生活の羅針盤

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【効率的!】課題が多くて勉強できない!?すぐにできる取り組み方の工夫とは?

【効率的!】課題が多くて勉強できない!?すぐにできる取り組み方の工夫とは?

学校の課題が多すぎて勉強できない!

本来、課題をやること自体が勉強なので本末転倒のような嘆きですが、確かに膨大な課題に束縛されて自由時間が激減することは珍しくないでしょう。

学校が家庭に向けて『教育しています』アピールで多くの課題を出す今ではなおさらです。

実際に、私が塾講師として指導した生徒の学校は課題が多く、常日頃、生徒から課題に関する悩みを聞いていました。

確かに、課題の多さが原因で『生徒が本来やるべき勉強の時間が少なくなるな』と思ったことは事実です。

 

そこで本記事では、塾講師の指導経験から『量の多い課題の効率的な取り組み方』を紹介します。

どうせ時間を使って課題をやるならば、やった分だけ実力につながって欲しいと考えるのが当たり前です。

本記事で紹介する取り組み方は、決してさぼりではありません。

なるべく無駄な時間のない効率的な取り組み方になるので、課題の多さで悩んでいる方は是非参考にしてください。

 

 

 

 

学校の課題が多くて勉強できない理由

まず、学校の課題が多くて勉強できなくなる理由を簡単に整理していきます。

この理由がわかれば、その対処方法も明確になります。

これらに該当していないかチェックしてみてください。

もし思い当たることがあれば、後で紹介する取り組み方を実践するだけで、自由時間が増えるでしょう。

理由1:面倒だからまったく手を付けない

当たり前だ!と思われるかもしれませんが、これは多くの人が思い当たるのではないでしょうか?

大人も同じで、私自身でも思い当たる節があります。

 

誰しも、面倒に思う課題からは逃げたくなるものです。

しかし、逃げれば逃げるほど、

  • 締め切りが迫り、課題をやる時間が減る
  • 使える時間が減ると、課題をやることがより大変に思える
  • だからなおさら課題から逃げる

この悪循環で、どんどん精神的に悪い方向に向かい、最終的にやっつけ仕事で課題を終わらせることになるでしょう。

当然やっつけ仕事なので、掛けた時間の割に、自分の実力が上がった実感は得られず、ただ苦痛だけが残ります。

理由2:全てを100%で取り組もうとする

極端な話ですが、その課題を100%の力で取り組む必要はありますか?

これは学校に対して失礼かもしれませんが、使える時間が限られている以上、真剣に考えるべきことです。

100%の力で課題に取り組もうとすれば、当然それ相応の実力が要求されます。

しかし締め切りがある以上、どこかで妥協しなければならない部分は出てくるでしょう。

どこで妥協するのか?

この考え方の例をいくつか挙げてみましょう。

  • 受験に使わないから、ほどほどで済ませる
  • 苦手だから、最低限できるところだけ自力でやる
  • ず~っと苦手で、今すぐ挽回できないので、今回はやったフリをする
    ※過去にさかのぼって復習する時間がない

これが、課題を効率的に取り組む方法のヒントになるでしょう(詳細は後で説明)。

この判断は早ければ早いほど良いです。

理由3:実力に合わない課題で悩み続ける

これは理由2と若干似ています。

誰でも得手不得手があるのは当たり前です。

自力で解決できることもあれば、何かを頼って初めて乗り越えられることもあります。

しかし、課題という名目で出されると『全てを自力で解決しなければいけない』と思ってしまう人が多いです。

得意なものは、それで良いでしょう。

しかし苦手なものまで自力でやり通そうとしたら、膨大な時間が掛かってしまい、時間が足りなくなるでしょう。

場合によっては、課題をやるための復習や別の勉強も必要になるかもしれません。

自力で解決できる課題もあれば、できない課題もある、ということを割り切るべきです。

では、割り切ったうえでどう取り組むのか?

これは後で説明します。

理由4:課題の種類とやるべき時間帯のミスマッチ

これは先ほどまでと毛色の異なる話です。

1日全体を振り返ると、

  • 頭がさえている・疲れが少ない時間帯
    ※朝・午前中が一般的
  • 疲れていて集中できない時間帯

という具合に、時間帯によって調子が異なることに気づくでしょう。

いつ・どのような状態か?は人によって変わりますが、日々の生活リズムにおける自分の状態を理解していることは重要です。

 

一言で課題と言っても、

  • 思考を要するもの
    ※数学・読解など
  • 思考が不要なもの
    ※暗記もの(漢字・英単語など)

というように、課題にもいろいろな種類があります。

当然、疲れて集中できないときに思考を要する課題をやるのは非効率です。

いざやってみても、なかなか進まずにイライラして終わってしまい、余計に課題をやるのが嫌になるでしょう。

やみくもに課題に取り組もうとすると、調子が出ずに課題がまったく進まず無駄な時間を過ごしてしまうことはよくあります。

 

 

多い課題の効率的な取り組み方

では、先ほどまでの失敗事例を参考に、効率的な課題の取り組み方を説明していきます。

なお、ここで紹介する内容は、さぼりではありませんが、結構極端な内容です。

あくまでも、

  • 時間が足りない
  • 他に使える時間を増やしたい

という場合を対象にしており、サボることを目的としていないことだけ注意してください。

1:やりやすいものから10分だけでも始めてみる

課題に取り組むときの1番のハードルは『課題を始めること』でしょう。

面倒なものを目の前にすると、人はどうしても先延ばしにしたくなるものです。

テレビ・スマホ・ゲーム・漫画。

何でも良いのですが『あと10分だけ・・・』と課題を始める時間をドンドン先延ばしにした記憶は誰でもあるでしょう。

そこで、次のように行動してみてください。

 

面倒な課題の取り掛かり方

  • やりやすい課題からやってみる
    ※好きな科目・テーマ、暗記ものなど
  • まずは10分だけでもやってみる
    ※つらくなったら中断しても良い

 

嫌いな課題よりも、好き・やりやすい課題の方が当然腰を上げやすいです。

とは言っても、量の多い課題です。

最初から全力で頑張る気持ちで臨もうとすると、その面倒さから逃げ出したくなります。

そこで『たった10分だけでもやってみよう』と思ってみましょう。

つらくなったら中断しても良いです。

こう思うことで、課題に取り組むための精神的ハードルを下げることができます

そして、仮に10分でやめる気満々だったとしても、いざ始めてしまえば、意外にその後も継続して課題に取り組めるものです。

その結果、課題が徐々に減っていくことが実感でき、なおさら課題に取り組むハードルが下がっていくでしょう。

 

いかにして課題を始めることへの精神的ハードルを下げるか?

