隙間時間の簡単副業で収入アップ
今、フリーランス向けの業務仲介サイト『クラウドワークス・ランサーズ』などで副収入を得ている人が増えています。
これらの仲介サイトでは数多くの仕事が紹介されていますが、その中の1つに『未経験者歓迎のECサイトの出品代行』があります。
- 未経験者でも可
- 隙間時間でできそう
という理由で、応募を検討した人は多いでしょう。
では、この『ECサイトの出品代行』では、具体的にどのようなことをやるのでしょうか?
本記事では、
- ECサイトの出品代行でやること
- どのくらい稼げるのか?
※時間効率 - 業務の手間・大変さなど
について、私が約6ヵ月間仕事をした経験をもとに、正直に紹介していきます。
ECサイトの出品代行が自分に合った仕事かで悩んでいる方は、本記事を是非参考にしてみてください。
副業『ECサイトの出品代行』とは?
平たく言えば、転売業務のお手伝いです。
ただし、転売先は日本ではなく、eBayという海外大手のオークションサイトでアメリカ(英語圏)向けです。
eBayは、日本でのAmazonや楽天市場・ヤフーオークション・メルカリなどの海外版と思って問題ないでしょう。
日本の製品は海外で人気があるため、日本の商品が日本よりも高く売れる可能性が高いです。
そこで、この価格差に目をつけて転売で利益を上げます。
この転売業務の一部をお手伝いすることが『ECサイトの出品代行』の仕事です。
ECサイトの出品代行の副業でやること
ECサイトの出品代行の副業では、主に次の3つを担当します。
- 販売実績のある商品をリサーチ
- 過去の最安売値より安い仕入先を見つける
- 商品をECサイトに出品登録する
あくまでも副業なので、クレーム対応などのお客様対応は一切しません。
それらは、責任者である依頼主が担当します。
そのため、商売のネタになる商品を見つけて、それを依頼主の確認・許可を経たうえで出品登録するだけ、という機械的にできる仕事だけが副業内容になります。
それでは、主な3つの業務内容について深掘りしてみましょう。
販売実績のある商品をリサーチ
まずは出品する商品を探します。
ただし、どんな商品でも転売対象になるわけではなく、売れる可能性の高い商品だけが候補になります。
その判断基準は『実際に売れたか?』です。
過去に売れた実績のある商品は、その後も売れる可能性が高いです。
そのため、eBayの『sold(売れた)』という条件付き検索で、販売実績のある商品の一覧を出します。
そのなかで、利益が出せそうな商品を見つけて、次のような情報を整理していきます。
仕入れ関係の情報
- 商品の売値
※過去の販売実績内での最安値 - 商品のサイズ・重量
- 新品 or 中古(商品の質)
- 商品の送料
信頼性関係の情報
- 出品者情報
仕入れ関係の情報は、どの程度の利益が出るのかを確認するために必要なことは理解しやすいですね。
一方、出品者に関する情報を整理するのは何故でしょうか?
これは、リサーチ対象から悪徳業者を外すためです。
昨今のニュースなどでもわかるように、悪質な商品を極端な安値で売り出す悪徳業者は必ず一定数います。
いかに安くても、肝心の商品が悪質であれば、競合相手としては考えられません。
- 過去の販売実績数
- お客様からの評判
eBayならば、これらの情報を簡単に知ることができ、悪質業者であれば、これらの数字が低くなる傾向にあります。
そのため、事前に依頼主が、これらが満たすべき最低限の数字を判断基準として用意しているので、それを満たしているか?を逐一確認していきます。
なお当然ですが、これだけでは報酬はもらえません。
少なくとも、次に紹介する商品の仕入先の決定までやって、初めて報酬がもらえます。
実際の売値より安い仕入れ先を見つける
- 依頼主が最低の利益率を設定
- 仕入れ費用・送料など全て込みで、利益率を満足する商品の仕入先を見つける
- 仕入先は自由
※Amazon・楽天市場・ヤフオク・メルカリなど
売れる可能性のある商品を見つけるだけでは商売になりません。
利益を出せる商品の仕入先を見つけて、初めて商売の入口に立てます。
そのため当然、商品の仕入先を探すことになりますが、これがかなり大変で、ECサイトの出品代行の副業業務の中でも時間と手間が一番掛かります。
まず、仕入れ値を考えるために必要な最低利益率を依頼主が設定します。
それに対して、仕入れ費用と商品の発送に掛かる費用も加味して、利益が出る安い仕入先をネットで見つけ出します。
一見すると当たり前の内容ですが、実際にやってみると、これがかなり難しくて精神的に堪えます。
この大変さについては、後で詳しく紹介します。
商品をECサイトに出品登録する
利益の出る商品の仕入先が見つかったら、ECサイトに商品を出品登録します。
なお、自分でアカウントを作る必要はなく、依頼主のアカウントを利用することになります。
細かい内容は割愛しますが、ここでやる作業は主に次の通りです。
- 商品のタイトル設定
※他の出品者とは少し違うタイトル - 商品紹介の入力
※Amazonなどで言語を英語設定にして、説明文などをコピペ
※画像もAmazonやオークションサイトのものを転用
これは特に難しいことを考えなくても、決められた単調作業だけで済み、1件あたりに使う時間も5~10分程度と短いです。
多くの依頼主は、作業者が困らないように丁寧なマニュアルを用意しているので、それに従うだけで簡単に作業できます。
あまり難しい作業ではないので、数件やれば、マニュアルを見ないでも作業できるようになるでしょう。
そして、このECサイトへの出品だけでも、1件あたりの報酬がもらえるので、これはおいしいです。
苦労して商品の仕入先を見つけた後のボーナスみたいなものです。
ただし、海外に出品するため、使う言語は英語です。
と言っても、自分で英文を作る必要はなく、大部分はAmazonの言語設定を英語にして表示される文章をコピペするだけで済むので、英語が苦手な人でも困ることは少ないでしょう。
未経験者でも稼げる副業か?
