生活の羅針盤

筆者が実際に体験した経験をもとに『生活に役立つ参考情報』を多ジャンルで紹介する雑記ブログ

【間違えてない?】過去問の勉強法 - 間違えたところの正しい復習のやり方は? -

【間違えてない?】過去問の勉強法 - 間違えたところの正しい復習のやり方は? -

受験の必須アイテム『過去問』

試験勉強で過去問を1度も解かない人はいないでしょう。

過去問には、実際の試験で出題された問題が収録されているため、合格を目指すうえで非常に有効ですが、万能な問題集ではありません。

間違ったやり方では、過去問を何回解いても点数は伸びず、ただただ時間を浪費する結末を迎えます。

 

本記事の対象者

  • 過去問を何回やっても点数が伸びない人
  • 過去問で間違えたところしか復習していない人
  • 過去問の復習のやり方がわからない人
  • 過去問を効果的に使いたい人

 

本記事では、塾講師として大学受験指導をしてきた経験にもとづき『過去問の正しい復習のやり方』を紹介

過去問の使い方は、大学受験であろうが資格試験であろうが変わりません。

過去問を効果的に使いたい方は、本記事を参考に新たな取り組みができないか是非検討してください。

 

 

 

 

過去問の間違った復習のやり方・勉強法

まず、よく見られる『過去問の間違った復習のやり方』を、その理由と合わせて紹介します。

自分がこんな過去問の使い方をしていないかチェックしてみましょう。

過去問をむやみに解きまくる

単に過去問を解き続ければ点数が上がっていく。

こう思っている人は意外に多いです。

確かに、過去問で本番想定の演習をしていれば、徐々に試験に慣れていき、点数が上がるように思われます。

しかし、これは完全に非効率な勉強法と言えるでしょう。

それは『各分野での見落としが発生しやすいから』です。

 

試験は、各分野を代表する問題を、幅広い試験範囲から少しずつ出題される形式で作られています。

要は、Aという分野から3問、Bという分野から3問、・・・といった具合です。

限られた試験時間の中で、広い試験範囲の実力を確認するためには当然のことでしょう。

このため、十分な実力がなければ、あるときは良くできた分野も、別の機会にはまったく解けない、といったように過去問を解くたびに出来栄えが大きくばらつきます。

これでは、

  • 合格に向けて何が不足しているのか?
    ※原因
  • 合格に向けて何をすべきか?
    ※対策

がわからなくなり、何回過去問をやっても点数が伸びずに悩むことになるでしょう。

 

これは、本来の過去問をやる目的を見失い、過去問を解くこと自体が目的となってしまっている典型例です。

最低限の実力がなければ、過去問を何回やっても点数は伸びません。

過去問で磨く能力は『試験での実戦力(時間の使い方など)』です。

まず、この点を見誤らないようにしましょう。

間違えた問題だけを復習する

これもよく見られる過去問の間違った復習のやり方です。

間違えた問題を復習することは大事です。

しかし、間違えた問題だけの復習では、その問題と似た問題が試験で出題されない限り、得点に結びつくことはないでしょう。

これでは、ただの確率勝負です。

 

間違えた問題を解けるようになること自体は、実はそこまで重要ではありません。

むしろ、間違えた問題をきっかけにして、自分の弱点分野を発見することの方ががとても重要です。

間違えた問題を点として捉えるのではなく、面として捉えるようにしましょう。

正しい過去問の復習のやり方・勉強法

では、過去問の正しい復習のやり方とは、どのようなものなのでしょうか?

一部の考え方は、先ほどの過去問の間違った使い方で説明しましたが、重要な点をその理由と合わせて整理していきましょう。

試験・問題への取り組み方の問題点を見つける

これは、問題を解くための知識ではなく、効率よく得点を取るための行動力を見直すことです。

試験時間を正しく使えたか?

まず、試験時間の使い方です。

試験には試験時間という制限があるので、のんびりとマイペースで解くわけにはいきません。

試験の前半で時間を使いすぎた結果、後半で残り時間が少なくなり焦った経験はありませんか?

  • 単純にゆっくり解いていた
  • わからない1問に時間を使いすぎた

これらが典型的な時間不足の原因です。

 

何も考えずにゆっくり解いていたのであれば『試験時間÷問題数』でざっくりと1問に使える時間を計算してみましょう

その時間を意識していけば、試験時間に間に合う解答ペースを体に染み込ませることができるでしょう。

 

そして、わからない1問に時間を使いすぎることをやめましょう

そもそも、試験に合格するために満点を取る必要はありません。

無駄に悩んだ1問と、時間不足で解けなかった1問の重みは同じです。

  1. 解ける問題にしっかりと時間を使い、得点を固める
  2. 残り時間を悩む問題に使う

これが一番効率的な時間の使い方です。

  • 試験への挑み方・作戦は正しかったか?
  • より効率的な時間の使い方ができなかったか?

これを過去問を通じて見直せば、同じ過ちを繰り返さずに済み、より良い点数が得られる可能性が飛躍的に上がるでしょう。

ケアレスミスはなかったか?

本来解けたであろう問題をケアレスミスで落としてしまうこともあるでしょう。

例えば、

  • 問題文の読み間違え・読み飛ばし
  • 計算問題での計算ミス

などが典型例でしょう。

 

実はこれらは、すぐに得点に結びつく『おいしいミス』です。

それは、時間を掛けて何かを新しく勉強しなくても、問題への取り組み方を修正するだけで解決できるからです。

そして、これらは、特定の問題だけでなく『あらゆる問題に影響する危険なミス』とも言えるでしょう。

それは、このミスを直さなければ、問題を解くたびにポコポコ失点してしまうからです。

人によっては『あぁ~、ケアレスミスでまた勿体ないことをした』と思うだけで済ませてしまうでしょう。

これは非常に勿体ないですし、大変危険です。

 

この類のミスをきっかけに、どう問題に取り組めば同じミスを繰り返さないかを徹底的に考えましょう。

  • 問題文の重要部分に下線を引く
  • 問題文を読み終わったら、もう一度全体を見直す
  • 計算問題では暗算しない

色々な対策が考えられるはずです。

そして、普段の勉強からこの対策を徹底しましょう。

これだけで、解けるはずの問題を確実に取ることができるようになり、今までよりも高い点数が安定して取れるようになるでしょう。

点数が取れた分野・取れなかった分野を整理

過去問で間違えた問題を復習することは大事です。

しかし、それ以上に効果があるのが『分野ごとの得点度の確認』です。

 

そもそも、ある程度点数が取れている分野は、それ以上勉強することにあまり意味がありません。

受験勉強では、どうしても全分野を万遍なく勉強したくなりますが、これは完全に非効率です。

実は、ある程度点数が取れている分野を伸ばすことは、苦手分野の点数を上げることよりも難しく、時間が掛かります。

それは、既にわかっている・できることも勉強する可能性が高くなるからです。

極端な話、点数が取れた分野に割く勉強時間を、点数が取れなかった分野の勉強に全て使ってしまっても良いくらいです。

この『選択と集中』で限られた勉強時間を効率的に使えば、より効率的に点数を伸ばすことができるでしょう。

 

  • どの分野が駄目だった?
  • その分野を全体的に見渡し、怪しそうなテーマはどこか?

