ネガティブな人が落ち込んだ時に無理に立ち直ろうとすると、かえって心の負担になることが多いです。
いろいろな人がいる社会の中で生活していれば、落ち込むことは誰でもあります。
当然、自分が落ち込んだ状況は気分が良くないので、何とかして立ち直ろうとします。
今はインターネットやSNSが普及しているため、落ち込んだ時の立ち直り方に関する自己啓発的な多くの意見や情報に触れることが容易な用意な世の中です。
落ち込んだ時は、そんな情報を頼りにして、自分を奮い立たせようとしたくなるものです。
しかし、そもそも論として
- 人によって考え方はさまざま
- 自分で他人や組織・社会を変えることは難しい
といった理由から、下手に他人の意見を鵜呑みにするのは危険です。
うまく立ち直れなかったときに自己肯定感を失い、かえって逆効果になるからです。
特に私のようにネガティブな人は、なおさらダメージを受けやすい体質なので、他人の意見を参考にするにも注意が必要です。
世の中にいろいろな人がいるのと同じで、人によっても立ち直り方もさまざまです。
そこで今回、
ネガティブ思考な人に向けて
他人と比較しない『自己放置的な立ち直り方』
をご紹介します。
立ち直り方1:諸行無常。落ち込むことは自然と起こる
- 自分に関係なく、良いこと悪いことが起こる
- そんな世の中だと、まず受け入れてみる
私自身、過去を振り返ると、落ち込む出来事はたくさんありました。
この記事を書いている現在だと
- 突発性難聴の重症で右耳の聴力を完全に失った
- この状態で今後の生活をどうするのか?見通しが立たない
といった状況で、たびたび落ち込むことがあります。
そんな中、突発性難聴の入院中に『ある本』に出会いました。
暇つぶしとして、病院内のコンビニで買った本です。


先にお話しすると、別に宗教勧誘するつもりはありません。
ただ私が、『タモリ倶楽部』や『みうらじゅん氏』の影響を受けて、葬儀や法事で読まれているお経の意味に興味を持っていただけです。
そこでふと手に取ったこの本。
この『仏教とお経の本』は、
- 身近な葬儀・法事に読まれる代表的なお経の意味
- 仏教とは、大古から存在する自己啓発書の1つということ
- 仏教が伝える人生訓
- 法事の意味など、身近な生活と関係した仏教知識
を、素人にわかりやすく解説している本です。
この本に、
仏教の基本的な教えの1つ『諸行無常』
について解説が書かれていました。
諸行無常
- 仏教の基本的な教え『三法印(四法印)』の1つ
- 物事はすべて移り変わり、永遠に変わらないものなどない
- 物事は悪いほうに変わるとはかぎらない
- 1つ1つの現象に一喜一憂せずに生きることが大事
つまり、良くも悪くも状況は変わっていくもので、同じ状態が続くことはあり得ない、ということです。
非常に当たり前のように聞こえます。
しかし、自分が安心している状態であれば、それが続くことを本能的に望みませんか?
でも『それはあり得ない』という最も基本的なことを言っています。
誰でも健康的に過ごしたいと思いながらも風邪を引いたりしますよね?
どんなに用心しても、風邪を100%防ぐことはできません。
突然の交通事故に巻き込まれることもあります。
しかし、風邪は永遠に続きませんし、交通事故も頻繁に遭遇することもありません。
悪い出来事が起こることは仕方がないが、それが永遠に続くことはない、ということです。
要は、こういうことです。
- 都合の悪いことは平気で起こりうる
- その悪いことは永遠には続かない
- 一方で良いことも起こる
悪い出来事を簡単に忘れることはできません。
しかし、それが永遠に続くこともなければ、良いことも起こりうる。
そんな世の中だと一度割り切る考えを持ち合わせて、俯瞰的に自分の状況を捉えることが重要ということです。
立ち直り方2:落ち込むことは心の不調で養生するがよし
- 体調不良ではパフォーマンスが落ちる
- ベストパフォーマンスを目指して頑張ると期待通りの結果が得られない
- できる範囲で、できることをやる
精神的に落ち込んだ状態は
肉体的に風邪を引いた病気状態と同じ
です。
思考力も行動力も、健常状態よりも劣っています。
そこで無理に頑張ってもうまくいかず、期待した結果とのギャップでさらに凹むという負の連鎖を生むだけです。
ここで質問です。
- 友人や同僚が風邪などで体調を崩したら、どう声を掛けますか?
頑張ろうと言いますか?
多分言わないでしょう。
恐らく次のような言葉をかけるのではないでしょうか?
- 無理しなくていい
- できる範囲でやって、きつかったら声をかけてね
同じ調子の悪い状態でも、他人には優しい言葉を掛けるのに、自分には優しくしない。
自分に厳しすぎませんか?
