生活の羅針盤

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【喪主の体験談】喪家に伺う門送り 流れと服装・マナー解説

【喪主の体験談】喪家に伺う門送り 流れと服装・マナー解説
門送りは地域の慣習性が強い地域土着の風習です。

新しい土地に移り住み、突然『門送りの連絡』が届いて困るかたは多いのではないでしょうか?

門送りは葬儀とは別の場面なので、慣れない方は

  • 何をすればよいのか?
  • 服装は何を着ていけば良いのか?
  • 門送り特有のマナーはあるのか?

と、いろいろと悩まれることが多いと思います。

そこで本記事では、私自身が実際に喪主を務めたときに、自宅で門送りを行った経験にもとづいて、次の内容を解説していきます。

 

本記事でわかること

  • 故人の自宅で行う門送りの流れ
  • 会葬者の当日の動きと服装やマナー
  • 門送りで困ったときの対処法

 

 

門送りとは?

門送りとは一般的に次のように説明されることがあります。

  • 喪家(遺族の自宅)に伺わず、自宅前で故人の霊柩車を見送ること
  • 葬儀のあとに、会葬者の方を見送ること

 

しかし、一言で門送りと言っても、これに当てはまらないものがあります。

それが今回解説する『故人の自宅で行う門送り』です。

故人の自宅で行う門送りでは、遺族・親族・ご近所の方が広く集まるため、失礼のないようマナーに気をつけたいものです。 

しかし、お通夜・告別式と異なり、門送りは比較的馴染みの薄い儀式であるため、当日の流れや服装などのマナー関係がわからず、不安になる方も多いのが実際です。

 

門送りの内容と流れ

まずは門送り全体の流れを知り、具体的なイメージを掴みます。

なお、全体像をイメージしやすくするため、

  • 遺族・親族の方のみが関係する内容
  • 参列者の方のみが関係する内容
  • 全員が関係する内容

を明確に区別して、門送りの時系列に沿って解説していきます。

各見出しに【〇〇】とつけます。

この〇〇(親族・参列者)が、各見出しの内容に関係する方なので、その点を意識してみてください。

※【その他】は葬儀業者や、ごく一部の近所関係者のみが関係する内容です

 

流れ1:納棺【親族・その他】

門送りの前に、遺族・親族、そして葬儀業者による納棺の儀が行われます。

単純に門送りの連絡のみを受け取った方には関係する内容ではありません。

ただし、門送りの場で不明なことがあると無用に心配になることがあると思います。

そのため、直接関係しない方も、納棺の儀で行われていることを知っておきましょう。

 

流れ1-1:納棺の儀【親族】

  • 遺族・親族が自宅内で故人を棺へ納棺する
  • 門送りの予定時刻の1時間前くらいに始まる

 

納棺の儀では、具体的に次のようなことを行います。

  • 故人の衣装を葬儀用に着せ替える
  • 故人との別れとして、遺族・親族が故人の体を拭く
  • 故人の顔に化粧をする
  • 故人の遺品や仏具を棺に入れる

 

納棺に立ち会う人には、門送り以外に納棺の連絡があります。

そして立ち会う人は遺族・親族のみが基本です。

そのため、ご近所関係の参列者の方は関係ありません。

 

納棺の作業自体は1時間程度で終わります。

私の場合も、門送りの連絡時間の1時間前集合で親族に連絡しました。 

つまり、門送りの参列者の方は、門送りの予定時刻の1時間前には、遺族宅で納棺が行われていると思っておきましょう。

 

流れ1-2:参列者用の受付・焼香台の設営【その他】

  • 参列者の名前を書く受付台の設置
  • 参列者がお焼香をあげるための焼香台の設置
  • 葬儀業者、または隣近所が担当
  • 設置場所は自宅の外

 

納棺がある程度進むと、葬儀業者や隣近所の方により門送りの準備が始まります。

私の場合は、葬儀業者の方が全て準備しました。

もしご近所付き合いで門送りの準備のお手伝いをする必要がある場合には、事前に別途お願いの連絡があります。

もし、門送りの準備のお願いの連絡がなければ、特別気にする必要はありません

 

なお、参考までですが、私の地域では『一家(いっけ)』と『隣組(となりぐみ)』の方が、門送りを含めた葬儀全般の準備をする慣習があります。

※一家とは、古い血筋を辿ると、同じ血を引いている家庭関係 

※隣組とは、単純に家が直接隣り合っている家庭関係

 