このきっかけを生み出すだけでも、かなり状況は良い方向に向かうでしょう。

2:課題を本気とほどほどの2つに分ける

学校の先生には申し訳ないのですが、時間がない・他にやるべきことがある状況で、全ての課題に全力を注ぐことはできません。

そこで、やるべき課題に優先順位を付けてみましょう

特に次のようなものは、優先順位を高くしたほうが良いでしょう。

 

優先順位の高い課題

  • 受験に必要な科目
  • 点数を上げなければならない科目・テーマ
  • 得意な科目・テーマ

 

そもそも課題をやりたくなくても、自分に必要だと思える課題の方が、まだ取り組みやすいでしょう。

得意な科目であればなおさらです。

そこで、優先順位の高い課題は、しっかり自分で考え、時間を使って本気で取り組みましょう

その使った時間の分だけ、しっかり自分の実力が磨かれます

 

そして、優先順位の低い課題からは積極的に逃げてしまい、ほどほどの努力で終わらせてしまいましょう

課題に取り組む本気度・時間を削れば良いだけの話です。

具体的な取り組み方は次のとおり。

 

優先順位の低い課題の取り組み方

  • 無駄に長時間悩まない
    ※少し悩んだら答えを見る
  • 問題集の解答を写す

 

まずは終わらせることが大事です。

課題の量が多い場合は、まず『終わった』という状況を作らないと精神的な余裕が生まれません。

そして、嫌な課題ほど取り組み方が雑になり、掛けた時間の割に実力が磨かれず非効率になりやすいです。

そこで、優先順位の低い課題は、ここで紹介した方法でまずは終わらせてしまいましょう。

そのうえで、もしこの行為に罪悪感を覚えるのであれば『課題が一通り終わり、時間に余裕があればやり直せば良い』と考えれば良いでしょう。

 

なお、学校によっては、問題集の答えを写すのを防ぐために、解答を配布していない場合があるでしょう。

しかし今では、問題集の解答などはAmazonなどで簡単に手に入れることができます

教科書ガイドも、教科書付属の問題対策に有効で、授業の予習系の課題などで活躍するでしょう。

手元に解答がない場合は、Amazonなどでさっさと手に入れてしまいましょう。

 

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3:本気を出すのは実力1個上のレベルまで

これは先ほどの優先順位の考え方の発展編です。

本気で取り組む課題でも、そこで出題される問題の難易度には幅があります。

当然、自分の実力よりはるかに高いレベルの問題もあるでしょう。

 

勉強は『できないことを、できるに変える』ことが目的で、その積み重ねで実力が上がります。

しかし、できないこと全てをできるようにすると膨大な時間が掛かり、課題の締め切りに間に合わないこともあるでしょう。

当然これには限度があり、普段の学習目標であれば『自分の実力より1個上レベルまでをできるように努力していく』のが最も効率的です。

そのため、明らかに難しい問題などは、先ほどのほどほど対応と同様に、むやみに悩まず、さっさと答えを見て終わらせた形で済ませるのが良いでしょう。

そして、そこで浮いた時間を、本来取り組むべき問題や他の時間に使うべきでしょう。

このような『選択と集中の考え方』は、課題の種類だけでなく、問題の難易度でも有効です。

無駄な時間を極力無くすよう、メリハリのきいた時間の使い方を徹底しましょう。

 

なお、別の記事で『問題集で点数を上げる効果的な使い方』を紹介しています。

問題集をやっても成績が伸びずに悩んでいたら、こちらの記事も是非参考にしてください。

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4:集中できないときは単純作業もの

課題の取り組み方の失敗例で、集中できる時間帯とできない時間帯があることを説明しました。

集中できる時間帯は何も気にする必要はありません。

意識したいのは『集中できない時間帯で何をやるか?』

 

当然、集中できない時間帯で思考力が必要な課題はやるべきではありません。

苦痛を感じながら無駄な時間を過ごすだけです。

やるべき課題は『漢字・英単語・暗記』といった単純作業ものです。

 

疲れていて集中できないときは、何をやっても非効率だと思われがちです。

しかし実は、暗記系の知識は集中できていなくても、意外に頭に残ることが知られています

そのため、単純作業系の課題はいつ取り組んでも十分に学習の効果があり、無駄になりにくいです。

ということは、疲れて集中できないときは、短時間でも良いから単純作業の課題を進めた方がお得ということですね。

時間を無駄にすることなく、残りの課題も減っていく

精神的にも優しい課題の取り組み方です。

 

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まとめ

  • やりやすい課題を短時間でいいから始めてみる
  • 課題を本気とほどほどの2種類に分ける
  • 本気で取り組む問題は実力1個上まで
  • 集中できないときは単純作業ものを進める

 

いかがでしょうか?

課題が多くて時間が足りない!勉強できない!

こんな悩みを抱えながらも、せっかく時間を使うのであれば有効に使いたいものです。

本記事では、なるべく無駄のない効率的な課題の取り組み方を紹介しました。

課題が多いときほど有効な手段です。

参考になる方法があれば、是非一度実践してみてください。

【最速攻略】高校物理の点数を効率的に上げるおすすめ勉強法 -学習順序を工夫せよ-

高校物理の点数を効率的に上げるおすすめ学習順序・勉強法

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高校の理科4科目(物理・化学・生物・地学)の中でも、物理は最も安定して高得点を取れる科目です。

その理由は、

  • 知識の暗記量が少ない
  • 問題を解くために必要な考え方がほぼ決まっている
  • 学習単元・分野の関連性が強く、似た考え方を繰り返し使う

という高校物理の特徴にあります。

しかし残念ながら、物理を苦手とする人が多いのも事実で、物理を苦手とする人がよく言うことは次の2つです。

  • 直感的に理解・実感しにくい
  • 最低限の数学の知識が必要で、数式が難しい

これは確かに事実です。

ただし、物理を苦手にする最も根本的な原因は上の2つの特徴ではありません。

困ったときに中身を理解せず、単純にやり方を覚えてしまう』という学習の取り組み姿勢にあります。

物理は覚えることが少ない一方で、似た考え方を多くの単元で使うため、理解をごまかした学習の取り組みでは成績は伸びません。

目の前のことを1つずつしっかり理解しながら、分野・単元の学習順序を工夫すべきです。

これを意識すれば、

  • 理解した知識の定着が飛躍的に向上し、忘れにくくなる
  • 模試の点数が上がり、やる気と自信の向上につながる

といった気持ちのよい体験ができるでしょう。

 

本記事では『高校物理の点数を効率的に上げる、おすすめの学習順序』を1つの勉強法として紹介します。

良い参考書・問題集を選ぶよりも、まず知っておくべき重要な内容でしょう。

実際に私が塾講師として物理を指導してきた結果、継続的にコツコツ勉強する生徒は約1年で全範囲の基礎学習を終えることができています

戦略的な高校物理の学習順序を知れば、今まで以上に物理の勉強がはかどり、点数が上がることを実感できますので、是非参考にしてください。

 

結論:
高校物理のおすすめ学習順序

高校物理は大きく分けて5つの分野に分かれています。

教科書で確認できますが、『力学・熱力学・電磁気学・波動・原子物理学』の5つです。

そして、この5つの分野に対して最も効率的な学習順序は次のとおりです。

  1. 力学
  2. 電磁気学
  3. 熱力学
  4. 波動
  5. 原子物理学

 

効率的な学習順序で
物理の点数が上がる理由

何故先ほどの学習順序で効率的に物理の点数が上がるのか?