これは、
あなたが優しい人間だから
です。
調子が悪いときにパフォーマンスを発揮できないことは誰でも同じです。
そこで、自分だけにベストな状態を求めるのは酷な要求です。
風邪などで体調を崩したときは安静が一番。
自分の状態に見合わない頑張りで傷を広げるよりも、まず回復を第一優先すべきでしょう。
これは世界で活躍する一流スポーツ選手も同じです。
世界で活躍するスポーツ選手は、本番をベストな状態で迎えられるように調整します。
これは一流選手も常にベストな状態ではなく、本番に向けて調子を整えているということです。
- 一流選手が常にベストな状態ではない
- 一流選手は、ベストな状態に向けて調整する
- 自分を自覚した上での調整能力は、選手としての能力に直結する
ニュースなどでスポーツ選手の情報を見れば、誰もがわかることだと思います。
一流選手でも波はありますが、自分の波に合わせて自分を調整しています。
落ち込んでパフォーマンスが落ちるのは、あなたが劣っているわけではなく、一流選手でも起こること。
そのときに合わせた行動で、徐々に回復を狙っていくことが重要です。
無理な頑張りは逆効果です。
自分のできる範囲でやる
と割り切ってみてはいかがでしょうか?
立ち直り方3:他人と比較しない
- 自己啓発を参考にするのは良いが、それをあてにしない
- あくまでも『自分の気が向くか』を考える
- 自分からやろうと思ったことを試してみる
落ち込んだときに役立つと思われる『自己啓発書』は世の中に多く出回っています。
自己啓発書は参考になりますが、万人に共通する考えと捉えるのは危険です。
あくまでも『自己啓発情報は1つの参考情報』です。
その理由。
- 他人と自分では生きてきた経験・環境が違うから
- 他人と自分で大事にしたいものが違うから
- アイデアのポイントが自分に適した状況とは限らないから
挙げればキリがありません。
ただし、私のようなネガティブ人間は、安易にそれを受け取らないようにしましょう。
そもそも、今までの生き方、今の環境が違うからです。
これは重要なポイントです。
他人と自分を区別せずに、他人の意見を鵜呑みする危険性を私の経験でご紹介。
他人の意見・経験の妄信による危険性
学習塾で経営・指導していたときの出来事。
1人の生徒が、クラスの日常でいら立つことが多く、ストレスがたまっていた。
その子はストレス発散の方法を調べ、『大声で叫ぶ』など色々試したが、ストレスは減らないという。
その子は、状況が改善しないことで、徐々に落ち込むようになっていった。
私は、周りを無視して無理せず自分中心で過ごしたら?と言った。
完全とは言えないが、精神的には多少は回復しました。
そもそも他人と自分では、物事の捉え方が違うのは当たり前です。
起こった状況における環境・耐性も違うでしょう。
そんな、
- 他人がどんな状況で落ち込んだのか?という状況
- その他人が経験してきた、それまでの境遇
を脇に置いて、自分に役に立つと安直に受け止めるのは危険でしょう。
それを受け止めるということは、それで解決するだろうと思っているわけですから。
あくまでも参考にとどめるべきです。
つまり、元も子もない話ですが、
自分に合う良薬は自分で見つけるしかない
ということです。
では自分に合う良薬は何か?
安静にしている中で『これをやってみようかな?』と思うことはありませんか?
やる気が起きないで暇な時間を過ごしていると、ふと思いつくことがあります。
私の非常にくだらない実例ですが、落ち込んで寝込んでいるときに、
- テレビをつけて何か見てみようかな?
- コンビニの本棚に何か面白そうな本がないか見てみようかな?
- 大好きなピザをデリバリーで好きなだけ頼もうかな?
- 思い切って、歩けるとこまで歩ききってみようかな?
といったことを思うことがあります。
落ち込んで安静している状態から発せられる
『何か行動を起こしたい』という自分発信のシグナル
自分から発せられるキッカケが一番自分に合った良薬の可能性が高いです。
誰よりもあなたのことを知っているのは『あなた』ですから。
このシグナルに耳を傾けてはいかがですか?
それで回復しないなら、それはそれでよいじゃないですか。
諸行無常。
次の機会が必ず訪れます。
もし立ち直れたら、それは『あなたonlyの処世術』になります。
この積み重ねが『あなたにとっての自己啓発』になり、only oneの立ち直り術になるのではないでしょうか?
まとめ
- 落ち込むことは誰にでも起こること
- 落ち込むことは、風邪と同じ体調不良でいつでも起こりえる
- 心が衰弱している状態なので安静第一
- 他人と比較せず、自分発信の回復を大事にする
こんなことを書いている私。
突発性難聴で右耳が言葉を認識できない状況で、正直、落ち込んでいる状態です。
しかし、それを考え続けても意味がない、と思っています。
そこで、できる範囲でブログを書き続けています。
自分の人生。
あなたにとって、あなたの生き方があるはずです。
他人が『こう生きてきたから』という言葉は参考にしても、あなたにとって良薬とは限りません。
安易に他人と比較することは、ときに劇薬となり、さらに落ち込むきっかけにもなります。
自分発信のシグナルを大事に、
自分に合う自己管理を長期間で身につけていく
という長い目線で考えてみてはいかがでしょうか?