初心者庁 生活局

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COVID-19にみるサプライチェーンとBCP、そして生活設計

新型コロナウィルスCOVID-19の感染脅威は、未だに猛威を振るっている。

恐らく、これから収束するのではなく、これからさらに拡大するのであろう。

 

そんな日常で扱うニュースは、

  • 新型コロナウィルスCOVID-19による感染者増
  • 感染予防対策
  • マスクや消毒液の不足

といった内容ばかりである。

 

その中、感染の中心である世界の工場『中国』がほぼ活動停止したことに伴って、日本の自動車メーカー日産、韓国の自動車メーカー現代(ヒュンダイ)など、生産ラインの停止が余儀なくされている。

 

事故による生命への影響の強い自動車は、1台数万に及ぶ部品から作られるため、たった1つの部品が調達できなくなるだけで生産できなくなる。

規模にもよるが、大手の製造ラインが1日停止するだけで億円単位の被害が生じる。

当然、会社も保険会社に入っているため、最低限の保障は受けられるが、その被害は甚大である。

この部品調達に見られる物の流れがサプライチェーンと呼ばれるもので、製造業は1社独自で全てを賄うことができないことで、たびたび問題となる。

 

さて、新型コロナウィルスCOVID-19による世界経済への影響は、日に日に新聞で取り上げられているが、思い出されるのが2011年3月11日の東日本大震災である。

 

当時、半導体メーカーで部品に使われる材料開発に携わっていた私は、震災直後、

  • 自社で使う材料の在庫状況と調達可能期間
  • 別工場での材料生産の切り替えによる品質確認
  • 将来に備え、材料の調達場所の広域化と複数企業からの調達

といった業務に追われていた。

 

そんな大きな出来事があるたびに取り上げられるサプライチェーンとBCP。

ちなみにBCPとは、Bussiness Continuity Plan(事業継続計画)の略で、事業を継続的に行える計画、平たく言うと、何かあっても商売が続けられる計画のことを指す。

 

これは一見すると会社・企業における現象のように思えるが、ふと自分の生活を振り返ると、結局のところ、私生活、広くは人生にも関わる視点であると気づかされる。

 

今回は、そんなサプライチェーンとBCPを、私生活に近づけて考えてみたい。

 

サプライチェーンとBCP

ネットワーク

ここで改めてサプライチェーンとBCPの考えを、簡単に整理しておきたい。

サプライチェーンの考え方がわかれば、BCPの意味は自然と理解できる。

 

サプライチェーン

部品や材料など、最終製品ができるまでの物の流れとつながり

 

例えば、あなたが家具を職人から仕入れて販売する、家具屋さんだとしよう。

家具が消費者に届くまでに、少なくとも次のような物の流れがあるはずである。

  1. 職人さんが使う木材などを仕入れる業者
  2. 原材料を仕入れて、家具を製作する職人さん
  3. 職人さんが作った家具を仕入れて販売する家具屋さん

最終的に家具を販売する家具屋さんから見ると、まず家具を作る職人さんがいて、その職人さんが家具を作るのに必要な部材を卸す業者がいます。

 

家具屋さんの立場から見ると、

  • 最も近い取引相手である職人さんが1次サプライヤ
  • 1次サプライヤが必要なものを卸す業者さんは2次サプライヤ

といった関係になる。

 

これはわかりやすい例であるが、自動車などの精密機械の場合、このサプライヤが何次まで続くのか?