その理由を『分野・単元の関連性』と『入試の出題傾向』の2点から説明します。

 

各分野の学習内容の特徴

なるべく専門用語は使わず、細かすぎない説明にしますので、太字のキーワードだけ意識してください。

もし知らない専門用語があれば、『そんなものがあるんだ』で済ませてください。

ここでの説明で、専門用語の意味は重要ではありません。

学習の順番に従って紹介するので、前の分野の説明にも登場したキーワードがあるか?に着目してください。

もし、前の分野に登場したキーワードが他の分野にも登場したら、それだけ関連性が強いということです。

 

力学

  • 物体の運動予測
  • さまざまな力が物体の運動に与える影響
  • 物体が持つエネルギー・運動量

 

力学は物体の運動と、運動の源である力に関するさまざまな知識を学習します。

物体の運動予測は『物体がいつ・どこに・どんな速度で運動しているのか』を数式で予測することです。

そして物体が運動する原因となる力の種類や考え方を学習します。

さらに、物体が運動するとエネルギーを持ちます。

簡単に言うと、速い車ほどぶつかると被害が大きくなるという考え方です(運動エネルギー)。

この『運動・力・エネルギー』の3点が力学のメインテーマで、最も物理らしい学習分野と言えるでしょう。

 

電磁気学

  • 直流・交流回路の特性
  • 電気に働く・電気が持つエネルギー
  • 電気が電場・磁場から受ける運動

 

電磁気学では、家電製品で馴染みのある電気のさまざまな性質を学びます。

まず電気回路(直流・交流)を流れる電流や電圧、抵抗などの関係を学びます。

これは、電磁気学のみの考え方です。

しかし学習が進むと、電気に働く力電気が持つエネルギー、そして電気の運動といった力学の考え方が頻繁に登場します。

当然、人間や車とは異なり、考える対象が電気なので新しい公式などは学びますが、その力やエネルギー・運動の考え方自体は力学と全く同じです。

 

例え話です。

車によってスイッチの位置や使い方は変わっても、車の運転方法自体は同じで、道路の走り方やルールも同じです。

そのため、車の運転免許を持っていれば、車が変わっても道路を同じように運転できます。

逆に、車の運転の仕方がわからない・運転免許がない人は、他の車でも運転はできません。

 

これを物理の学習に置き換えると、力学で運動・力・エネルギーの免許を持っていなければ、電磁気学でつまづくということです。

逆に、運動・力・エネルギーの免許を持っていれば、力学と同じ考え方で電磁気も攻略できるということです。

そしてこの考えは、次の熱力学でも全く同じです。

 

熱力学

  • 熱というエネルギーの考え方
  • 気体の性質(ボイル・シャルルの法則、状態方程式)
  • 気体の運動と気体が持つエネルギー

 

水とお湯のような温度に関係する熱というエネルギーの考え方を学びます。

この熱のエネルギーの基本的な考え方は熱力学の序盤ですぐに終わり、その後は、身近に存在する気体の運動やエネルギーについて考えていきます。

身近に存在する蒸気機関や車のエンジンの動力を考える基礎です。

既に気体の運動・エネルギーというキーワードが登場していることから、熱力学でも力学の知識が必要になります。

つまり、電磁気学と同様に、力学で運動・エネルギーをしっかり理解していなければつまづく、理解できていればスムーズに学習が進む、ということです。

 

波動

  • 音や光といった波に関するさまざまな性質を学ぶ
  • 楽器で特定の音が強く鳴る仕組み(共鳴・干渉)
  • 光が曲がる性質(反射・屈折・レンズ)
  • 音の聞こえ方の変化(ドップラー効果)

 

波動ではこのようなことを学習しますが、今まで頻繁に登場したキーワードがまったくありません

つまり、高校物理の波動は、他の分野とかなり独立した学習分野で、極論、どのタイミングで学習を始めても問題ないということです。

当然、専門的に波動を理解するには力学の知識は必要ですが、高校レベルでは力学の知識は不要と言ってよいでしょう。

 

原子物理学

  • 原子・電子といった微粒子の運動・エネルギー
  • の1つであるX線の性質
  • 原子力発電に関係する核崩壊・核融合のメカニズムとエネルギー

 

原子物理学は高校物理の最後で学ぶ分野で、専門的な近代物理学の基礎を学ぶ内容です。

力学・電磁気学・波動の3つの分野の知識が同時に必要となる、かなり総合的な学習分野と言えるでしょう。

 

各分野の関連性のまとめ

  • 力学が最も基本的な学習分野
  • 力学の知識を使って電磁気学・熱力学を学ぶ
  • 波動は独立性の高い分野で、いつ学習しても問題ない
  • 原子物理学は、力学・電磁気学・波動の3つの分野の知識が必須
  • 関連性の強い『力学・電磁気学・熱力学』を先に学習することがポイント

 

物理の各分野で関連性のあり・なしがかなり分かれることがわかりましたよね?

力学が最も基本的な学習分野である理由は、やはり電磁気学・熱力学を学ぶうえでの基礎ということにあるでしょう。

この学習分野の関連性を意識しないで学習すると、いかに非効率な学習になるか容易に想像できると思います。

 

入試での出題傾向

高校物理の5つの学習分野のうち、特に他の分野と関連性の薄い波動はいつ学習しても問題ないと説明しました。

しかし、波動の学習の優先順位は上から4番目と低いです。

この理由は入試問題における出題頻度にあります。

 

入試での出題頻度の傾向

  • 力学・電磁気学は大問として必ず出題され、全体の2/3程度の得点を占める
  • 熱力学・波動は大問にならないことがある
  • 原子物理学を出題しない大学は多い
    または、出題しても小問でわずかな点数のみ

 

入試問題は1つのテーマで問題を複数出題する大問形式と、1問1答のような簡単な問題を色々な分野から出題する小問集合形式の2つで構成されます。

※小問集合を出さない大学もある

 