間違えた問題をきっかけに、広い視点から徐々に弱点テーマを絞ると、自分の課題がより明確になるでしょう。

これを意識して、過去問⇒弱点補強⇒過去問⇒弱点補強⇒・・・と繰り返せば、徐々に試験全体の得点が安定し、点数が底上げされます。

勉強時間は有限です。無限ではありません。

その限られた勉強時間を何に使うのか?

これを過去問を通じて明確にし、無駄な勉強を徹底的に避けましょう。

過去問に挑む前に考えたいこと

全分野を磨き上げてから過去問を使おうとすると、どうしても過去問に手を出しにくくなります。

確かに、まったく実力がない状態で過去問を解いても、手がまったく出ないという結果になるだけです。

しかし、それに怯えてばかりでは、過去問から学べることが学べず、経験不足な状態で本番を迎えることになってしまいます。

 

実は、全分野とは言わなくても、ある程度勉強が進んだのであれば、過去問を解いても十分に成果を得ることができます

ただし、このとき、

  • その過去問を通じて何を確認したいのか?
  • それに対する過去問の使い方

をしっかり意識して過去問に取り組めることが大前提です。

この『過去問の正しい使い方 - 解き方編 -』を次の記事で紹介しているので、気になる方は是非参考にしてください。

 

過去問の正しい使い方 - 解き方編 -

www.tm-life-agent.com

 

 

まとめ

  • 問題の取り組み方に問題がなかったか?
    ・時間の使い方
    ・ケアレスミスに傾向はないか?
  • 勉強すべき分野・しない分野はどこか?
    ・得点が低い分野を重点的に復習

 

いかがでしたでしょうか?

繰り返しですが、過去問は万能な問題集ではありません。

正しく使わないと、狙った成果を得ることはできません。

今の過去問の復習のやり方に改善できる点はないか、今一度ここで考えてみましょう。

【基礎徹底!】大学受験化学のおすすめ教材(問題集・参考書)と勉強法 - わかりやすい勉強で苦手を克服 -

【基礎徹底!】大学受験化学のおすすめ教材(問題集・参考書)と勉強法 - わかりやすい勉強で苦手を克服 -

大学受験化学は、覚えることが多く、計算も煩雑なため、理科科目の中でもかなり厄介です。

そのため、化学を苦手科目とする受験生は、他の物理・生物に比べて非常に多いです。

 

本記事では、化学を苦手とする大学受験生に向けて、化学をわかりやすく勉強するためにおすすめできる教材(問題集・参考書)を厳選して紹介します。

これは、私が塾講師として指導するにあたり、数多くの問題集・参考書から厳選したもので、どれも偏差値50以上を目指すための本です。

 

本記事の対象者

  • 基礎ができていないと思う人
    ※多くの分野で悩みを抱えている人
  • 基礎を固めるための問題集・参考書を知りたい人
  • 化学の偏差値50以上を目指したい人

 

問題集・参考書だけでなく、おすすめの勉強法も紹介するので是非参考にしてください。

 

 

 

 

おすすめ教材(問題集・参考書)の基準

本記事で紹介する教材は、全て次の特徴があります。

 

参考書

  • わかりやすい丁寧な解説文
  • 図説がわかりやすい
  • 上級者向けの余計な情報が少ない

 

問題集

  • 問題の難易度が明確
  • 解くべき問題が明確
  • 解説が親切

 

本記事では、上記に該当する問題集・参考書をそれぞれ2~3つ紹介します。

本記事の対象者は、化学が苦手な人です。

解説が親切なことは当然としながらも『下手に難しい内容に触れずに学習が進められる』という効率性に重点を置きました

 

わかりやすい参考書と、その勉強法

今回紹介するおすすめの参考書は次の3つです。

  • はじめから丁寧にシリーズ
  • 鎌田の化学講義シリーズ
  • 解法の焦点シリーズ

 

全て良書なので、どれを選んでも損はしません。

ただし、本の作りにそれぞれ特徴があるので、自分の好みに合う参考書を選んでください

参考書の使い勝手や見た目は学習意欲に直結するので大事ですよ。

 

はじめから丁寧にシリーズ

私が受験生だったころから存在する伝統的な超初心者向けの参考書です。

 


鎌田の化学基礎をはじめからていねいに (東進ブックス 名人の授業)

 


岸の化学をはじめからていねいに【理論化学編】 (東進ブックス 大学受験 実力講師)

 

特徴

  • 説明文が話し言葉なので固くない
  • 話し言葉なので文章は長め
  • 図説はしっかりある
  • 応用は一切触れず、教科書の理解が目標
  • 親しみやすさを重視する人向け

 

本書は、教科書の理解に苦しんでいる人のサポート教材として最適でしょう。

説明文が話し言葉なので、非常になじみやすく、参考書によく見られる難しい表現がありません

そのため、化学に苦手意識を持っている人にとっては、ハードルがかなり下がって学習を進めやすくなるでしょう。

当然、図説などもしっかり用意されています。

とにかく、化学に親しみをもって学習したい人に向いた一冊と言えるでしょう。

 

鎌田の化学講義(理論・有機)

化学の分野で有名な予備校講師が作った参考書です。

 


鎌田の理論化学の講義(大学受験Doシリーズ)

 


鎌田の有機化学の講義 三訂版(大学受験Doシリーズ)

 

特徴

  • 文章量は普通
  • とにかく図説が綺麗で丁寧
  • 問題演習もあるが、少し難易度が高め
  • 図が欲しい人・おしゃれな見た目の参考書が好みの人向け

 

本書は、さきほどの『はじめから丁寧にシリーズ』と異なり、説明文の口調は普通です。

※教科書よりは易しめ

 

ただし、本書の最大の特徴は『綺麗で丁寧な図説』と言えるでしょう。

図で理解した方が良いと思われる部分には、遠慮なく図説が使われています。

そして、その図がとても見やすくて、わかりやすいです。

色使いも丁寧なので、見た目が非常におしゃれです。

図で視覚的に理解したい人や、おしゃれな見た目が好きな人に向いている参考書と言えるでしょう。

 

なお、参考書には問題演習もついていますが、これは少し難易度が高めです。

そのため、問題演習をするならば、後で紹介する問題集を使った方が良いでしょう

 

解法の焦点

大学受験で有名なZ会が出版している参考書です。

 


化学 解法の焦点 理論編

 


化学 解法の焦点 無機・有機編

 

特徴

  • 左ページに重要事項が箇条書き風にまとまっている
  • 右ページに理解を促す図の説明がある
  • 見開き1ページで重要事項の確認と再理解ができる
  • 教科書がある程度理解できている人の再確認用に最適

 

非常にコンパクトにまとまった参考書です。

とにかく重要なことだけに特化し、その中でも図で理解することが望ましい内容だけを厳選して図で説明する作りです。

見開き1ページで重要事項とその理解を確認できるので、今、何を意識すべきかが明確で、迷いが生まれにくいです。

ただし、非常にコンパクトな作りなだけに、手取り足取りといった細かい説明はありません。

そのため、教科書をある程度理解できている人が、知識の整理用として利用するのが好ましいでしょう。

 

おすすめの勉強法

  • 全部を読もうとしない
  • 教科書などで疑問を感じたところだけを部分的に読む
  • 理解したら、それに対応する基本問題で演習

 

