埼玉県は日本の中でも暑すぎず寒すぎない中間地。
そんな中間地において2月中旬~3月上旬は、身近な野菜『ジャガイモ』の植え付け時期です。
突発性難聴により実家での療養中で暇をしている私が、あまりにも暇なので実家の畑でジャガイモ育成にチャレンジしました。
亡くなった親父と同居の母は、ジャガイモ育成の経験者。
頼れる情報は野菜作りの本と両親の経験のみです。
そして、今回のジャガイモの育成条件は次の通り。
ジャガイモの育成条件
- 1年前の6月(9カ月前)に収穫したジャガイモが種芋
- 種芋はしわしわ
- 植え付け日:2020年3月6日
- 植え付け時の肥料は堆肥のみ
※土寄せ時には化成肥料を使う
先に断っておくと『植え付け時の肥料が堆肥のみ』というのは、もともとの畑に栄養分が十分にあるからではありません。
素人の私が化成肥料を入れ忘れた結果です。
本記事の対象者
- 1年前の収穫済みジャガイモを種芋にしたい人
- しわしわな種芋だとどうなるか知りたい人
- 肥料が貧弱だとどうなるか知りたい人
このような悪条件の中でジャガイモを育てたらどうなるのか?を知りたい方は、是非参考にしてみてください。
なお、ちゃんと新ジャガは収穫できましたよ。
ジャガイモの種芋の保管状況
- 種芋を入れた容器のうえに新聞紙を被せる
- 保管場所は冷暗所
- 収穫から2回ほど芽かき済み
うちでは、収穫したジャガイモの表面に新聞紙を被せた状態で、日の当たらない物置の涼しい場所(低い場所)に保管しています。
それは、腐ったり、目が出すぎないようにするためです。
ただし、そんな状況でもジャガイモの芽は伸びるため、種芋として使う前に2回ほど芽かきをしています。
要は、極端に伸びた芽の長さ調整で、うちでは『長さが2~3mm』程度になるように芽を切ります。
ちなみに、今回使った種芋はこんな感じのしわしわです。
これを植えたらどうなるのか楽しみです。
ジャガイモの種芋の切り方
- 握りこぶし半分くらいの大きさに切る
※種芋がそれより小さい場合は切らずに使用 - 芽が出にくい根本から、芽が出やすい先端に向けて左右均等に切断
種芋の大きさもさまざまなので、切って使うかは『大きさが握りこぶし程度』を1つの基準にします。
そして、種芋を切るときは、その切り方に注意。
ジャガイモは、根本ほど芽が出ず、先端ほど芽が出やすい特徴があります。
そのため、根本と先端が分かれてしまうように種芋を切ると、芽が出やすい種と出にくい種というようにムラが出てしまいます。
そこで、根本から先端に向けて均等に芽が出やすいようにカットすると、万遍なく芽が出る種芋が作れます。
実際の切断イメージと写真がこちら。
なお、根本は表面がくぼんでいるところを目印に探せば見つけやすいです。
こんな感じで畑に植え付ける種芋を準備。
こんなにしわしわな種芋で本当にジャガイモが育つのか心配ですが、ものは試しです。
なお、私の家ではジャガイモの種芋を切断したら次の処理を行います。
ジャガイモの種芋の表面処理(推奨)
- 草木灰を切り口にまぶす
- 地中の水分で種芋が痛まない工夫
ジャガイモの種芋は過度な水分に弱いです。
連日の雨など、水分の高い環境に置かれてしまうと、表面の切り口に水分がたまり腐ってしまいます。
そこで、切り口から水分を守るために草木灰をまぶします。
草木灰はホームセンターなどで簡単に手に入ります。
より良いジャガイモの収穫を目指す人は草木灰を使ったほうが良いでしょう。
なお、初心者の私は、ものは試しと決め込んでいたので、草木灰なしで挑みました。
要はめんどくさかっただけですが。
土作り
- クワなどで種芋を植え付けるための10cm深さの溝を作る
- 掘った土は後で被せるので、溝の両脇に盛っておく
溝の深さは大体10cm程度で十分です。
なお、掘って出てきた土は後で被せるので、溝の両脇に盛っておくと、後の作業が楽ですよ。
下の写真は、私が実際にクワで掘ったものです。
ジャガイモの種芋の植え付け
- 切り口を下にする
- 25cm程度の間隔で置く
- 種芋の間に堆肥と化成肥料を置いていく
※化成肥料は忘れずに - 溝の両側の土を被せて終了