力学と電磁気学を大問として出題しない大学はほぼありません

大問は全体の得点に対する配点も高く、大問を3題出題する大学が多いので、力学と電磁気学だけで約2/3(66%)の配点を占めることになります。

そして残った大問1つでは熱力学か波動から出題され、残りは小問集合だけで少ない配点というケースが多いです。

つまり熱力学・波動の配点比率は低いということです。

さらに原子物理学は出題されないことも珍しくありません。

 

この現状から考えると、

  1. 関連性が高く、配点も高い力学と電磁気学を最優先
  2. 次に関連性の高い熱力学
  3. いつやってもよい波動
  4. 時間が無かったら捨ててもよい原子物理学

という優先順位で高校物理の学習を進めた方が物理の点数は上がりやすくなり、受験に有利なことは明らかでしょう。

 

効率的な学習順序
によって得られる効果

  • 圧倒的な定着率
  • 模試や大学の過去問でまとまった点数が取れる
  • 自信がつき、残りの分野に余裕を持って取り組める

 

人間は忘れる生き物なので、新しい考え方を学んでも、しばらく使わないと忘れていまい、復習に余計な時間がかかります。

しかし、高校物理を効率的な学習順序で進めると、比較的短い期間で同じ考え方を使う頻度が飛躍的に上がります

その結果、忘れる前に学んだ考え方が頭に残り、知識の定着率が圧倒的に上がります

 

そして、高校物理の中でも優先度の高い力学と電磁気学は模試や入試でも頻出のため、模試や大学の過去問を解いたときに、まとまった得点を取りやすくなります

これは物理に対して自信を与えてくれ、残りの分野も気持ちにゆとりを持って学習に臨むことができるようになります。

一番最悪なのは、どの分野もまともに身につかず、あれこれと復習する状況です。

この状況に陥ると、自信のある分野がないため、やらなければならないことが増えて焦り、1つ1つの学習が雑になるといった負の連鎖を引き起こします。

何かしら自信の持てる分野があれば、残りの分野に時間を注力しやすくなりますよね?

 

ただ頑張るだけでなく、その頑張りをもっと実感できるような学習の工夫を取り入れることが、周りと差をつける重要なポイントです。

そのうえで物理の学習順序を考えることは非常に効果的です。

 

おすすめの問題集と勉強法

最後に物理の基礎を学ぶのにおすすめな問題集を2つ紹介します。

 

セミナー物理基礎・物理


2023年度用 最新版 セミナー物理基礎+物理 問題集本体別冊解答編 新課程

※〇年度用と毎年出版されますが、毎年ほぼ同じ内容なので年度が変わっても問題ありません

 

メリット

  • 問題の難易度がはっきり区別されている
  • 基本問題では、1つの問題に対して使う知識が少ない
  • 知識と考え方を確認しやすい
  • 問題数が少し多めなので反復演習しやすい

デメリット

  • 解説がシンプルなので読んでもわからない場合がある

 

学校で使う高校も多い『セミナー物理基礎・物理』です。

問題は基礎から発展・総合まであり、発展問題・総合問題では有名大学の過去問も取り上げているため、基礎から応用まで1冊で対応できます。

ただし、基本問題と発展問題では、問題の難易度に大きな差があり、初めて学ぶ内容で発展問題まで手を出そうとすると行き詰る人は多いと思います。

 

そのため『基本例題→基本問題→(発展例題)』だけにとどめ、一通りの学習を終えたら、別の問題集に移る方が良いでしょう。

※物理が苦手な人は発展例題もやらなくて良い

この点だけ注意すれば、基本問題は1つ1つの知識を正しく理解して使えているのか?を確認できる良い問題で構成されているので、非常に自己チェックしやすい問題集と言えます。

また問題数も少し多めなので、知識の反復演習にも向いています

 

ただし、解説がシンプルなので『もっと細かく説明してほしい』と思う人・物理がかなり苦手という人には向かないかもしれません。

逆に『くどい解説は苦手』という人には相性が良いです。

 


2023年度用 最新版 セミナー物理基礎+物理 問題集本体別冊解答編 新課程

 

秘伝の物理 問題集


秘伝の物理問題集[力学・熱・波動・電磁気・原子] (ひとりで学べる)

 

  • 物理全分野で計189問と少ない問題数
  • 掲載問題がほぼ基本問題で構成され基礎に徹底
  • 基礎の中でも、問題の難易度を5段階に分類していて、解くべき問題を選びやすい
  • 徹底した丁寧な解説で、くどすぎない

 

物理が苦手な人にかなり向いている問題集です。

まず物理全分野で189問しかないので、一通りの基礎を固めるには時間効率が良いです。

1日2問やれば3ヵ月で終わる量です。

そのうえ、全てが基本問題レベルの難易度で、くどすぎない程度に徹底した解説がされているので、問題を解くために必要な考え方を1つ1つ確認しやすいです。

図もきれいなので、とてもわかりやすいです。

 

なお問題レベルは基礎のなかでも1~5までの5段階で分類されているので、自分でレベルを調整しやすいです。

まずは難易度3までの基礎を徹底した後、他の内容を学習しながら、少しずつ難易度4~5に手を出し、忘れ防止と思考力の強化を図る、といった工夫をしやすいです。

塾講師として物理の問題集を数多く見てきましたが、物理が苦手な人にこれ以上向いている問題集はないのでは?と正直思っています

 


秘伝の物理問題集[力学・熱・波動・電磁気・原子] (ひとりで学べる)

 

まとめ

  • 力学→電磁気学→熱力学→波動→原子物理学の順序が効率的
  • 関連性と出題頻度・配点の高い分野を優先し、自信をつける
  • 余裕がなければ原子物理学は捨てても良い

 

スポーツにしろ、芸術にしろ、何も考えずに練習をしても上達しません。

むしろ、変なクセがついて足を引っ張ることもあります。

目的意識と戦略を持って学習に臨まなければ、思い通りの結果は生まれません。

逆に、目的意識と戦略をしっかり持てば、努力に見合った分の結果が返ってきます。

 

高校物理の学習で悩んでいる方は、この記事を参考に、自分の学習する内容にメリハリをつけて戦略的に勉強していきましょう。

 

なお、理科に学習関係で次の記事も紹介しています。

是非参考にしてください。

 

(1)が解けない物理初級者が物理の点数を上げるための参考書・問題集

www.tm-life-agent.com

 

物理の中級者~上級者向けのおすすめ問題集

www.tm-life-agent.com

 

高校化学の点数を効率的に上げるおすすめ勉強法 -学習順序の工夫- 

www.tm-life-agent.com

 

点数を上げるために今すぐ実践すべき問題集の正しい5つの使い方

www.tm-life-agent.com

 