参考書は理解のために使います。

既に理解していることを読み直しても、新しく得られる知識はなく、時間の無駄です。

そのため、教科書や問題集で疑問を感じたところだけを部分的に読み、必要な知識だけを理解することで、効率的な学習を実現しましょう

 

そして、学習した知識は、それを使うことで徐々に定着していきます。

そのため、学習した知識を使う問題演習は欠かせません

しかし、多くを学んだあとに問題演習をすると、抜ける知識も増えるため、つまずくことが増えて何を復習すべきかわからなくなります。

そこで、学んだ知識をすぐに使うように、小刻みに問題演習をこなしていきましょう。

 

点数を伸ばす化学の問題集と勉強法

今回紹介する問題集は次の2つです。

  • セミナー化学基礎・化学
  • 化学頻出スタンダード問題230

 

セミナー化学基礎・化学


セミナー化学基礎+化学 2021年度用 最新版  

 

特徴

  • 使っている学校が多い
  • 問題の難易度が幅広い
    ※1問1答~上位大学過去問
  • 難易度設定が明確
  • 例題に対応する問題番号が記載
  • 化学の勉強にじっくり時間が掛けられる人向け

 

昔から大学受験化学の問題集として良書との評判の高いセミナー化学基礎・化学。

一般的には、学校用の問題集として利用されているため市販はされていません。

そのため、手に入れるためにはAmazonや本屋などで注文する必要があります。

 

学校で使われることだけあり、超基本から応用まで幅広く問題が用意されています。

そのため、これ1冊をやり切るだけでも、十分に有名上位大学の対策になります。

掲載されている問題は、難易度に応じて『基本例題⇒基本問題⇒発展例題⇒発展問題』と細かく分かれているため、自分の実力に合った問題を選びやすいです。

1つの目安ですが、偏差値50を目指すのであれば、まずは基本問題まで手が出ることを目標に学習すると良いでしょう。

ちなみに、発展問題は難しく、有名上位大学の過去問が多いので、無理に手を出すのはやめましょう。

 

なお、この本の良い特徴として『例題に対応する基本問題・発展問題の問題番号が書かれている』という点が挙げられます

限られた問題数のなか、例題として取り上げられる問題は重要度・優先度が高いです。

つまり、その重要な例題と似た問題がどれか?を知ることができるのです。

そのため、例題で学んだ知識を使う問題がわかることで、知識の反復演習が効率的に実践できます

 

ちなみに、本書の問題数は比較的多めです。

良い意味では、幅広い問題パターンを演習できると言えるでしょう。

当然、その分だけ多くの問題を解くことになります。

逆に言えば、問題演習に時間が掛かるとも言えるでしょう。

そのため、本書は『化学の勉強にじっくり時間を使える人に向いている』と言えるでしょう。

 

おすすめの勉強法

  • 1問1答~基本問題まで解く
    ※発展系はすべて無視
  • 教科書や参考書で勉強したら、すぐに対応する問題を解く

 

まず、偏差値50を目指すのであれば、解くべき問題は基本問題までで十分です。

発展例題・発展問題といった応用問題に手を出すと、無駄につまずき、勉強の効率が一気に落ちてしまいます。

苦手科目で『応用まで』と下手に欲を出すと、どんどん苦手意識が強くなるので注意しましょう。

 

そして、この問題集は学校で使われるだけあり、教科書のテーマと問題のテーマがほぼ一致している強みがあります。

教科書を2~3ページほど勉強すれば、それだけで解ける問題が必ずあります

化学が苦手な人は、多くを学習してから一気に問題を解こうとしてはいけません。

それは、忘れる量が多くなることで、

  • 問題が解けなかったときに何が駄目だったのかを見失い、復習しにくくなる
  • 解けない問題の多さから自信を無くす

ためです。

せっかく教科書に対応した問題が用意されているのであれば、最低限の理解ですぐに問題演習に移るべきです。

そうすることで、使うべき知識がより明確になり、十分に問題に対応することができるでしょう。

とにかく、苦手な人ほどこまめに演習することが大事です。

その点で、この問題集はかなり使いやすいと言えるでしょう。

 


セミナー化学基礎+化学 2021年度用 最新版  

 

化学頻出スタンダード問題230


化学頻出!スタンダード問題230選 (駿台受験シリーズ)

 

特徴

  • 化学全分野で230問と厳選
  • 難易度はすべて基礎~標準まで
  • 化学の勉強にあまり時間が掛けられない人向け

 

これは、学習量の多い化学の全分野を全230問と厳選に厳選を重ねたコンパクト問題集です。

これだけコンパクトに収まっていることから、かなり効率的に問題演習できることがわかります。

当然、出題パターンも重要なものに厳選されているため、標準レベルまでで解くべき問題演習がこの1冊で実現できます。

しかも、難易度は基礎~標準までに抑えられているため、下手に難しい問題で苦しむこともないでしょう。

特に化学の勉強に時間が掛けられない人、試験までの残り時間が少ない人には最適な1冊と言えます。

 

おすすめの勉強法

  • ★★★の問題は解かなくて良い
  • 教科書・参考書と照らし合わせながら解説を読むと効率的

 

問題の難易度は基礎~標準までで安定しているので、特に難しいことを考えずに使って良いでしょう。

なお、★★★の問題は難しめなので、あえて解かなくても十分に基礎力を磨くことができるので、最初は無視して良いです。
※本書の難易度設定:★(基礎)~★★★(応用)

ちなみに、本書の★★★の問題はかなり少ないので、それで解ける問題数が大きく減ることはありません。

 

先ほどのセミナー化学基礎・化学と比べると、圧倒的に問題数が厳選されています。

そのため、1問で出題される学習範囲は少し広めになります。

そのため、解説を読むときは、教科書や参考書を手元に置き、疑問が生まれた部分を確認しながら進めると、効率の良い復習ができるでしょう。

なお、解説は図や考え方がしっかり書かれているので、その点は安心して良いですよ

 


化学頻出!スタンダード問題230選 (駿台受験シリーズ)

 

【補足】大学受験化学の学習法

補足です。

正しい問題集の使い方を知ることは、先ほどまでの『おすすめの勉強法』を効果的にするために重要です。

次の記事で、正しい・効果的な問題集の使い方を紹介しています。

問題演習をしても実力がついている気がしない方は、一度参考にしてみてください。

 

問題集の効果的な使い方

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また、大学受験化学では、学習順序を工夫することで、効率的に点数を上げることができます。

これを次の記事で紹介しているので、受験までの日数が限られている人は是非参考にしてください。

 

点数を上げる化学の学習順序の工夫

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その他補助教材と勉強法

ここでは、メインでは使わないが、知識の確認や計算練習といった用途で活躍するサポート教材を紹介します。

化学(基礎)1問1答


化学基礎一問一答【完全版】 (東進ブックス 大学受験 高速マスター)

 


化学一問一答【完全版】 (東進ブックス 大学受験 高速マスター)

 

覚えることの多い化学の知識問題を、歴史の穴埋め問題のように1問1答で確認できる問題集です。

英単語帳のような小さいサイズなので、持ち運びに便利です。

化学の知識を隙間時間で気軽に確認するのに最適です。

 

改訂版 大学入試 ゼロからはじめる 化学計算問題の解き方

高校の問題集には、小学校のドリルのような問題集が少ないです。

化学を苦手とする人は、基本計算問題ができていないケースが多いです。

この基本計算を定着させるには、ある程度の反復演習が必要で、特に基本問題に特化した問題を繰り返し解くことが有効です。

本書は、その点でかなり使える問題集で、次の記事で具体的な使い方も含めて紹介しています。

化学の基本計算で悩んでいる方は、是非一度確認してみてください

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まとめ

いかがでしたか?