その多さは想像に容易いであろう。

 

世の中の物の多くは、少なからずこのようなサプライチェーンが正常に機能した結果、売り出されているのである。

 

しかし怖いのは、このサプライチェーンのどこか1か所でも途切れると、いとも簡単に物が製造・販売できなくなるのである

そこでBCP(Bussiness Continuity Plan:事業継続計画)という考え方が生まれる。

 

BCP(Bussiness Continuity Plan):事業継続計画

物の流れのサプライヤを1社に限定していると、そこが

  • 倒産
  • 災害

といった事態に陥った瞬間、自分の事業が成立しなくなる。

つまり、事業が継続できない状態、に陥ってしまう。

そうすると業績も当然だが、従業員の生活も確保できなくなるため、企業としては大打撃を受けてしまう。

これは、仕入先が1社に限定されているから起こる不都合である。

 

そのため、何かあっても事業が継続できるよう、

  • 同じサプライヤでも、複数の場所(工場)から出荷できる
  • 同じ品質の材料を、他のサプライヤからも調達できるようにする

といった方策を取ることで、万が一の事態でも、振り回しが効き、自分の事業を継続できるようにしていく。

これがBCPの最も基本的な考え方である。

 

当然、自社に不都合があった場合にも対応できるように、支店や工場を複数持つことも、BCPの一環である。

 

この考えが、東日本大震災のときに大々的に企業で取り上げられ、各社こぞって対応に追われたわけである。

 

しかし、東日本大震災を経験しながらも、何故同じように困る事態が発生するのだろうか?

 

BCPが難しい理由(特に製造業)

BCPを意識しても、その実現が難しい理由は主に次の4点が挙げられる。

  1. 同じ品質のものを、複数のメーカーから調達すること自体が困難
  2. 1つのものを作るのに、用意した選択肢の分だけ品質確認が必要で、開発の長期化・コスト高を生む
  3. 複数社から物を調達すると、コスト高になる
  4. 1次サプライヤの後ろに、サプライヤがさらに何社あるのか?が不透明

 

まず、同じような物でも、メーカーが異なれば品質も変わることは当たり前である。

同じ材料を使っていても、製造ラインの構造や製造条件が多少変わるだけで、品質も変わる。

特に、半導体などの精密部品は、この影響を多大に受ける。

これは元開発担当者だから、非常によくわかる。

 

そのため、同じようなものを集めても、製品として出荷できるか?の品質確認は、個別に行わなければならない。

これに、大きな時間とお金と労力がかかるのである。

 

例えば、私が過去に担当していた半導体部品では、

  • 携帯電話などの身近な民生品では、短くて3カ月
  • 自動車部品など、生命に関わり高品質が要求される場合は1年程度

といった時間が、品質確認にかかる。

 

当然急ぎの場合は、試験の条件を厳しくして、短時間判定を試みるのだが、少し厳しくしただけで、現実レベルとの乖離が起こり、簡単に壊れるから安易にできない。

※精密な半導体部品は、試験温度が数℃変わるだけで、かなり簡単に壊れます!

※なお、この試験温度は日常で使用する温度とかけ離れているので、壊れやすいと勘違いしないでくださいね♩

 

さて、ここであえて強調しておこう。

これは車などの最終製品の品質確認ではない!

最終製品に使われる部品の段階でのお話である。

 

当然、セットメーカーと呼ばれる最終製品を作るメーカーでも品質確認を行う。

それを考えたら、どれだけの時間をかけて世の中に商品を送り出しているのか?

その労力は深く考えるまでもなく、感覚的に理解できるレベルであろう。

 

また、複数社から部品を調達すると、1社あたりの注文数が減るため、コストが高くなってしまう。

当然、作る側も同じものを多量に作る続けたほうが、設備の切り替えなどの手間が発生せず、安定して製造できるため、コストが安くなる。

そのため、安易に複数のメーカーから少量ずつ調達することも、原価の観点で不利である。

 

さらに、最も身近な1次サプライヤも、物を作るために部品や材料を調達している。

特に化学系の素材メーカーに多いのだが、複数のメーカーにわたって、大元の原材料が同じメーカーということはざらにある。

特許の兼ね合いもあるが、特に高品質な材料ほど、その傾向が強い。

 

日韓関係の悪化で問題となったフッ化水素などが良い例であろう。

それだけ、高品質な化学材料の日本が世界で占めるシェアは高いのである。

 

では、どこまでさかのぼって、部品調達の安全性を確認できるのか?