学校の多い課題で点数を上げるための効果的な取り組み方 

www.tm-life-agent.com

【正しく使えてる?】点数を上げるために今すぐ実践すべき『問題集の正しい5つの使い方』

点数を上げるために今すぐ実践すべき問題集の正しい5つの使い方

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問題集は、学習した知識を問題を通じて実践し、知識の理解度の確認と定着を図るための重要な学習ツールの1つです。

しかし残念ながら、問題集を正しく使えている人が少ないのが現状で、次のような悩みを抱えている人が多いです。

  • 問題集をやっても成績が伸びない
  • 問題集に時間がかかって学習が前に進まない
  • 点数が上がる問題集の使い方を知りたい

 

そこで本記事では、私が塾講師時代に生徒に指導し、生徒の約90%以上が定期テストでクラス順位1桁にすることができた『点数を上げるための問題集の正しいな5つの使い方』を理由と合わせて解説します。

 

本記事を読めば、今の自分の問題点を知り、すぐに改善することができるでしょう。

その結果、今まで以上に成績の向上を実感でき、試験の結果も良くなるので、是非参考にしてください。

 

 

問題集の正しい5つの使い方
チェックリスト

最初に、問題集の正しい5つの使い方をチェックリストとして並べます。

まず自分がその使い方を実践できているのか?確認しましょう。

もし実践できていない使い方があれば、問題集で点数を上げるチャンスがあると考えましょう。

 
チェックリスト

  1. 1問ずつ〇付けをする
  2. 1問あたりに時間設定をしている
  3. 間違えたら、自力できるまで解きなおす
  4. できなかった問題に印をつける
  5. 苦手分野の応用問題はやらない

 

1つでも実践できていないのがありましたか?

では、この5つの問題集の使い方が正しい理由と、これで何故点数が上がるのかの理由を説明していきます。

理由を知ることは、目的をもって実践することにつながり、高い意識で問題集に取り組むうえで重要です。

 

5つの使い方が正しい理由と
点数が上がる理由

あなたが実践できていない項目の理由だけを見ても構いません。

しかし、既に実践しているやり方の意味を再確認することには意義があります。

そのため、一通りの理由を確認してみてください。

なお、キーワードは『目的』と『計画』です。

この2つを意識して読んでください。

 

1問ずつ〇付けをする

  • 自分の間違った考えにすぐ気付ける
  • 間違いを早く修正することで、残りの問題を正解にでき、定着につながる

 

最近の学校は課題が多い傾向があるため、一気に解いてから〇付けをする人が多いです。

ここでもし、間違った考えで問題を解き続けたらどうなるでしょうか?

〇付けの結果、✕が多発し、やる気を無くしませんか?

そしてこのやり方の問題は、単純に✕が多くなることではありません。

間違った考えを繰り返すことで、その考えが頭に染みつくことが一番の問題です。

 

間違えることは悪いことではありません。

重要なことは『間違いを修正して、正しい考えを自分の頭に植え付ける』ことです。

1問ずつ〇付けすれば、✕がつくたびに自分の問題点に気付けます。

そこで、

  • 何がいけなかったのか?
  • 次からどうすれば良いのか?

を考え、残りの問題で実践していけば、その後の問題が〇になるだけでなく、正しい考え方がしっかり定着するようになります。

一気に解いて〇付けするのは効率的に思えますが、問題集の使い方としては実は非効率です。

 

なお、問題集の目的の1つは『知識の定着』です。

知識の定着には反復演習が必要です。

そのため、早めに正しい考えに修正することが、無駄な反復を防ぐことにつながり、効果的な問題集の使い方につながります。

 

時間設定をする

  • 思考力を磨く
  • 試験時間対策につながる
  • 無駄に悩む時間を減らせる

 

わからない問題があるのは当然です。

しかし、『わからないと思ったらすぐに答えを見る』ことは勿体ない行為です。

目の前の問題に対して、学んだ知識の使い方を考え試す時間を用意しないと、

  • 知識を頭の中から引っ張り出す能力
  • なかなか解けない問題に対して試行錯誤する能力

が磨かれません。

『解けないのは知らないから』と考えてしまう人は多いです。

英単語や歴史の知識といった暗記ものは、すぐに答えを見て覚えなおした方が良いでしょう。

しかし、英語長文・文法、数学、理科といった思考系の問題では、解けなくても

  • どんな知識が使えるのかを考える
  • 一発で解けない・解法が思いつかなくても色々試してみる

といった『頭を使う練習』をしなければ、知らない問題に出会うたびに何もできなくなり、成績は伸び悩むでしょう。

そして、何でもかんでも覚えようとしたらキリがありませんし、時間が経てば忘れます。

問題集の目的の1つは『さまざまな問題に対して考える』です。

すぐに答えを知りたくなる気持ちはわかりますが、色々な問題が解ける自分を作り上げるには、普段の問題演習から思考する習慣が必要不可欠でしょう。

 

また、問題を解く時間を設定することで、限られた時間の中で集中して考える習慣が身に付きます。

その結果、時間制限のある試験では、他の人よりも多くの問題を解くことができるでしょう。

このように、様々な思考ができるようになるだけではなく、思考速度が速くなるという点でも、問題を解く時間を決めることは効果的です。

 

そして何より、わからない問題で無駄に時間を使ってしまうことを防げます。

わからない問題でも考えることは重要ですが限度があります。

決めた制限時間内で一生懸命考え、試行錯誤した結果、結論に辿り着かなければ、答えから考え方を学び、それを使いこなせるようにした方が効率的でしょう。

考える時間はしっかり用意し、無駄な時間を無くせば、今までよりも効率的に実力を上げることができるでしょう。

 

なお、1問あたりの時間設定の目安を紹介しておきます。

 

1問あたりの時間設定の目安

  • 英単語・歴史等の暗記知識:わからなければすぐ答えを確認して覚えなおす
  • 数学・理科系:10分~15分
  • 英語長文・国語:文章量による

 

間違えたら、自力でできるまで解きなおす

  • 『わかった』と『できる』は違う
  • 試験では何も見ずに解けなければならない
  • 自力でできる状態が得点に直結する

 

問題の解説を読んでわかったと思って終わりにする人は多いです。

しかし『わかった』と『できる』ではレベルが違います

本番の試験で、わかったはずの問題が解けなかった経験がある人は多いと思います。

それだけ『できる』という状態は『わかった』以上にレベルが高いということです。

試験では、教科書や単語帳などを調べることができないため、自力でできなければ得点できません。

そのため、普段の問題演習から、間違えた問題を自力で解けるまで解きなおし、自力でできる状態を作り上げることが重要です。

 

問題集の目的の1つは『できることを増やす』です。

わかったつもりで終わらせず、しっかりできる状態まで実力を磨きましょう。

 

できなかった問題に印をつける

  • 復習すべき問題を明らかにする
  • できなかった問題ほど復習が重要
  • 復習する問題が明らかになり、無駄な復習を無くせる

 

人間は忘れる生き物なので、時間が経てば忘れます。

そのため、復習は重要ですが、1から全ての問題を復習していたのでは、膨大な時間がかかってしまい無駄が生じます。

『できた問題』と『できなかった問題』のどちらを優先的に復習すべきでしょうか?