溝ができたら、25cm程度の間隔でジャガイモの種芋を置いていきます。
靴のサイズを参考に足跡をつけながら目安をつけるとやりやすいですよ。
なお、種芋を置くときは『切り口を下側』にすることに注意。
これで、切り口に水分がたまり腐ってしまうのを防げます。
そして、種芋同士の間に栄養となる堆肥・化成肥料を置きましょう。
私は3握り程度の堆肥を置いていきました。
※私のように化成肥料入れ忘れは注意してください
実際の写真とイメージ図がこちら。
なお、野菜作りの本にも書いてありましたが、種芋に肥料が直接触れると、栄養過多で腐ってしまうようなので要注意です。
ちなみに、下の本は野菜作り初心者の私が参考にした本です。
イラスト豊富、内容も細かすぎないので、初心者の方は非常に参考にしやすいですよ。
イラストでよくわかる 改訂増補 はじめての野菜づくり12か月
そして、種芋を植え付けたら、あとは土を上から被せて、軽くトントンと表面を叩きましょう。
これで植え付け終了。
ここまできたら、後は天候を祈りながら、種芋から芽が出ることを祈るのみです。
既に、ジャガイモの種芋が水分に弱いことを話しましたが、
- 連日の雨が予報されている
- 大雨が予報されている
という状況での植え付けは避けるようにしましょう。
と言いながらも、私の場合は、種芋植え付けの翌日から2日連続で大雨でした。
いいジャガイモを取るためには、しっかり天候を確認しないと駄目ですね。
さてさて、ジャガイモの芽はしっかり出たのか?
しっかりとジャガイモの芽が地上に現れてくれました。
まずは一安心です。
- 種芋はしわしわ
- 植え付け時に化成肥料を入れていない
- 植え付け直後に連日の大雨
といった悪条件でも新ジャガを収穫できたことを考えると、しわしわな種芋でも何とかなりそうですね。
土寄せ
- 茎が長くなるたびに適宜、土を被せる
- その際、栄養補給に化成肥料も追加
- 収穫までに2回ほど
ジャガイモは地中で成長するため、日光に触れるのを嫌います。
そこで、ある程度成長したタイミングで土寄せをします。
要は、周辺の土を茎周辺に被せて、ジャガイモの上の土を厚くするということです。
こうすることで、地中で育っているジャガイモが日光にやられずに済みます。
そしてこのタイミングで、栄養補給のために化成肥料も追加しましょう。
下の写真は実際の写真です。
茎の周りに見える白い粒が化成肥料です。
収穫
- 小粒のジャガイモがたくさん取れた
- 大きいジャガイモは少なかった
論より証拠。
下の写真は、実際に収穫できたジャガイモの一部です。
正直、小さかったです。
- 植え付け時に栄養となる化成肥料を入れなかったのが原因か?
- 植え付け後の連日の大雨が原因か?
- そもそも種芋の質の問題か?
個人的には、種芋が原因だったと思います、正直。
それは、同じタイミングで新鮮な種芋をホームセンターで買って植えた母のジャガイモの方が成長が良かったからです。
1年前のジャガイモでも立派な収穫ができるはず、と思ってやりましたが、今回は完敗です。
しかし、収穫したジャガイモが小さいこともあり、皮つきで揚げて塩をまぶすと、お手軽で超美味しいおやつになりました。
新ジャガということもあり、ホクホク感も最高でした。
慰めではないですが、小さいジャガイモでも、取れたら嬉しいですよ。
まとめ
- 1年前に収穫した、しわしわの種芋でも新ジャガは取れた
- 肥料不足・天候不良でも問題なかった
- ただしサイズは小さかった
- 小さくても、食べごたえは十分で美味しかった
いかがでしたか?
1年前に収穫しながらも余ってしまったジャガイモ。
そのままにするのは勿体ないと思う人は、是非植え付けてみてください。
私のような雑で過酷な環境でも、新ジャガを手にすることができました。
毎年新しい種芋を買うだけでなく、1年前の収穫済みのジャガイモを種芋として使うと、そこで収穫できたジャガイモに愛着がわきます。
当然、その分、美味しく感じられます。
自分が作った作物を翌年に使う楽しみは、単純に種芋を買う以上の楽しみがあると思うので、是非試してみてください。