肝心の稼げる金額について紹介。
私はまったくの未経験者で挑戦しましたが、
- 作業時間:2時間程度/日
- 隙間時間だけでコツコツ進める
といった形で、月額5000円程度でしょうか。
商品1件あたりの単価は依頼主によって変わりますが、
- 販売商品の選定:30円/件
- ECサイトへの出品登録:20円/件
あたりが一般的です。
私は販売商品の選定が下手だったので、要領の良い人は、同じ時間でも、もっと報酬が得られるでしょう。
ただし、この商品の選定がかなり大変なので、想像よりも作業がはかどらないことは覚悟しておいたほうが良いです。
そのため、隙間時間だけで副業するのであれば、月10000円以上は少し難しいでしょう。
ECサイトの出品代行の良い面・大変な面
大体の仕事内容は説明しましたが、実際にECサイトの出品代行を副業としてやるうえでの良い面・大変な面を紹介していきます。
特に大変な面が、仕事を考えるうえで重要なので、そちらを重視してください。
良い面
- 納期に追われない
- 隙間時間でコツコツ進めやすい
- 世の中の色々な商品を知ることができる
良い面はこの3点でしょう。
ECサイトの出品代行は、隙間時間でのマイペース副業には向いています。
依頼主にもよりますが、私の場合は、次の5ステップで仕事が進みました。
- リサーチ〇件で依頼主に確認依頼
※1件ずつだと面倒なので50件単位程度で設定される - 依頼主が商品選定に問題ないか確認
※問題がある場合は指摘された点を修正・再リサーチ - 出品OK商品をECサイトに登録
※これもまとめて〇件登録する - 依頼主が登録内容を確認
- 確認できた分の報酬を受け取る
完全に成果報酬型です。
恐らく多くの依頼主は厳密な納期は用意せず、作業をコツコツ進めてくれることを希望しています。
ただし、明らかに作業が停滞している場合は注意を受けるでしょう。
そうでなければ、いつまでに〇件やらなければならない、といった納期がないため、隙間時間でコツコツ副業を進められます。
特に急がされることもないので、最初は慎重に作業を進めたい未経験者には向いているでしょう。
また、商品リサーチの段階で、普段は気にしない商品を目にすることが多いので、
- 自分が知らないような商品
- 世の中で売れている商品
を知ることができるのは面白いです。
買い物が好きな人は、より楽しく副業できるのではないでしょうか?
大変な面
ECサイトの出品代行は、未経験者でも副業しやすい単調作業ですが、実際にやってみると面倒なことが多いです。
その代表例を深掘りしていきましょう。
これらの内容は、実際にやったことが無くても、言われれば『確かにそうだな』と思えることばかりです。
自分に合うかの判断基準として、是非参考にしてください。
仕入先がまぁ見つからない
仕入先を見つける前の『販売実績のある商品のリサーチ』は、正直そこまで面倒ではありません。
正確には面倒ですが、これから紹介する仕入先の選定に比べれば軽いものです。
既に述べたように、商品の仕入先は『過去に販売実績のある最安値以下でも最低限の利益が出る安い価格』が条件です。
しかし、競合もむやみに安い価格を設定しているわけではありません。
最安値での仕入れ・目標の利益を考えたうえで、できるだけ安い価格を設定しています。
そのため、競合が頑張って設定した安い価格よりも、さらに安い仕入先を見つけることが、どれだけ大変なことかは想像に容易いでしょう。
売れる可能性のある商品をリストアップしても、仕入先を探す段階でボツとなる商品が多数です。
そうなると、
- リストアップにかけた時間
- 仕入先を探した時間
がすべて無駄となり、1円の報酬にもなりません。
なかには、仕入先を探す段階で『競合が何でこんな安い値段で売りに出せるのか?』と目を疑いたくなるようなことも稀ではありません。
仕事を進めるうちに、勝負になる商品・価格の感度が徐々に上がるため、経験値が増えるほど、無駄となる時間は減っていきます。
しかし、それでもボツとなる無駄な時間が簡単に発生するのは、結構ないらだちにつながります。
この繰り返しを延々とできますか?