できなかった問題と答える人が大半でしょう。

しかし、覚えたことを忘れるのと同じで、どの問題ができなかったのかも忘れてしまいます。

そこで、できなかった問題に✕などの印をつけておけば、時間が経っても復習すべき問題が明らかになり、無駄な復習を無くすことができます

あとあと復習することを考え、『計画的に』問題集を使うことが重要です。

 

苦手分野の応用問題はやらない

  • 苦手を得意に変えるのは時間がかかる
  • まず、得意分野を伸ばすことを優先する
  • 得意分野を増やすことで、気持ちにゆとりが生まれる

 

苦手分野を何もせず放置するということではありません。

先に得意分野を磨いてから、苦手分野に本格的に時間を使おう、ということです。

 

苦手を得意に変えるには、かなりの時間がかかります。

逆に、得意分野を磨くのには、そこまで時間がかかりません。 

そのため、苦手分野は最低限の時間で基本だけに押さえ、残りの時間を得意分野に使えば、得意分野はどんどん成長するでしょう。

そして得意分野に自信が持てる状態になれば、残りの時間を苦手分野に集中的に使うことができるでしょう。

 

人間が同時に多くのことをやろうとすると混乱し、どれも中途半端に終わることがあります。

苦手分野と得意分野をどちらも頑張ろうとすると、恐らく苦手分野にかける時間が増え、得意分野の成長を邪魔するでしょう。

その結果、苦手分野も得意分野も普通程度の中途半端な状態で終わってしまいます。

 

しかし、得意分野を伸ばし切ったあとならどうでしょう?

残った時間は安心して苦手分野に使えますよね?

自信の持てるものが多ければ多いほど、心にゆとりが生まれます。

苦手分野を先にやるか、後にやるか?だけの違いです。

それならば、まず得意なもので自信をつけ、ゆとりがある状態で苦手分野に取り組んだ方が、集中した状態で苦手分野が勉強できるので、結果的に効率的な学習となるでしょう。

ただ単純に勉強するのではなく、このような『学習順序の計画性』が効率的な学習の支えとなるので大事にしてください

 

問題集の使い方の参考書籍

ただ問題集を使っているだけでは点数は伸びません。

ただやるだけで点数が伸びるのであれば、困っている人は少ないでしょう。

5つの使い方の理由の説明で触れたように、『目的』と『計画性』をしっかり意識して問題集を使うことで本当の効果が発揮され、そこで差が生まれます

今回紹介した内容は最も基本的な問題集の使い方で、他にもまだありますが、それは別で紹介します。

 

なお、今回触れた考え方は、全て私自身で考えたものではありません。

私が高校生時代に出会った学習法の本でいろいろな考え方を学び、塾講師で実践して得られたものの一部です。

そこで問題集の使い方や考え方などがよくわかる本を2つ紹介したいと思います。

 

書籍1:問題集の使い方と工夫が学べる


増補2訂版 数学は暗記だ! (和田式要領勉強術)

 

  • 著者:和田秀樹
  • 出版社:ブックマン社

 

著者である和田秀樹氏は、大学受験の勉強法について多くの本を執筆している業界有名人です。

本書は高校数学の青チャートという有名な数学の問題集の効果的な使い方を説明しています。

『暗記だ!』といっていますが、単純に覚えるのではなく、思考しながら覚えるという方法を推奨している本です。

数学に関係のない方には興味がわかないかもしれません。

しかし、題材は数学ですが、『問題集とは、こんな感じで計画的に目的をもってやると効果が出る』という内容を、何故そうすべきなのか?の理由まで含めて詳細に解説しているので、問題集の使い方を知るうえで、かなり参考になる一冊です。

 

科目によって問題集の取り組み方は多少変わりますが、点数が取れるようになるための学習方法や考え方は多くの科目で共通している点が多いです。

和田秀樹氏の学習方法は『和田式』とよく呼ばれ、この考え方を参考にしている高校生は結構多いです。

高校生時代の私もそうでした。

問題集の使い方をフローチャートなどの図を使って説明していたりと、わかりやすい構成に工夫がなされています。

問題集を効果的に使う具体的な方法の例を知るには最適です。

 


増補2訂版 数学は暗記だ! (和田式要領勉強術)

 

書籍2:学習計画の考え方と問題集の使い方が学べる


2018年度版 新・受験技法: 東大合格の極意

 

  • 著者:和田秀樹
  • 出版社:新評論

 

再び和田秀樹氏の書籍です。

『新・受験技法:東大合格の極意』は20年以上前から存在する本で、時代に合わせて改訂を続けています。

私が高校2年生のときに本書に出会いました(私のときは東大受験技法という名前でした)。

本書の内容は、

  • ただ勉強するのは非効率
  • 得意・不得意も考え、科目ごとの目標を作る考え方
  • 長い受験期間での学習計画の考え方
  • お勧め参考書・問題集をレベル別に、特徴と使い方を紹介

といった内容が含まれています。

 

本の名前からわかるように、題材として東大を扱っていますが、私が塾講師で指導していたときの考え方は、この本で学んだことをベースにしており、東大以外の大学でも通用しました。

大学が変われば対策も当然変わります。

しかし、受験に合格するために必要な考え方は変わりません

私は本書に出会ったときに衝撃を受け、普段の勉強を1週間止めて本書を読み切り、自分の勉強の方向性と具体的な内容・方法を決めてから受験勉強を再開しました。

 

  • 自分の勉強をどう頑張れば良いのか具体的なイメージがない
    ※学習計画・科目の優先順位など
  • 問題集や参考書の特徴に合わせて、使い方を変える方法を知らない

こんな人には、普段の学習を1段階にも2段階にも引き上げる良いきっかけとなる本です。

この本で効果的な学習法の考え方を知っているのと、ただ頑張るだけの人では、学習の伸びに圧倒的な差が生まれるでしょう。

20年以上続くだけの名著なので、是非参考にしてみてください。

 


2018年度版 新・受験技法: 東大合格の極意

 

 

まとめ

正しい問題集の5つの使い方

  1. 1問ずつ〇付けをする
  2. 1問あたりに時間設定をしている
  3. 間違えたら、自力できるまで解きなおす
  4. できなかった問題に印をつける
  5. 苦手分野の応用問題はやらない