化学の市販の問題集・参考書は多く存在しますが、今回紹介したものは、どれもクセがない正統派の基礎向け教材です。

  • 正しい問題集・参考書の選び方
  • 正しい使い方

これを心掛ければ、必ず勉強した分だけの成果がついてきます。

化学の苦手から抜けるために、多くの教材で悩んでいる方は、今回紹介した教材を是非参考にしてみてください。

【良書】基本計算問題を徹底したおすすめ問題集 - 大学受験 化学・化学基礎対策 -

【良書】基本計算問題を徹底したおすすめ問題集 - 大学受験 化学・化学基礎対策 -

高校の化学基礎・化学は、中学までの理科と比べて学習する内容量が圧倒的に多いです。

そのため、大学受験向けの化学基礎・化学の問題集は、極力少ない問題数に抑えるために、なるべく類題数を減らし、幅広い問題パターンを収録するようにできています。

しかし、化学基礎・化学で学ぶ基本計算は理解が難しく、計算に慣れるまでにそれ相応の練習量が必要となる場合が多いです。

そのため、コンパクトにまとまった問題集では練習量が足りず、

  • 自分のやっている計算の意味がわからない
  • 計算問題の解き方が定着しない

といった悩みを抱える受験生が非常に多いです。

高校化学は、基本計算ができないと解けない問題が多く、基本計算で苦しむことは受験生にとって深刻な悩みでしょう。

私も塾講師として化学を指導してきたなかで、基本計算が原因で化学に苦しむ学生を多く見てきました。

そして、その指導を通じて、基本計算が苦手な受験生には、計算の意味を理解するのは当然としながらも、ある一定の練習量が絶対に必要だという結論に至りました。

そこで活用したのが、本記事で紹介する『基本計算の反復演習を徹底した問題集』です。

高校化学で計算問題の類題が多い問題集は大変貴重なため、本書はかなり活用できました。


本記事の対象者

  • 化学の基本計算でつまずくことが多い人
  • ドリルのように基本計算問題を練習したい人
  • 反復演習で計算パターンを定着させたい人

 

本記事では、この『おすすめの問題集』に加えて、本書の特徴・おすすめの使い方も合わせて紹介します

化学の基本計算で悩んでいる方は、是非参考にしてください。

 

 

 

 

化学基礎・化学のおすすめ計算問題集

改訂版 大学入試 ゼロからはじめる 化学計算問題の解き方

 


改訂版 大学入試 ゼロからはじめる 化学計算問題の解き方

 

これが化学基礎・化学の基本計算問題を徹底した反復演習できる問題集です。

では、この問題集がどのような構成・特徴を持っているのか説明します。

 

本書の構成と特徴 - 良い面・悪い面 -

※太字が重要事項

  • 化学の基本事項のまとめページ
    ※各テーマ毎に細かくまとめを用意
  • 確認問題
    ※1問で基本計算の方針を確認
  • 多くの練習問題でで計算パターンを定着
    ※1パターンにつき3問ほどある
    ※ほぼ1問1答形式
  • 2段階の難易度設定の問題が用意
    ※ほとんどが基本問題


この4つの構成・特徴に基づき、各項目の良い面・悪い面を整理していきます。

なお、ここの良い面・悪い面が後の『おすすめの使い方』にもつながりますので大事にしてください。

悪い面

まず、化学の各計算パターンごとに、その基本的な考え方や重要事項がまとまったページがあります。

しかし、このまとめページを安易に頼ってはいけません

ここに書いてある内容は、ほぼ教科書に書いてある内容を短く切り貼りした程度なので、これだけで正しく理解をするのは正直難しいでしょう。

そのため、基本的な理解は教科書などを利用し、本書は計算問題の練習題材に特化して使うべきです。


なお、余談ですが、暗記項目の多い化学基礎・化学の重要事項が丁寧にまとまった参考書を欲しい方は、次の参考書を利用すると良いでしょう。

 

解法の焦点(Z会)

この参考書は、

  • 重要事項が左ページにコンパクトにまとまっている
    ※英単語帳のように重要部分を赤シートで消せる工夫あり
  • 丁寧で理解しやすい図説が右ページにある
    ※見開き1ページで全体を理解できる

という優れた特徴があり、重要事項の確認と理解の両面に大変適しています

 


化学 解法の焦点 理論編

 


化学 解法の焦点 無機・有機編

良い面

本書は練習用題材としては、かなり優れています

まず確認問題で基本となる計算の方針を確認します。

これは各計算パターンに対して1問用意されています。

しかし、これだけであれば学校で使用している化学の問題集でも十分に足りるので、あえて本書を使わなくても良いでしょう。

 

重要なことは、練習したい類題がたくさん用意されていることです。

本書の練習問題には、同じ計算方法を利用する類題が1パターンにつき3問程度用意されています。

しかも1問1答形式なので、練習したい計算以外に余計な神経を使う必要がまったくありません

そして、下手に難しい問題にも触れることはありません。

そのため、徹底して同じ計算パターンを反復練習できます

なお、本書に掲載されている問題は★★(基本)と★(応用)の2段階に分かれていますが、ほぼ基本問題と考えて良いです。

むしろ、応用問題まで手を出したいならば本書ではなく、他の大学受験用問題集を使えば問題ないでしょう。

 


改訂版 大学入試 ゼロからはじめる 化学計算問題の解き方

 

おすすめの使い方

  1. 手持ちの化学の問題集でつまずいた計算問題に注目
  2. 問題集の解説・教科書などで基本的な考えと計算方法を確認
  3. 本書で、つまずいたテーマの練習問題(基本)だけを解く
  4. 解けるようになったら、普段の問題集に戻る

 

問題集を手に入れると、その問題集をやり切らないといけないと思う受験生は多いです。

当然、やり通すべき問題集もありますが、それはメインで利用する問題集だけです。

 

本書は『苦手な計算問題を徹底練習するための問題集』として利用すべきで、全ての問題に触れる必要はありません

既に解ける計算問題を何回解いても点数は上がりませんし、ただの時間の無駄です。

重要なことは目的です。

本書は、苦手な計算問題を徹底的に練習するための目的で使うため、それ以外の使い方は無駄です。

そのため、自分がつまずいた計算問題だけの練習材料として使うのが最も効率的でしょう

 

 


改訂版 大学入試 ゼロからはじめる 化学計算問題の解き方

 

 

まとめ

  • 1問1答形式で類題を反復演習できる
  • ほぼ基本問題なので、基本計算練習を徹底できる
  • 苦手な計算テーマだけ本書で計算練習する

 

いかがでしたか?