機密情報だらけの企業間のやり取りの中で、そこまで明確に安全性を確認すること自体が不可能に近い。

 

そんな繊細な世界の中で、世の中の物が動いているのである。

 

以上が、ビジネスにおけるサプライチェーンとBCPの考え方である。

これを身近な生活に近づけて考えてみると、どうだろう?

 

色々と思うことが生まれてくる

 

私生活におけるサプライチェーン

サプライ(供給)という意味では、生活のおける供給は

  • 衣食住に関わる生活用品
  • 生活するために必要なお金(収入)

と、ざっくり言うことができるであろう。

 

まず生活用品については、新型コロナウィルスにおけるマスク不足で思うことがある。

 

そもそも、大規模な災害にも関わらず、身の回りからマスクや消毒液が品切れを起こしているのである。

高価格な転売目的は論外である。

普段の生活で使う分だけの購入を考えた場合、そこまで買いだめる必要があるのだろうか??

 

甚だ疑問である。

 

マスクの製造工場が機能しないわけではない。

マスクの原材料が入手できなくなったわけでもない。

 

完全に一般人による人災である

 

各々が日々の生活に必要な分だけを購入していれば、需要と供給のバランスは崩れないはずだった。

しかし、一部の買い占めによるパニックの伝播により、需要が供給を大きく上回る事態に陥っている。

 

本当に必要な人に物が回らない。

あまり悪口は言いたくないが、何を考えて行動しているのだろう?と疑問である。

せめてもう少し合理的な考えはできないものか?

極めて嘆かわしい・・・

 

これは最終消費者であるエンドユーザーにおけるサプライチェーンの断線である。

 

これに対して、世の中がこういうものだという現実を受け入れながらも、何かしら一手打てないものか?と思う。

 

例えば、

  • 最低限の購入で済ませ、物に余裕があるうちは探さない
  • 自治会といった身近な環境の中で、譲り合いの動きを作る

といった感じだろう。

 

特に後者は考えても良いと思う。

別に、近くの人とベッタリしなければならない、と言うつもりはない。

しかし困ったときに、身近な人同士が助け合う環境は、その土地の価値や幸福度の向上に寄与できるであろう

 

政府や自治体の動きを待たなくても、行動を取りやすいはずである。

些細ではあるが、このような動きが、犯罪などを抑制する一つの効果にもつながるはずだ。

 

 

さらに収入も1つのサプライ(供給)である。

これは人生におけるBCPに直結する話だろう。

 

私生活におけるBCP

将来を考える

既に終身雇用の時代は終わったと言ってよいだろう

さらには、私が突発性難聴で片耳がまったく聞こえず、十分な歩行を困難にしている現状から考えるに、突然の病気にも備えが必要であろう。

 

この備えが、人生におけるBCPと言える。

 

お金は生きていくために必要である。

しかし黙っていても、お金はやってこない。

 

別にYoutuberになる必要はない。

 

ただし、今の仕事以外にも収益を得る方法がないか?

それにアンテナを張り、こんな生き方もあるんだ、と知るだけでも、何かあったときの心の支えになるだろう。

もしそれに魅力を感じたならば、副業か離職で挑戦しても良いと思う。

 

今はネットがあるおかけで、働き方も多様化している。

 

今の人生の延長を考えながらも、他の可能性を忍ばせおくだけで、人生の継続性という点で、保険が効くのではないだろうか?

 

1つが終わっても、次の道がある。

たった1つで人生は終わらない。

 

そんな可能性を残しておきながら、日々の生活を積み上げていくことが、自分の人生の安定化において重要であろう。

 

人生、常に同じ状態にあらず。

諸行無常。

 

良くも悪くも常に変化するもので、その変化を受け入れて、次の行動に移す柔軟性が、今の時代のカギであろう。