問題集に対する考え方

  • ただやるだけでは十分な効果で出ない
  • 目的と計画を持って工夫して使わなければならない
  • 問題集の使い方の工夫は書籍で知ることができる

 

問題集をせっかくやるのであれば、しっかり効果を出して無駄な時間は無くしたいものです。

そのためには、目的と計画を意識し、それに合った工夫を取り入れる必要があります。

しかし、勉強法は奥が深いので、最初から100%の勉強法を目指すと勉強が止まってしまいます。

少しずつ情報や工夫を取り入れ、少しずつ変化を加えていく気持ちで問題集に取り組んでいくと、徐々に自分に合った方法が確立されます。

闇雲にやるのは絶対にやめましょう。

そして、少しずつ進化していきましょう。

 

なお点数を上げるための学習法について次の記事も紹介しています。

是非参考にしてください。

 

高校物理が苦手な人が点数を伸ばすのにおすすめの参考書・問題集

www.tm-life-agent.com

 

高校物理の中級者~上級者向けのおすすめ問題集

www.tm-life-agent.com

 

高校物理で効率良く点数を上げるための学習順序の工夫

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高校化学が苦手な人が点数を伸ばすのにおすすめの参考書・問題集

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高校化学で効率良く点数を上げるための学習順序の工夫

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学校の多い課題を効果的に取り組み、点数を上げる方法 

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【要注意!】塾・予備校で成績が伸びない子の4つの特徴とその理由とは!?

【要注意!】塾・予備校で成績が伸びない子の4つの特徴とその理由とは!?

塾・予備校に入ったから成績が伸びる。

単純にこう思っていたら間違いです。

どの時代でも、塾・予備校に通っても成績が伸びない子が一定数いることは現実です。

本記事では、高校数学・物理・化学の理系3科目を11年指導してきた経験から『塾・予備校で成績が伸びない子の特徴を4つ』を、その理由と合わせて紹介します。

成績が伸びなくて悩んでいる人は、これから紹介する内容に該当していないかチェックしてみましょう。

 

 

塾・予備校で成績を伸ばすために必要な2つの要素

  • 継続的な勉強時間の確保
  • 課題に直面したときに変化を起こす覚悟

 

まず最初に、塾・予備校で成績を伸ばすために必要な2つの要素を説明します。

この2つの要素のどちらかが欠けても、成績は伸びません。

 

さて、勉強では『量より質』もしくは『質より量』とも言われますが、どちらが正解でしょう?

結論は『成績を上げるためには、量と質のどちらも必要』です。

 

(量)継続的な学習をしているか?

  • 単発で勉強時間を増やしても、すぐに忘れるのが人間
  • 学習した知識を失うと、次の学習内容の理解でつまずく


勉強は、前に学んだ内容を活かして、次の新しい内容を理解していきます。

いわゆる『積み上げ型学習』ですが、特に理系科目や英語でその傾向が強いです。

そのため、以前に学習した内容が頭に残っていないと、新しい内容を理解できずに、つまずくでしょう。

しかし、

  • 中学では、高校受験に内申点を利用する
  • 高校では、指定校推薦のために定期テストの点数を大事にする

といった理由から、次のような取り組みをする塾・予備校が非常に多いです。

  • 定期テスト前だけ集中的に勉強する
  • 定期テストの過去問で、テストに出やすい問題だけを対策する

 

残念ながら、定期テスト程度であれば、この集中対策で、ある程度の成績が取れてしまうのが事実です。

だから、塾・予備校はこの方法を好んで使います。

しかし、テストが終わると勉強しなくなるのが子どもです。

そうなると、せっかく勉強した内容をすぐに忘れて、将来の学習でつまずき始めます。

そして、最終的には『わからないけど、やり方だけ覚える』という勉強をやり始めます。

こうなってしまうと、覚えては忘れ、覚えては忘れ、の繰り返しです。

その結果、待っているものは『塾・予備校で勉強したけれど、受験前に残っている知識はわずかで、応用力もない』という状況です。

こうなってしまうと、模試や受験などの幅広い範囲を問われる試験にまったく対応できず、いつまでも成績が伸びないという結果になるでしょう。

 

勉強した知識を自分で使いこなすためには、継続的な学習・実践が不可欠です。

別に塾・予備校がそう仕向けなくても、それを実践しなければ意味がありません。

そして、仮に成績が伸びなくても、言葉は悪いですが『塾・予備校は教えた』というスタンスを取るでしょう。

その塾・予備校の流れに従ってしまうと、授業を増やすなどの費用が増える提案を受けるだけでしょう。

 

これを避けるためには、次の確認が必要です。

  • 継続的に勉強できる状態か?
    ※やる気・部活動の時間などを含めて考える
  • そのような仕組みが塾・予備校にあるか?
  • つまずいた学習内容のフォロー体制が十分か?

(質)学習の取り組み姿勢を変えているか?

  • 子どもが学習姿勢を変えているか?
  • それに対して講師はアドバイスをしているか?

 

勉強のテクニックに関する情報は、本やネットで簡単に手に入ります。

しかし、勉強でつまずくポイントは人によって異なり、つまずくたびに、その人に合った改善方法を試すことが、成績を伸ばすうえで重要です。

一律で『どうすれば良い』という簡単な言葉で済む問題ではありません。

 

  • 授業の受け方
  • 問題演習の取り組み方
  • 復習の取り組み方

 

実は、塾・予備校で成績が伸びない子どもは、これらの学習の姿勢面で課題を抱えていることが多く、勉強時間よりも、これらの姿勢を改善することが重要だったりします。

というのも、学習姿勢が悪い状態で勉強を続けても、時間に対する成果が低くなるからです。

そしてこの課題は、1番身近で学習姿勢を見ている塾・予備校の先生が修正すべきでしょう。

少なくとも、お金を払っているのであれば、と私は思います。

 

しかし、多くの塾・予備校では、単に授業数を増やすなどの、お金が掛かる方向でしか提案しません。

明らかに勉強時間が不足している子どもには、勉強時間を増やすことは必要です。

しかし、安易にこういう提案をする塾・予備校は避けた方が良いでしょう。

それよりも、子どもの学習姿勢などを見てくれている塾・予備校を選ぶべきです。

『どのように勉強していけば成績が伸びるのか?』という答えを子どもが持っているか?

