生活の羅針盤

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【厳選】解説の詳しい大学受験物理のおすすめ問題集(難易度別)

【厳選】解説の詳しい大学受験物理のおすすめ問題集(難易度別)

当ブログでは、私が塾講師としての経験から、特に理系科目に特化したさまざまな情報を紹介しています。

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本記事では、以前に紹介した『高校物理初心者向けの問題集の使い方』の延長として、さらに物理の得点力を磨くための『中級~上級者向けのおすすめ問題集』を紹介します

 

本記事の対象者

  • 初級レベルを終え、さらに物理の点数を上げるための良い問題集を探している
  • 問題数が厳選された効率の良い問題集を探している
  • 解説の詳しい問題集が欲しい

 

私が塾講師として、生徒に一貫して推薦してきた問題集をここで一気に紹介します。

どれも、小手先だけの技術ではなく、様々な問題設定に対して『どのように考えていくべきか?』という方針を示してくれる良書です。

是非、今後の更なる実力upのための参考にしてください。

 

 

おすすめ問題集の特徴

私が良い問題集だと思う基準は、次の4点です。

  • 問題数が厳選されている
    ※場数で勝負しない問題集
  • 問題の解答の方針がはっきり示されている
  • 解説が詳しい
  • 収録している問題の難易度が明確に示されている

 

世の中には、数多くの問題集があります。

しかし、これに該当する問題集は意外に少ないです。

今回紹介する問題集は『中級~上級者向けの問題集』だけです。

 

もし、物理に苦手意識のある方は、まず次の記事で基礎力を高めるためのノウハウを学んでください

 

物理初心者向けの参考書・問題集と使い方

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問題集の正しい使い方

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また、受験までの時間を考えて、効率的に物理の学習を進める方法を知りたい方は、次の記事を参考にしてください

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まず、ここでは、私が実力を上げるために良いと思える問題集の基準を簡単に説明したいと思います。

 

解説が詳しい

模範解答だけを並べている問題集は意外に多いです。

特に、

  • 問題数だけ多く収録している
  • 問題集を薄く済ませて安くしている

といった問題集に、その傾向がよく見られます。

中身のない薄っぺらな問題集に価値はありません。

これは、物理が手軽に勉強できると思わせる罠だと思って良いでしょう。

 

実は、大学入試の物理は、問題に対する基本的な解答方針が定まっていれば、初見でも解ける問題が多いです。

つまり、実力を上げるために、そこまで極端に多くの問題を解く必要はないということです。

 

そこで重要なのが『問題に対してどのように手を出していくのが一般的か?』という方針を明確に示しているか?です。

これが本当の意味での解説です。

今回紹介する問題集は、その点で抜かりはありません。

問題数が厳選されている

これは、先ほどの『解説が詳しい』という点で説明したのと通じますが、重要な解法や考え方を学ぶのに、極端に多い問題数は不要です。

むしろ、物理法則に従って、どのような関係式を立てれば良いのか?という明確な方針が重要です。

それさえ学んでしまえば、あとは志望校の過去問などで実践演習を積めば十分に得点力を上げることができます。

 

そのため、まるっきり少ない問題数では話になりませんが、それを学ぶのに適正な問題量というものが存在します。

目安としては、物理全分野で150~200題程度でしょう。

今回紹介する問題集は、その点もかなり意識して厳選したものだと思ってください。

収録している問題の難易度が明確に示されている

問題の難易度がわからないと

  • 今理解しなければならない問題なのか?
  • 後で手を付けても良い発展的な問題なのか?

を自分で区別することができません。

これは、下手に難しい問題で時間を使ってしまう無駄を生む原因となり、非効率な勉強につながってしまいます

 

今回紹介する問題集は、その一冊の中の問題難易度がほぼ一定で抑えられています。

そのため、中級者・上級者向けという基準で問題集を選べば、しっかり目指すべき実力に合った問題だけに触れることができます。

大学受験物理のおすすめ問題集

大学受験物理のおすすめ問題集

今回紹介する問題集は中級~上級レベルなので、難易度別で問題集を紹介します。

特徴的な部分も紹介しますので、自分の志望校の出題傾向と合わせて吟味されると、より効果の高い学習が実現できるでしょう。

中級レベルの問題集

教科書例題レベルから、さらに実力を上げようとする人に向いている問題集です。

良問の風

特徴

  • 問題にクセがない(悪問がない)
  • 大問につき小問3~4程度で、中堅私立大学に近い問題構成
  • (1)~(2)は基本レベルで、小問の後半から難易度が上がる親切設計
  • 基本となる解答方針をコンパクトにまとめている

 


良問の風物理頻出・標準入試問題集 (河合塾シリーズ)

 

問題集の中でも正統派の1つと言える問題集でしょう。

1つの問題に対しての小問が3~4問で、段階的に問題を攻略する姿勢は、中堅私立大学の入試形式に近いと言えるでしょう。

特に、小問の最初は基本レベルから始まるので、どの問題も最初からつまづくということが少ないでしょう。

 

そして、問題に対する解答の方針も明確に定めています

中堅私立大学以外の志望者でも、問題に対する解答のアプローチをチェックするには向いています。

 

さらに、良い意味で解説がくどくないです。

問題・解説含めて、かなりシンプルにまとめられているため、ごちゃごちゃした見た目が嫌いな人には、かなり向いていると思います。

個人的な意見ですが、私はイラストが多い問題集よりもコンパクトな問題集が好きなので、この問題集はかなり気に入っています。

 

 
良問の風物理頻出・標準入試問題集 (河合塾シリーズ)