大学受験化学基礎・化学では、基本の計算問題が解けないと手がつけられない問題が多く存在します。

そのため、いかに基本計算を徹底して練習するかが、化学の点数を上げるうえでのポイントになります。

本書は基本問題に特化した計算練習ができる数少ない大学受験向け問題集です。

普段から化学計算で頭を悩まされている人は、本書を是非利用にしてみてください。

 


改訂版 大学入試 ゼロからはじめる 化学計算問題の解き方

 

なお、高校化学の勉強法に関して、次の記事も紹介しています

気になる方は、是非参考にしてみてください。

 

化学の基礎を固めるためのおすすめ問題集・参考書

www.tm-life-agent.com

 

化学の点数を上げる効率的な学習順序

www.tm-life-agent.com

 

化学の試験の効率的な点数の取り方

www.tm-life-agent.com

 

有機化学を得点源にする勉強法

www.tm-life-agent.com

【厳選】解説の詳しい大学受験物理のおすすめ問題集(難易度別)

【厳選】解説の詳しい大学受験物理のおすすめ問題集(難易度別)

当ブログでは、私が塾講師としての経験から、特に理系科目に特化したさまざまな情報を紹介しています。

学習情報 カテゴリーの記事一覧 - 生活の羅針盤

 

本記事では、以前に紹介した『高校物理初心者向けの問題集の使い方』の延長として、さらに物理の得点力を磨くための『中級~上級者向けのおすすめ問題集』を紹介します

 

本記事の対象者

  • 初級レベルを終え、さらに物理の点数を上げるための良い問題集を探している
  • 問題数が厳選された効率の良い問題集を探している
  • 解説の詳しい問題集が欲しい

 

私が塾講師として、生徒に一貫して推薦してきた問題集をここで一気に紹介します。

どれも、小手先だけの技術ではなく、様々な問題設定に対して『どのように考えていくべきか?』という方針を示してくれる良書です。

是非、今後の更なる実力upのための参考にしてください。

 

 

おすすめ問題集の特徴

私が良い問題集だと思う基準は、次の4点です。

  • 問題数が厳選されている
    ※場数で勝負しない問題集
  • 問題の解答の方針がはっきり示されている
  • 解説が詳しい
  • 収録している問題の難易度が明確に示されている

 

世の中には、数多くの問題集があります。

しかし、これに該当する問題集は意外に少ないです。

今回紹介する問題集は『中級~上級者向けの問題集』だけです。

 

もし、物理に苦手意識のある方は、まず次の記事で基礎力を高めるためのノウハウを学んでください

 

物理初心者向けの参考書・問題集と使い方

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問題集の正しい使い方

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また、受験までの時間を考えて、効率的に物理の学習を進める方法を知りたい方は、次の記事を参考にしてください

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まず、ここでは、私が実力を上げるために良いと思える問題集の基準を簡単に説明したいと思います。

 

解説が詳しい

模範解答だけを並べている問題集は意外に多いです。

特に、

  • 問題数だけ多く収録している
  • 問題集を薄く済ませて安くしている

といった問題集に、その傾向がよく見られます。

中身のない薄っぺらな問題集に価値はありません。

これは、物理が手軽に勉強できると思わせる罠だと思って良いでしょう。

 

実は、大学入試の物理は、問題に対する基本的な解答方針が定まっていれば、初見でも解ける問題が多いです。

つまり、実力を上げるために、そこまで極端に多くの問題を解く必要はないということです。

 

そこで重要なのが『問題に対してどのように手を出していくのが一般的か?』という方針を明確に示しているか?です。

これが本当の意味での解説です。

今回紹介する問題集は、その点で抜かりはありません。

問題数が厳選されている

これは、先ほどの『解説が詳しい』という点で説明したのと通じますが、重要な解法や考え方を学ぶのに、極端に多い問題数は不要です。

むしろ、物理法則に従って、どのような関係式を立てれば良いのか?という明確な方針が重要です。

それさえ学んでしまえば、あとは志望校の過去問などで実践演習を積めば十分に得点力を上げることができます。

 

そのため、まるっきり少ない問題数では話になりませんが、それを学ぶのに適正な問題量というものが存在します。

目安としては、物理全分野で150~200題程度でしょう。

今回紹介する問題集は、その点もかなり意識して厳選したものだと思ってください。

収録している問題の難易度が明確に示されている

問題の難易度がわからないと

  • 今理解しなければならない問題なのか?
  • 後で手を付けても良い発展的な問題なのか?

を自分で区別することができません。

これは、下手に難しい問題で時間を使ってしまう無駄を生む原因となり、非効率な勉強につながってしまいます

 

今回紹介する問題集は、その一冊の中の問題難易度がほぼ一定で抑えられています。

そのため、中級者・上級者向けという基準で問題集を選べば、しっかり目指すべき実力に合った問題だけに触れることができます。

大学受験物理のおすすめ問題集

大学受験物理のおすすめ問題集

今回紹介する問題集は中級~上級レベルなので、難易度別で問題集を紹介します。

特徴的な部分も紹介しますので、自分の志望校の出題傾向と合わせて吟味されると、より効果の高い学習が実現できるでしょう。

中級レベルの問題集

教科書例題レベルから、さらに実力を上げようとする人に向いている問題集です。

良問の風

特徴

  • 問題にクセがない(悪問がない)
  • 大問につき小問3~4程度で、中堅私立大学に近い問題構成
  • (1)~(2)は基本レベルで、小問の後半から難易度が上がる親切設計
  • 基本となる解答方針をコンパクトにまとめている

 


良問の風物理頻出・標準入試問題集 (河合塾シリーズ)

 

問題集の中でも正統派の1つと言える問題集でしょう。

1つの問題に対しての小問が3~4問で、段階的に問題を攻略する姿勢は、中堅私立大学の入試形式に近いと言えるでしょう。

特に、小問の最初は基本レベルから始まるので、どの問題も最初からつまづくということが少ないでしょう。

 

そして、問題に対する解答の方針も明確に定めています

中堅私立大学以外の志望者でも、問題に対する解答のアプローチをチェックするには向いています。

 

さらに、良い意味で解説がくどくないです。

問題・解説含めて、かなりシンプルにまとめられているため、ごちゃごちゃした見た目が嫌いな人には、かなり向いていると思います。

個人的な意見ですが、私はイラストが多い問題集よりもコンパクトな問題集が好きなので、この問題集はかなり気に入っています。

 

 
良問の風物理頻出・標準入試問題集 (河合塾シリーズ)

漆原の物理 -明快解法講座-

特徴

  • 1つの大問に対して小問は少し多めで、中堅国公立に近い問題構成
  • 特に重要な解答の方針は、図説をたっぷり使って教えてくれる
  • 総問題数は、物理の問題集の中でもかなり少な目
  • 良問の風よりは、少し難易度が高い

 


大学受験Doシリーズ 漆原の物理(物理基礎・物理) 明快解法講座 四訂版

 

先ほどの良問の風よりも、問題数を厳選した問題集で、イラスト豊富な図説は見事です

まず最初に、問題を解く上で必要な知識と方針がしっかりまとめられており、それにページを十分に割いている点に好感が持てます

かわいいイラストも利用して、問題に対する考え方をわかりやすく伝えようとする意識が強く感じられます。

この問題集レベルで、解法の方針に十分にページを割いている問題集は少ないのではないでしょうか?