これには相性があるでしょうが、私には辛かったのが正直なところです。
リサーチ内容の修正が頻繁に起こる
無事に商品の仕入先が見つかっても全く安心できません。
それは、リサーチ時点と依頼主の確認時点で、最新の最安値や仕入先の値段が変わることがあるからです。
特に、最新の最安売値は変化しやすく、時間が経つほど値段は下がっていきます。
そのため、依頼主に確認をお願いする直前に、最新の価格状況(最安売値・仕入れ値)を確認し直さないと、依頼主が設定した基準を満足できずに再調査となってしまうことがあります。
これは、出品登録時でも同じです。
つまり、
- リサーチ段階
- 依頼主への確認依頼前
- 出品登録前
と、1つの商品につき3回は最新状況を確認することになり、かなり面倒です。
特に、リサーチ時点から価格が大きく変化したことでNGとなる商品が出たときの落胆は、リサーチの大変さもあり、かなり辛いです。
中古品で勝負したいが、不安定要素が多くて大変
仕入先の値段が安いほど出品できる可能性が高くなりますが、新品の商品の値段はそこまで安くなりません。
どのショップを見ても、あまり大きな価格差はありません。
そのため、個人の出品が多い中古市場で仕入先を探すと、値段の安い掘り出し物が見つかりやすいです。
ヤフオク・メルカリがその代表例でしょう。
しかし、中古には中古の大変さがあり、正直私は中古品を避けていました。
その理由がこちらです。
中古品を探すのが面倒な理由
- 仕入先の消滅
※気付かぬうちに売れてしまった
※出品期限が過ぎてしまいクローズ
※ほぼ1品ものなので、代わりを見つけにくい - 基準を満たさなくなる
※価格が上がってしまった - 商品の状態の確認が大変
※箱の有無
※付属品の有無
※傷の詳細など
言われれば、こういった面倒さがあることは容易に想像できますよね?
新品であれば、これらの不都合はあまり起こりませんが、中古品では簡単に起こります。
変動要素が多く、未経験者では商品の目利きも難しいでしょう。
この商品で本当に大丈夫だろうか?といった不安を抱き続けながら仕事をするのは、かなりストレスがたまります。
輸出関係の確認が面倒(航空法・サイズ・重量)
既に述べたように、商品の出品先であるECサイトは海外がほとんどなので、飛行機で商品を輸出することになります。
当然、危険物ではないか?などの安全性の確認が必要です。
一応、依頼主のほうで、
- 出品してはいけない商品の種類
※ナイフなどの危険物
※バッテリーなど - 商品に含まれてはいけない成分
※アルコールなどの揮発性・引火性の高い物質など
などは、一覧表などで整理してくれています。
しかし、未経験者がこれらを全て確認しきるのは難しく、せっかく見つけた出品候補の商品も、依頼主からNGを出されてしまうことがあるでしょう。
特に、数多くの成分が記載された成分表から禁止成分があるか?を逐一確認するのは、かなり大変です(化粧品などでNGになるケースが多い)。
また、海外輸送ということもあり、輸送費がかなり高いです。
そのため、せっかく安く仕入れできる商品を見つけても、輸送費が高いことで利益率の基準を満足できずにボツとなることも多いです。
なお、輸送費は商品の梱包サイズと重量で決まります。
詳細は割愛しますが、Amazonのサービスを利用すれば、商品のサイズと重量は簡単に調べられます。
しかし、ボツになる可能性がある中で、検討する商品全てでこれらを確認し、その結果、輸送費が高いことでNGとなることを繰り返すと、かなり気が滅入るでしょう。
作業を続けていれば、輸送費も含めて勝負できる商品か?の判断が徐々にできるようになりますが、それでもボツになることは多いです。
このような確認作業を延々と続けられるか、真剣に考えてみましょう。
まとめ
良い点
- 納期に追われず、コツコツ進めやすい
大変な点
- 隙間時間だけでは月10000円以上は難しい
- 仕入先を確定するまでに、かなりの手間が掛かる
- せっかく調べても、ボツになることが当たり前
※当然、これは無報酬
いかがでしょうか?
海外のECサイト向けの出品代行は、色々な商品を目にでき面白い反面、価格競争に勝てる仕入先を見つけるのが本当に難しい副業です。
本記事では、私の体験談を赤裸々に紹介し、実際に起こりうる大変さを率直にお伝えしたつもりです。
ECサイトの出品代行の副業に応募する前に、今一度、本記事の内容を参考に、自分に向いた仕事かを考えてみましょう。