漆原の物理 -明快解法講座-

特徴

  • 1つの大問に対して小問は少し多めで、中堅国公立に近い問題構成
  • 特に重要な解答の方針は、図説をたっぷり使って教えてくれる
  • 総問題数は、物理の問題集の中でもかなり少な目
  • 良問の風よりは、少し難易度が高い

 


大学受験Doシリーズ 漆原の物理(物理基礎・物理) 明快解法講座 四訂版

 

先ほどの良問の風よりも、問題数を厳選した問題集で、イラスト豊富な図説は見事です

まず最初に、問題を解く上で必要な知識と方針がしっかりまとめられており、それにページを十分に割いている点に好感が持てます

かわいいイラストも利用して、問題に対する考え方をわかりやすく伝えようとする意識が強く感じられます。

この問題集レベルで、解法の方針に十分にページを割いている問題集は少ないのではないでしょうか?

その分だけ、レアな良問題集です。

 

なお、大問の後半に進むと難易度は少し高めになりますが、それでも解説の手抜かりはありません。

全体的な難易度は良問の風よりも高くなるため、1問1問で頭を働かせて実力を付けたい方に向いているでしょう。

そして、国公立によく見られる、大問1つあたりに小問が多い問題形式は、その手の出題形式の大学を志望される方に向いているでしょう。

 


大学受験Doシリーズ 漆原の物理(物理基礎・物理) 明快解法講座 四訂版

上級レベルまでの問題集

ここで紹介する問題集は、上位国公立・私立向けの問題集です。

問題の難易度は格段に上がります。

志望校の入試物理の問題に、ある程度手が出る人には不要でしょう。

しかし、難解な問題設定に立ち向かう必要がある方は、過去問併用と合わせて1冊持っておくと、苦手単元攻略に役立つと思います。

 

名問の森

特徴

  • 中級者向けの『良問の風』の上位版
  • 問題はシンプルな設定
  • しかし難易度はハード
  • 良問の風を使った人が後で使うのが良い

 


名問の森物理 力学・熱・波動1 (河合塾シリーズ)

 

中級レベルで紹介した『良問の風』の上位版です。

そのため、当然、問題の難易度は上がり、大問1問あたりの小問数も増えます。

難易度の高い問題の割に問題文が短めなので、シンプルな問題設定で思考を働かせる問題設定が多いです。

 

大学によって、問題文が長いか短いか?は、結構違いがあります。

比較的に短めの問題設定で、多めの問題を出す大学に向いているでしょう。

なお、良問の風の上位版なので、良問の風を終えた人が、次に手を出すならば、大きな違和感なく問題集を進められるでしょう。

 

私としては、変な問題集に手を出さなければ、良い問題集の中でどれを使うかは、人の好みだと思っています。

そのうえで、慣れたシリーズの中で中級~上位を目指すというのは、一番違和感なくステップアップできるポイントだと思っています。

そのような意味も込めて、ごちゃごちゃしない設定で、思考力を磨きたい方は、良問の風から名問の森に進むのが最適だと思います。

 


名問の森物理 力学・熱・波動1 (河合塾シリーズ)

難問題の系統とその解き方

特徴

  • 20年前からの名著
  • 物理問題集の最高峰
  • 問題設定が難解で、極めて思考力を要求される
  • 問題文が長めで、上位国公立向け

 

使い方の注意点

  • 例題だけ手を出して、その他の演習は不要

 


難問題の系統とその解き方物理I・II―新課程

 

私が現役受験生のときに使っていたこともあり、かなりの歴史がある名著です。

正直、問題の難易度は高く、旧帝国大学を含めた上位大学向けの問題集です。

問題文は長く、小問数も多いです。

凝りに凝った問題の中で、様々な問題を解いていく形式です。

大問に対する小問の数が多い大学の対策に向いているでしょう。

 

問題数は非常に多いのですが、例題と演習問題に分かれており、例題だけであれば、問題数は多くありません。

そして、例題だけでも1問あたりが重いため、それだけで十分に実力を磨くことができます。

逆に、現役生ならば、例題だけに留めて、その他の問題に手を出すべきではありません。

そのため、例題だけを解くだけで最高峰の問題の演習が可能です。

 

ちなみに、解説は極めてシンプルです。

本番の解答で記述すべき解答事例が、そのまま解説に書かれているような感じです。

それを親切と呼ぶのかは別ですが、先ほどまで紹介した中級レベルの問題集を超えた後であれば、解説を読み解くことはできるでしょう。

なお、テクニックとなる考え方は、注釈で追加の解説が加えられているので、完全放置というわけでないので安心してください

とにかく、これが大学受験の最高峰の問題集と言えるでしょう。

 


難問題の系統とその解き方物理I・II―新課程

 

まとめ

如何でしたでしょうか?

世の中の問題集にさまざまな特徴がありますが、物理の問題を解くうえで重要なことはテクニックではなく、問題に対する向き合い方(解答の方針)だと思っています。

それを、問題数が厳選された中で伝えきれている問題集は数少なく、今回紹介した問題集は、どれも損のない一品だと思っています。

この中から、ご自身の実力と志望校に合った問題集を選び、悲願の合格に近づくことを願っています。

 

なお、受験勉強ネタとして、次の記事も紹介しているので、こちらも是非参考にしてください。

 

物理初心者向けの参考書・問題集と使い方

www.tm-life-agent.com

 

問題集の正しい使い方

www.tm-life-agent.com

 

効率的に物理の受験勉強プラン

www.tm-life-agent.com