その分だけ、レアな良問題集です。

 

なお、大問の後半に進むと難易度は少し高めになりますが、それでも解説の手抜かりはありません。

全体的な難易度は良問の風よりも高くなるため、1問1問で頭を働かせて実力を付けたい方に向いているでしょう。

そして、国公立によく見られる、大問1つあたりに小問が多い問題形式は、その手の出題形式の大学を志望される方に向いているでしょう。

 


大学受験Doシリーズ 漆原の物理(物理基礎・物理) 明快解法講座 四訂版

上級レベルまでの問題集

ここで紹介する問題集は、上位国公立・私立向けの問題集です。

問題の難易度は格段に上がります。

志望校の入試物理の問題に、ある程度手が出る人には不要でしょう。

しかし、難解な問題設定に立ち向かう必要がある方は、過去問併用と合わせて1冊持っておくと、苦手単元攻略に役立つと思います。

 

名問の森

特徴

  • 中級者向けの『良問の風』の上位版
  • 問題はシンプルな設定
  • しかし難易度はハード
  • 良問の風を使った人が後で使うのが良い

 


名問の森物理 力学・熱・波動1 (河合塾シリーズ)

 

中級レベルで紹介した『良問の風』の上位版です。

そのため、当然、問題の難易度は上がり、大問1問あたりの小問数も増えます。

難易度の高い問題の割に問題文が短めなので、シンプルな問題設定で思考を働かせる問題設定が多いです。

 

大学によって、問題文が長いか短いか?は、結構違いがあります。

比較的に短めの問題設定で、多めの問題を出す大学に向いているでしょう。

なお、良問の風の上位版なので、良問の風を終えた人が、次に手を出すならば、大きな違和感なく問題集を進められるでしょう。

 

私としては、変な問題集に手を出さなければ、良い問題集の中でどれを使うかは、人の好みだと思っています。

そのうえで、慣れたシリーズの中で中級~上位を目指すというのは、一番違和感なくステップアップできるポイントだと思っています。

そのような意味も込めて、ごちゃごちゃしない設定で、思考力を磨きたい方は、良問の風から名問の森に進むのが最適だと思います。

 


名問の森物理 力学・熱・波動1 (河合塾シリーズ)

難問題の系統とその解き方

特徴

  • 20年前からの名著
  • 物理問題集の最高峰
  • 問題設定が難解で、極めて思考力を要求される
  • 問題文が長めで、上位国公立向け

 

使い方の注意点

  • 例題だけ手を出して、その他の演習は不要

 


難問題の系統とその解き方物理I・II―新課程

 

私が現役受験生のときに使っていたこともあり、かなりの歴史がある名著です。

正直、問題の難易度は高く、旧帝国大学を含めた上位大学向けの問題集です。

問題文は長く、小問数も多いです。

凝りに凝った問題の中で、様々な問題を解いていく形式です。

大問に対する小問の数が多い大学の対策に向いているでしょう。

 

問題数は非常に多いのですが、例題と演習問題に分かれており、例題だけであれば、問題数は多くありません。

そして、例題だけでも1問あたりが重いため、それだけで十分に実力を磨くことができます。

逆に、現役生ならば、例題だけに留めて、その他の問題に手を出すべきではありません。

そのため、例題だけを解くだけで最高峰の問題の演習が可能です。

 

ちなみに、解説は極めてシンプルです。

本番の解答で記述すべき解答事例が、そのまま解説に書かれているような感じです。

それを親切と呼ぶのかは別ですが、先ほどまで紹介した中級レベルの問題集を超えた後であれば、解説を読み解くことはできるでしょう。

なお、テクニックとなる考え方は、注釈で追加の解説が加えられているので、完全放置というわけでないので安心してください

とにかく、これが大学受験の最高峰の問題集と言えるでしょう。

 


難問題の系統とその解き方物理I・II―新課程

 

まとめ

如何でしたでしょうか?

世の中の問題集にさまざまな特徴がありますが、物理の問題を解くうえで重要なことはテクニックではなく、問題に対する向き合い方(解答の方針)だと思っています。

それを、問題数が厳選された中で伝えきれている問題集は数少なく、今回紹介した問題集は、どれも損のない一品だと思っています。

この中から、ご自身の実力と志望校に合った問題集を選び、悲願の合格に近づくことを願っています。

 

なお、受験勉強ネタとして、次の記事も紹介しているので、こちらも是非参考にしてください。

 

物理初心者向けの参考書・問題集と使い方

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問題集の正しい使い方

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効率的に物理の受験勉強プラン

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【受験対策】有機化学を得点源にするおすすめ勉強法(優先順位・参考書・問題集)

【受験対策】有機化学を得点源にするおすすめ勉強法(優先順位・参考書・問題集)

 

有機化学は、大学入試で最も安定して点数が取れる『得点源にしやすい学習分野』です。

しかし、勉強する物質や暗記量の多さが原因で苦手とする人は多く、間違った勉強法で点数が伸び悩み、嫌いとなってしまう人が多いです。

化学の学習分野の中でも、最後に勉強することが多いため、受験までの残り期間からの焦りも、その原因になっているのかもしれません。

 

確かに有機化学は、他の理論・無機分野と比べてクセが強く、その正しい勉強法がわかりにくいです。

だからこそ『有機化学に合った正しい勉強法を知ること』が重要で、それだけで化学の点数が安定して伸びていきます

そして、安易に単純暗記型の勉強をしている人と、大きく実力を離すことができるでしょう。

 

本記事の対象者

  • 有機化学が嫌いな人
  • 有機化学の点数が伸びない人
  • 有機化学の点数が安定しない人
  • 覚えることが多くて混乱している人
  • 効率よく有機化学の点数を上げたい人

 

本記事では、私が塾講師として化学を指導してきた経験に基づき『有機化学を得点源にするおすすめの勉強法』を紹介します。

本記事を参考にすれば、有機化学への苦手意識が少なくなり、無駄なく効率的に勉強を進めることができるでしょう。

合わせて、有機化学初心者に合った『おすすめの参考書・問題集』も厳選して紹介しますので、こちらも是非参考にしてください。

 

 

 

有機化学の特徴

おすすめの勉強法の説明の前に、少しお時間をください。

本記事で紹介する『有機化学を得点源にするおすすめ勉強法』に納得していただくには、有機化学という分野にどのような特徴があるのか?を知っていただく必要があります。

専門用語的な表現は教科書に出る単語レベルで抑えて簡潔に説明しますので、どういう特徴があるのかを、まずここで知ってください。

そうすれば、後で説明する『おすすめの勉強法』の意味が良くわかりますよ。

有機化学を2つの分野に分けて考える

脂肪族~芳香族化合物

  • 有機化学の前半分野
  • 有機化学の全般の基礎を学ぶ
  • 各単元ごとのつながりが強く、反復性の高い学習分野
  • 入試で出題される頻度が高い

 

高分子化合物

  • 有機化学の後半分野
  • 大部分が前半パートの知識で理解できる
  • 単純暗記項目が前半パートより多い
  • 入試で出題される頻度は低い
    ※薬学部などの一部学部などは除く

 

有機化学の学習分野は大きく分けて、

  • 脂肪族・芳香族化合物
  • 高分子化合物

の2つに分類することができます。

 

その中でも特に重要なのが、前半パートの『脂肪族・芳香族化合物』の学習です。

その理由は、入試での出題頻度が高く、有機化学分野全体の理解につながる基礎知識を学ぶためです。

まず入試で頻出というだけでも、この前半パートをしっかり取り組まないのは損ですよね。

 