これを1つの判断材料にして良いでしょう。

 

なお、次の記事で『正しい問題集の使い方』を紹介しています。

これは家庭でも指導できる内容なので、問題演習をしている割に成績が伸びないと思う人は、是非参考にしてみてください。

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塾・予備校で成績が伸びない子の特徴

では、先ほどの内容も踏まえて、塾・予備校で成績が上がらない子の特徴を整理していきます。

やる気がない・乗り気でない

塾・予備校に対して、子どもがやる気を出せない理由は様々です。

  • そもそも勉強する気がない
  • 今は必要ないと思っている
  • 塾・予備校の指導方針・学習環境が嫌い

 

そもそも、やる気がないのに塾・予備校に通うのか?と、疑問に思う人もいるかもしれませんが、今の時代では結構多いです。

  • 大人に自分の意見を言いにくい
    ※特に断ることを苦手とする子どもは多い
  • 親が進学実績などを理由に強制的に決めてしまう

この2つが代表的なケースでしょう。

 

いずれにせよ、塾・予備校に入る前にやる気を出せない場合は、成績が伸びない可能性が高いです。

勉強には、課題に直面したときに踏ん張るための忍耐力が求められます。

子どもが望まない環境では、忍耐力で課題を乗り越える前に、妥協や諦めが先に来てしまいます。

これは、子どもに限らず大人でもそうです。

そして何より、勉強に対する継続性が失われ、定期テスト前だけ頑張るようになるでしょう。

これでは、勉強の継続性が失われ、安定して成績を伸ばすことが難しくなります。

 

また、塾・予備校関係者、親の目を気にして、とりあえず『勉強しているフリ』をすることもあるでしょう。

  • 授業には出席しているが聞いていない
  • 宿題は答えを写して、やったフリをする

が典型的な例でしょう。

これでは、塾・予備校にかけているお金と時間が完全に無駄ですし、子どもも親も精神的に不健全でしょう。

 

  • 塾・予備校の話を拒絶しないか?
  • 塾・予備校に行く前の子どもの雰囲気
  • 塾・予備校から帰ってきたときの子どもの雰囲気
  • 塾・予備校での勉強に関する話が子どもから出るか?

 

これらが『子どもがやる気を持って自主的に勉強しているか』の1つの判断材料になるでしょう。

子どもが前向きに勉強に向かっているか?を、ささいなことから察知するように心掛けましょう。

嘘をついて『できた・やった』フリをする

授業・宿題・テストなどで、できないことやわからないことが生まれるのは当たり前です。

むしろ、その課題をできるように変えることが、勉強の本来の目的です。

しかし『できない=悪いこと・面倒なこと』と思う子どもが比較的多いです。

怒られることに恐怖心を抱いている場合もあります。

追加の課題や補習などが面倒で、嘘をついている場合もあります。

 

いずれにせよ、この場合は、塾・予備校の関係者だけでなく、親も普段の学習がうまく進んでいるものと勘違いし、成績を伸ばすきっかけを失ってしまいます。

そして、それが長期化することで、子どもの弱点が積もり積もって、後ではどうにも対処できなくなるでしょう。

さらには、嘘をついて自分の問題を隠す悪癖が習慣化することもあるでしょう。

 

  • 子どもが自発的に都合の悪いことを言えていますか?
  • それを聞いたときに、それを認めて受け入れる体制がありますか?

 

これは、塾・予備校に限らず、家庭でも気付けることではないでしょうか?

身近な家庭の場に、この問題を解決するヒントがあるので、塾・予備校に通う前に確認してみましょう。

なお、これは塾・予備校側に間違いを受け入れる姿勢があるのか?も要確認です。

ただ単に、授業数・勉強時間で解決しようとする塾・予備校には注意してください。

人の話を聞かない(頑固)

習慣は数日単位ではなく、長期的な生活の中で身に付きます。

これは、悪い習慣でも良い習慣でもです。

そのため、誰もが普段の習慣を変えるのは難しいことであり、今までやってきた方法に無用にこだわり続ける子どもは一定数います。

大人でも同じですね。

話を聞いても、聞くだけ聞いて、それをまったく試そうとしません

そのため、同じミスをずっと繰り返し、成績を伸ばすきっかけを失ってしまいます

 

普段のやり方・習慣は、自分に馴染みがあり、一番安心する方法です。

しかし、現状がうまくいっていない状況を打破するためには変化が必要です。

『うまくいかなくても試してみるか』という柔軟さで、新しい方法を試せるか?は、成績を伸ばすための重要な鍵と言えるでしょう。

 

仮にうまくいかなかったのであれば、別の方法を考えれば良いだけの話です。

それで全てが終わるわけではありません。

 

  • 変化することへの柔軟さがあるか?
  • それをサポートする体制があるか?

この基準で判断してみてください。

部活動が忙しくて時間がない

強豪の運動部や文化部(吹奏楽部など)が代表的です。

強豪校になると、中学でも部活動後に自主練習という名の部活が夜遅くに及ぶことは珍しくありません。

高校になると、朝練に加えて、夜8時過ぎまで部活動が続くことも当たり前でしょう。

 

1日24時間は、全人類で平等です。

限られた時間の中で、その時間をどう使うのか?

部活なのか?勉強なのか?遊びなのか?

部活動が忙しければ、当然、勉強できる時間は他の子どもよりも少なくなります。

これは当たり前のことです。

しかし、何故か、忙しい部活動に所属している子どもほど、部活も勉強もトップを目指す傾向にあります

気持ちはわかりますが、多くの子どもには無理です。

それは、塾・予備校の授業では、仮に本人がわかっていることでも授業で説明することがあるからです。

限られた時間の中での学習において、無駄が生じやすいということですね。

 

忙しい部活動に所属する子どもの場合は、無理に塾・予備校に通うことを考える前に、普段の学校での授業を如何に最大限活かすか?を考えるべきでしょう。

定期テスト前などの期間限定で塾・予備校を頼るのは良いでしょう。

しかし、通年で塾・予備校に通い続けることには、よほどの理由がない限り、あまり意味がないと思います。

そもそもの勉強の継続性を実現することが難しいからです。

まともに勉強時間を確保できるのは、試験前くらいでしょう。

 

忙しい部活に所属する場合には、

  • 睡眠時間はしっかり確保
    ※健康面を害しては元も子もない
  • 学校の授業を最大限に利用する
    ※質問などは積極的に
    ※学校の教師を積極的に利用する
  • 上記のリズムを安定させる

を目指しましょう。

無理に、塾・予備校などに使う時間を増やすべきではありません。

もともと使える時間が少ないのですから。

 

 

まとめ

いかがでしょうか?

塾・予備校は、子どもの成績を伸ばすための手段ですが、通ったから成績が伸びるという単純なものではありません。

子どもとの相性が必ずあります。

今回紹介した事例は、私が塾講師として指導してきた中で、成績が伸びない子どもの典型的な事例です。

塾・予備校に子どもを通わせる前に、一度、これらに該当しないか?

もしくは、それを変えていける環境が塾・予備校、そして家庭にあるか?

を確認してみましょう。