この慣習では、故人が亡くなった直後に一家と隣組に連絡を回し、各自に役割が割り与えられ、遺族の負担を減らすためにお手伝いをすることになります。

私の場合は家族葬を選んだため、この連絡を回さず、全ての準備を葬儀業者に依頼しました。

このように、何も連絡がない中で自発的に手伝わなければならない、ということはありませんので、ご安心ください

 

流れ2:読経と親族のお焼香【親族・参列者】

ここから、遺族・親族・参列者全員がそれぞれの行動を起こすようになります。

一つの敷地内で、どのようなことが行われているのか?の全体的なイメージを掴みましょう。

 

流れ2-1:読経と親族のお焼香【親族】

  • 納棺が終わり次第、ご住職が読経を始める
  • 故人宅内で、遺族・親族が順番にお焼香をあげる
  • 遺族の代表は、最初にお焼香を済ませ、参列者用の焼香台の前に向かい、挨拶の準備をする

 

遺族・親族は故人宅内でお焼香をあげます。

お焼香の順番は、遺族の代表から始まります。

私の場合は、喪主で長男である私から始まり、次に配偶者である母、という順番でした。

この時点で遺族の代表である私と母は、お焼香を終えたら、参列者の方にお辞儀という形で挨拶するために、参列者用の焼香台の前に移動します。

 

流れ2-2:参列者の集合【参列者】

  • 参列者は、門送りの時間の20~30分前に故人宅へ伺う
  • 受付で名前を書き、お焼香が始まるまで外で待機

 

遺族の代表の挨拶の準備ができた時点で、参列者の方へお焼香の誘導が始まります。

 

流れ3:お焼香【親族・参列者】

  • 読経の間に、残りの親族・参列者が順番にお焼香をあげる
  • 参列者はお焼香台の前に順番に移動し、お焼香をあげる
  • お焼香をあげたら、会葬品を受け取る
  • 全員のお焼香が終わるまで、外で待機

 

地域の規模にもよりますが、私の父の門送りの場合は、ご近所の方が約90名ほど集まってくれました。

 

特にお焼香の順番に決まりはありません。

担当者からお焼香を始める声がかかったら、順番に並び、お焼香をあげていきます。

そして、お焼香が終わったら、会葬品を受け取り、邪魔にならない場所で待機します。

 

流れ4:棺を寝台車・霊柩車に乗せる【親族】

  • 遺族・親族が棺を持ち、寝台車または霊柩車に棺を乗せる

 

棺は非常に重たいので、遺族・親族の男性が力を合わせて、宅内から車に棺を移動させます。

この間も、参列者の方はわきで見守ります。

 

流れ5:喪主による挨拶【全員】

  • 遺族・親族含め、全員が外に出て集まる
  • 参列者の方に向けて、喪主がお礼の挨拶を述べる

 

お通夜・告別式と同様に、門送りの終わりにも喪主の挨拶があります。

初経験だった私は非常に緊張しましたが、2月の寒空の下ということもあり、3分程度の挨拶におさめました。 

この間、参列者の方は喪主の挨拶を聞くことになります。

 

流れ6:出棺【全員】

  • 遺族の代表が車の助手席に乗り、棺を乗せて斎場に移動
  • 車の発進に合わせて、全員が合掌で車を見送る

 

車が自宅の敷地を出るまで、残った人全員が合掌で車を見送ります。

担当者の方から『合掌を』という合図と、終わりの合図をしてくれます。

 

これで門送りの一通りの流れが終わります。

この後は自然解散です。

当日にお通夜がある場合には、それぞれが斎場へ移動します。

 

また、私の父の葬儀は、門送りと葬儀が別日程でした。

この場合は、門送りをもって、その日は終了となります。

 

門送りの服装・マナー

お通夜・告別式と異なる門送りですが、どんな服装で伺うべきか?しきたりは?と、気になる点は多いです。

この点について、私の経験を紹介していきます。

 

門送りの服装

親族

  • 遺族は喪服、親族は地味な平装(普段着)の場合もある
  • 統一感を出したければ、事前に親族に連絡し、喪服でお願いする

 

参列者

  • 基本的に地味な平装(普段着)
  • 色は紺やグレーなどの落ち着いた色が望ましい

 