そして、前半パートをしっかり理解しないで後半パートに進むと、本来は前半パートの知識で理解できたものを、無理に単純暗記することになります。

関連性を意識した学習を心掛ければ、前に学習した知識を繰り返し使うことになるので、知識を圧倒的に忘れにくくなります。

逆に、単純暗記した知識は簡単に忘れてしまいます。

そのため、有機化学の前半パートをしっかり理解しながら学習することで、無駄な単純暗記を避け、記憶に残りやすい学習を実現できます。

 

一見すると、学習の心構えとして当たり前のことを言っているように聞こえるかもしれません。

しかし、教科書や参考書に登場する数多くの物質をいざ目の前にすると、理解を放棄して単純暗記に逃げやすくなります。

単純暗記でも、有機化学の本当の最初は何とかなるかもしれませんが、学習が進むにつれて暗記量が膨大に膨れ上がり、徐々に忘れることも増え、有機化学に挫折するでしょう。

そして、有機化学全般に通用する基礎を学ぶ前半パートの学習機会を失うという、非常に残念な事態を招くことになります。

 

『有機化学の学習の成功の鍵は一番最初にある』がキーワードです

 

まずは、この重要事実をしっかり頭に入れておきましょう。

構造式という有機化学の表現法

  • 物質の原子の並びを表現する表記法
  • 入試の回答は、この表現方法で書くことが多い

 

有機化学では構造式という表現方法を使うことがほとんどです。

簡単な事例を紹介しますが、今は理解できなくても、そんなものがあるんだ程度で思ってください。

 

構造式の事例

C5H12という化学式で表現できる物質には次の3つがあります。

 

有機物質の構造異性体

 

この3つの物質は同じ化学式で表せますが、炭素の配列などが互いに異なるため、完全に違う物質です。

これらの物質の関係を構造異性体と呼びます。

要は、構造が異なるため、性質が異なる物質ということです。

 

このように、有機化学では化学式だけで正確に物質を区別することができないため、炭素原子などの配列を図示する構造式で物質を表現することが大半です。

当然、入試の解答でも『構造式で示せ』と問われることがほとんどです。

 

そのため、ただ教科書や参考書を眺めるだけではなく『実際に構造式を書くことで、構造式に慣れていくことが普段の学習で重要』となります。

命名・反応にルールがある

  • 一見複雑な物質名にも名前のルールがある
  • 物質の反応にもルールがある

 

先ほどの構造式の事例を例に説明します。

 

C5H12と表される物質には、

  • ペンタン
  • 2-メチルブタン
  • 2, 2-ジメチルプロパン

という3種類の物質があります。

これを見るだけでも、物質の名前を丸暗記するのが嫌になると思います。

しかし、これらの物質名自体が問題として出題されることは多いので、正しい物質名を書けることは必須です。

そして何より、これらの名前は構造式が書けて、物質の名前のルール(命名法)を理解していれば、実は難なく名付けることができます

 

これは、近所に住む佐藤さん家の子どもの名前が健であれば、本名は佐藤健とわかるのと同じです。

名字が引き継がれることがわからなければ、家族全員の名字と名前を完全に覚えなければならず大変ですよね?

少し雑な例えですが、このような感覚です。

 

このように、有機化学では物質の名前のつけ方にルールがあり、命名法として国際的に明確に定められています。

当然、この命名法は教科書に記載されていますが、あまり重要事項として扱われず、補足的に小さい字で説明されていることが大半です。

このような扱いのため、物質の名前のつけ方にルールがあることを知らずに勉強を進めてしまい、途中で挫折する人が多いです。


そして、この規則性は物質の反応でも同様です。

  • 物質が反応したら、どのような物質になるのか?
  • 逆に反応後の物質の形から、反応前の物質は何だったのか?

 

これらの推定は非常に重要で、有機化学で頻出の『構造決定問題』を解くための必須の能力です。

これも教科書で色付きでさりげなく強調はしているものの、あまりその規則性を強く主張することはありません。

そのため、その色付き部分が反応のルールを示す重要な情報だと理解しないまま学習を進める人が多いです。

 

先ほどの命名法と同じで、この反応のルールをしっかり知っていることは、有機化学の学習の成否を分ける重要なことです。

有機化学では、複数の分野で似た反応が繰り返し登場するので、ルールさえ知っていれば『あれと同じ反応ね』と簡単に理解できます

つまり、反応のルールを理解することは『問題の得点力だけでなく、多くの単元での暗記量を大きく減らすことができる』というメリットしかありません。

 

如何でしょうか?

ここまでの内容を見て、普段の学習姿勢で気になることはありませんか?

もし心当たりがあるならば、本記事で学習姿勢を正す絶好の機会ですよ。

入試の出題傾向

  • 物質の性質に関する内容が多い
  • 計算問題はそこまで多くない
  • ただし構造決定問題は頻出なので必ず押さえる

 

有機化学は知っておくべき知識が多いため、知識問題が出題されることが多く、計算問題はそこまで多くありません。

そして計算問題自体も、他の理論分野に比べて出題パターンが少ないため、かなり対策しやすいです。

そのため、有機化学を学びたての人は『知識面に特化した学習』を心掛けることが一番効率的と言えるでしょう。

 

なお、繰り返しになりますが、単純暗記は駄目ですよ?

理解すべき知識はしっかり理解する、ということが前提です。

ちなみに、計算問題でも知識がないと解けない問題がほとんどです。

そのため、知識が整ったタイミングで計算問題対策に移るのが一番効率的でしょう。

 

また、有機化学には構造決定問題という有名問題が存在します。

これは、実験結果から化学式を決めて、どんな構造の物質か?を求める計算&パズル的な問題です。

この構造決定問題は入試で頻出で、多くの大学で出題します。

しかし、そこで求められる学習範囲は、前半パートの『脂肪族・芳香族化合物』の知識と、この構造決定問題特有の挑み方(戦略)だけです。

当然、この問題の対策を行う必要はありますが、構造式の書き方と反応のルールを知って初めて解ける問題なので、まずは知識優先で攻めるべきです。

なお、私の指導経験上、構造決定問題は大きく4つのパターンで対策を取れば十分な実力が身に付きます。

それを考えると、しっかり知識を押さえてから構造決定問題の対策に移っても、決して遅くないと言えるでしょう。

有機化学を得点源とするおすすめ勉強法

有機化学を得点源とするおすすめ勉強法

ここまで説明した有機化学分野の特徴だけでも、普段の学習で何を大事にすれば良いのかがわかると思います。

ここでは、有機化学を得点源にするための効率的なおすすめ勉強法を、より具体的に説明していきます。

性質を優先・計算は後回し

  • 計算問題は全て飛ばして、性質だけ全範囲理解する
  • 知識の理解後に計算問題に手を出す
  • 知識重視は前半パートの『脂肪族~芳香族化合物』まででOK
    ※ここまで来れば、後は単純暗記だけで対処

 

