと思います。
あまりにも高い金額では遺族に気を遣わせてしまう一方、低い金額では失礼にあたらないかと、何かと心配が付きまといます。
そこで本記事では、私が行った父の四十九日・一周忌の法事で実際に頂いたお香典の金額をもとに、次の内容を紹介します。
- 香典袋の表書き
(御霊前と御仏前の違い) - 香典に包む一般的な金額・マナー
- 法事における香典の金額の相場
香典袋の表書き
(御霊前・御仏前)
お香典の相場から少し離れますが、失礼のないよう、お金を包む香典袋について簡単に解説します。
香典袋には『御霊前』と『御仏前』の2種類が主にありますが、その使い分けは次のとおりです。
なお、宗派や地域の慣習などで微妙に異なる場合がある点はご理解ください。
ここで説明する内容は、ごく一般的なものです。
御霊前
- 通夜・告別式で使う
- 四十九日よりも前で使う
御仏前
- 四十九日以降の法事で使う
- 浄土真宗は通夜・告別式でも使う
亡くなった方は、亡くなった日から修行を49日間行い、7日ごとに裁判を受け、7回目の裁判(亡くなってから49日)で次の行き先が決まると言われています。
そして49日目に仏として極楽浄土に向かうと仏教では考えられています。
そのため、亡くなってから49日前までは『霊』という状態であり、四十九日以降で『仏』になります。
つまり、四十九日を迎える前のお通夜・告別式では、故人はまだ仏ではなく霊の状態ということで『御霊前』を。
故人が仏となった四十九日以降では『御仏前』を香典袋に使うことになっています。
お香典に包む金額のマナー
結婚式と同様に、お香典に包む金額にはマナーがあります。
『一般的に選ばれる金額』と『避けるべき金額』を簡単に整理します。
一般的に選ばれる金額
- 奇数頭の金額(9は除く)
- 3千・5千・1万・3万・5万
- 偶数頭でも2万円は選ばれる
避けるべき金額
- 偶数頭の金額(2は除く)
2万円を除いて、偶数頭で始まる金額はお香典には使われません。
なお奇数でも、苦しみを連想させる9万は使われません。
法事(四十九日・一周忌)
のお香典の相場
では、実際に私が頂いたお香典の金額をもとに相場を整理していきます。
ただし、その前に『法事のお香典の金額』の基本的な考え方について少し触れます。
基本的な考え方
四十九日・一周忌といった法事では毎回同じ金額が選ばれます。
そして、故人との関係が近いほどお香典に包む金額も高くなる傾向はお葬式と同じです。
しかし、お葬式よりも金額は低くなります。
そのため、1つの基準として『お葬式で包んだ金額よりも1ランクだけ低い金額』と考えても良いでしょう。
なお、お葬式のお香典の相場は次の記事で紹介しています。
お香典の相場(故人との関係別)
次の表が、私の父の法事で実際に頂いたお香典の金額と、そこから見える相場です。
関係 | 相場 | 実際に頂いた金額 |
---|---|---|
親 | 3万~5万 | 30000 |
兄弟 | 2万~3万 | 20000(1件) 30000(2件) |
従兄弟 | 1万 | 10000(5件) |
その他 | 5千~1万 | 事例なし |
故人との関係がかなり近くても3万円を1つの上限と考えてよいでしょう。
私の実体験でも、親・兄弟という故人と近い関係でも最高で3万円です。
一応、親については3万円よりも1ランクだけ上の5万円も相場に含めましたが、次の理由からあまり高い金額は考えなくて良いと思います。
法事の香典の金額を高く考えない3つの理由
- 故人とかなり近い関係でも3万円が多い
- 法事はほぼ近親者のみで行うので、お香典の金額の幅は広くない
- 高くても3万円程度で遺族は返礼品を考える
まず私の経験からもわかるように、法事のお香典の金額は高くても3万円です。
そして法事はお葬式と異なり、近親者のみで行うことが多いので、お葬式のように5千円~10万円といった幅広いお香典の金額にはなりません。
低い金額でも大体が1万円程度になるでしょう。
そうすると、法事のお香典の金額は1万円・2万円・3万円という限られた選択肢から決めることになります。
そして、遺族はお香典に対する返礼品を準備します。
このときに用意する返礼品の相場は、お香典の1/3~1/2(食事代込み)で考えます。
つまり、法事のお香典を1万~3万円と想定して遺族は準備しますので、そこで10万円のように高い金額を包んでしまうと、遺族は『想定よりも高い金額をもらってしまった』と余計な気遣いをすることになります。
このように、下手に高い金額を包んでしまうと、遺族に余計な思いをさせてしまうことがあるので、3万円を1つの上限に考えたほうが無難だと思います。
その他関係の人のお香典の相場
今回挙げた故人との関係以外にも
- 祖父・祖母
- 叔父・叔母
- 甥・姪
- 友人など
の立場で法事に参列する場合もあるでしょう。
先の表では『その他』という関係で一括りにし、お香典の相場は5千~1万円としました。
既に触れたように、近親者でもお香典の金額は1万~3万円です。
お香典は気持ちとはいえど、故人との関係が遠い人が近親者よりも高い金額を包んでしまうのは好ましくありません。
そのため、その他の立場の方は5千~1万円でお香典の金額を考えておくとよいでしょう。
そのうえで、
- 親戚関係:1万円
- 親戚関係でない:5千円
と考えておけば、血縁関係順にお香典の金額が並ぶので、遺族が変に気を遣うことがなくなります。
なお、これは完全に私の考えですので、特別な思いで高い金額を包まれても良いとは思います。
ただし、私の経験上、遺族は頂いた金額と血縁関係を気にしますので、遺族が違和感を抱くような並外れた金額をお香典に包むことはお勧めしません。
遺族も熟知しているような特別な関係ならば別ですが。
まとめ
- 法事のお香典では、四十九日・一周忌で同じ金額を包むことが多い
- 近親者の相場は1万~3万円
- 血縁関係が遠い・ない場合は5千~1万円に抑える
何かと悩む法事のお香典ですが、特に近い近親者でも3万円程度が一般的です。
そのため、法事に参列される方全体とご自身の立場を比較したうえで金額を考えれば、法事のお香典はそこまで場違いな金額にはなりません。
故人との関係が近ければ3~5万、従兄弟くらい離れていたら1万が上限程度と考えておくと、そこまで悩まずにお香典の金額を決められると思いますので、是非参考にしてみてください。
なお、次の記事で、法事とは別にお彼岸のお供え物・お香典について紹介しています。
こちらも参考にしてみてください。