基本的に遺族は喪服を着用しますが、親族・参列者は絶対ではありません。

門送りは、故人がお世話になったご近所の方が、故人を見送る儀式です。

そのため、着ていく服装は派手な服装でなければ、平装(普段着)で問題ありません

私の父の門送りの際も、参列者の方で喪服の方は一人もいませんでした

ほとんどの方が、落ち着いた色(紺・グレーなど)の無地の服装でした。

 

ただし、親族に関しては、少し気を遣いました。

というのも、親族の服装が、家庭によって平装か喪服かで統一感がなかった場合に、平装の方が気まずい思いをしてしまうからです。

そこで、親族全員が統一するために、喪服でお願いします、とだけ親族の方に事前に連絡しました。

 

以上のように、参列者の方は派手な色に気を付ければ、普段の外着で十分です。

逆に、キッチリとした服装をした結果、親族側が平装であった場合、お互いに気まずい思いをしてしまいます。

私自身、ご近所の方は普段の服装の方が、葬儀前の見送りという門送りの場面にふさわしいのではないか?と思っています。

その方が、故人も見慣れたご近所の方を懐かしみながら、家を出ることができるではないでしょうか?

 

門送りのマナー

  • 数珠は持っていった方がよいが、絶対ではない
  • お焼香で遺族に特別な声かけは必要なく、お辞儀で十分
  • 遺影の写真がいい顔、のようなポジティブなお言葉は、遺族として嬉しい

 

私の経験上、門送りにそこまで厳格なマナーはないと思っています。

 

お焼香をあげる人数も多いので、遺族に長い挨拶をする必要はありません。

深々としたお辞儀で十分です。

逆に、長々とお言葉を頂戴してしまうと、遺族としては心労が増えます。

※私個人の経験からですが・・・

 

ただ、お焼香台に立っている父の遺影を見て、いい顔だね、といった言葉をかけてもらえたのは、非常に嬉しかった思い出です。

非常に些細なことかもしれません。

ただし、哀しみのなかでも、故人のよい面影に関する話は、遺族の心に響くものがあります。

もし遺族の方に声をかけるのであれば、こんな声掛けを参考にしてみてはいかがでしょうか?

 

門送りで困ったときは?

  • その土地に長く住んでいる近所の方に素直に聞く
  • 班長さん、自治会長さんに作法を聞く

 

一番後悔するのは、推測や思い込みで何も確認しなかった結果、作法を誤ることです。

初めてのことで、わからないことがあるのは恥ずかしいことではありません。

ましてや、門送りは地域の慣習が根強いものなので、むしろ確認することが礼儀と思います。

そのためには、その土地に詳しい方に聞くのが一番です。

わかりやすいのは、班長さんや自治会長さんですが、その土地に慣れていて、お付き合いのあるご近所の方が一番相談しやすいでしょう。

わからないまま、ふさぎ込んでいても状況は解決しません。

ここで知った情報を頭に入れておけば、自分が気になることをしっかり確認できると思います。

 

私の実家はかなり田舎で、古くから代々住んでいる方が大部分です。

村八分とまではいかないと思いますが、郷に従う、という考えで、その土地の慣習に合わせて行動されるのが最良と思います。

 

 

まとめ

  • 門送りは故人が自宅を出るのを、近所の方が見送る儀式
  • 葬儀と異なり、変にかしこまらずに、服装は落ち着いた平装で問題ない
  • ただし、地域の慣習が強いので、その土地に詳しい方に確認するのが一番

 

故人の自宅で行う門送りは、地域の慣習に根強い性格を持ちます。

ここで紹介した私の事例も、1つの門送りの形に過ぎず、全ての地域で通用するものではありません。 

そのため、まずは本記事の内容を参考にしてみてください。

そのうえで、門送りの全体像のイメージを持った状態で、その土地に詳しい人に詳細を聞けば、安心して門送りに参列できるでしょう。

 

故人とは、もう二度と会うことはできません。

そして、その土地に住むのであれば、たとえ以前の土地と違った慣習であれど、その慣習を受け入れ、周囲の方と円満な関係を保つのが最適だと考えます。

この記事が、門送りという地域の慣習で悩まれている方のご参考になることを願っています。

 

なお葬儀関連で次のような記事も紹介しています。

是非参考にしてください。

 

お香典の相場一覧(人間関係・年齢別) 

www.tm-life-agent.com