有機化学の計算問題の種類はそこまで多くありません。

そして、計算問題を攻略するには性質に関する知識が必要です。

つまり、知識が無ければ計算問題に十分に対応できない、ということです。

そのため、まずは、有機物質の名前や反応のルールの大部分を知ることができる前半パート『脂肪族~芳香族化合物』だけ、計算問題を後回しにし、知識優先で勉強しましょう

学習の途中で中途半端に手間の掛かる計算問題に時間を使うより、密度の高い勉強ができるでしょう。

そしてその後に、計算問題や後半パート『高分子化合物』を本格的に勉強しても、まったく遅くありません。

まずは、有機化学全体に通用する基本知識を、前半パート『脂肪族~芳香族化合物』でしっかり習得することを大事にしましょう。

炭化水素~アルコールで命名法を理解

  • 物質の名前のルールは、アルコールまでで大部分を学ぶ
  • このルールだけで面倒な物質名を自分でほぼ書けるようになる

 

有機化学の特徴でも紹介した厄介な有機物質の名前ですが、ルールを知っていれば自分で名前を作ることができます。

正確には『物質の構造式が書ければ、それを見ながら正確に名前を付けることができる』です。

 

この後に説明しますが、有機化学の前半中の前半で物質の構造式の書き方の大部分を習得することができます。

そして、その構造式に合った物質の名前の付け方『命名法』をそこで知ることができます。

この命名法は、学習単元『アルコール』という前半中の前半までで決着がつきます

 

一見面倒で難しそうな物質の名前を丸暗記しなくて済む。

これだけで救われる受験生は多いでしょう。

それが、有機化学の前半中の前半で登場するので、気合の暗記で乗り切ろうとすると、大事な場面が一気に過ぎ去ってしまいます。

絶対に、この機会を逃してはいけません。

 

もし命名法がわからない、という方は、炭化水素(アルカン・アルケン・アルキン)とアルコールの分野を学習し直しましょう

これだけで暗記の負担がかなり減るはずです。

脂肪族化合物分野で反応のルールを知る

  • 脂肪族化合物分野で、有機化学全体の90%の反応ルールがわかる
  • 脂肪族化合物分野は、有機化学の前半
  • 反応ルールは、構造式と合わせて理解できる
  • 反応ルールがわかれば、後続分野の反応がすぐ理解できる

 

有機物質の名前の付け方が勉強の前半に登場するのと同じく、有機物質の反応の仕方(ルール)も前半に登場します

具体的には、炭化水素~カルボン酸の範囲で、有機化学全般に通じる反応ルールを知ることができます。

そのため、この範囲で反応ルールを理解すれば、後の単元で登場する反応は当たり前のように思えるでしょう。

 

これは大分楽ですよね?

 

そして、有機物質の原子の配列を示す構造式という話を前にしました。

この反応のルールは、構造式を書くことで、かなりわかりやすくなります

そのため、有機化学の反応は、構造式を書きながら理解することが重要です。

そして、その学習姿勢そのものが、有機化学分野で頻出の『構造決定問題』への対処能力を磨くことにつながるので、やらない理由はないですよね?

構造式は必ず自分で書く

  • 構造式を書くことで構造異性体を自分で作れる
  • 構造式は反応のルールを学ぶためのツールでもある
  • 入試の解答の大部分は構造式で答える

 

これは既に説明してきた内容とかなり被るので、簡単な説明に留めます。

まず、同じ化学式でも構造が異なる物質が複数あるという話をしました。

これらを区別することが有機化学では重要なため、普段から構造式を自分で書くことが重要です。

 

そして、物質の反応ルールは、物質の構造で決まるため、

  • どのような反応をするのか?
  • 反応したら、どのような物質になるのか?を推定する
  • 逆に、反応後の物質から反応前の形を推定する

という、入試で得点を取るために必須の能力は、構造式がしっかり書けるか?で決まります。

 

さらに、問題の解答は、構造式で答えるのが大半です。

普段の学習から構造式に書き慣れていないと、

  • 物質名や反応ルールの知識が安定しない
  • 実際の入試の解答形式に対応できない

というデメリットしかないため、構造式は必ず自分で書くように心掛けましょう。

 

 

以上が、有機化学を得点源とするおすすめの勉強法ですが、化学全般の効率的な受験対策について、次の記事で紹介しています

興味のある方は、こちらの記事も参考にしてください。

 

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初心者向けのおすすめ参考書・問題集

ここでは、今までで説明した有機化学の勉強方法を効果的にサポートしてくれる参考書・問題集を紹介します。

基本的に全て初心者レベルの教材に押さえましたが、使い方に多少の工夫が必要なので、その点も意識してください。

 

おすすめ参考書

はじめから丁寧に

特徴

  • 超初心者向け
  • 文量は多いが、それだけ丁寧な説明
    ※難しい表現は極力減らしている
  • 命名法・ルールなどの基本がしっかり学べる
  • 問題演習はないと思って良い

 

使い方

  • 解説理解に専念
  • 理解した後で手持ちの問題集で演習

 


岡野の化学をはじめからていねいに―大学受験化学 (無機・有機化学編) (東進ブックス―気鋭の講師)

 

どの科目共通の入門参考書である『はじめから丁寧にシリーズ』です。

入門参考書としては有名で、入試での得点力というよりは、学習分野の正しい理解に全力を注いでる参考書と言えるでしょう。

 

難しい言葉は使わず、優しい言葉で説明しているため、苦手意識の強い人には向いているでしょう。

手書き風の優しい文体も、初心者に向いていると言えるでしょう。

ただし、初心者に丁寧に説明しているため、少し文量は多いです。

しかし、堅苦しい表現はしていないため、そこまでストレスを感じずに学習を進められるのではないでしょうか。

 

なお、完全に初心者向けの参考書のため、この本で問題演習はできないと思ってください。

そのため、学習した内容に該当する問題を手持ちの問題集で実践し、知識の定着を図っていきましょう。

もし、手元に良い問題集が見当たらない場合は、後で紹介する問題集を参考にしてください。

 


岡野の化学をはじめからていねいに―大学受験化学 (無機・有機化学編) (東進ブックス―気鋭の講師)

 

鎌田の有機化学

特徴

  • 文章量は普通
  • 綺麗な図と色使いで視覚的に理解しやすい
  • 命名法・ルールなどの基本がしっかり学べる
  • 発展的な内容も扱うので、初心者は学ぶ項目を選びながら学習を進める必要がある
  • 問題演習はあるが、初心者は別問題集でやった方が良い

 

使い方

  • 解説理解に専念
  • 志望大学で発展的な知識が求められるのであれば、手元に置いておけば1冊で済む
  • 有機化学の学習で困ったときに、その都度見ると良い

 


大学受験Doシリーズ 鎌田の有機化学の講義 四訂版

 

基本的には『はじめから丁寧に』と同じですが、

  • 色使いと図が綺麗でわかりやすい
  • 発展的な内容も扱っている

という点が大きく異なります。

 

特に、色使いと図の綺麗さが特徴的だと思っています。

ビジュアル面が学習意欲につながる人の場合は、はじめから丁寧によりも、こちらの方が学習意欲がわくと思います。

結構、使う本の見た目で学習意欲が変わるので、使う教材の見た目は意識して良いと思います。

 

また、志望大学が、有機化学で発展的な内容まで求めるのであれば、この1冊で全て済ませることができるでしょう。

学習が発展的な内容に進み、そこで困ったときに辞書のような使い方ができるでしょう。

そして、問題演習コーナーも用意されているので、そこで演習をしても問題ありません。

ただし、初心者には、この後説明する問題集で実践を積んでから、本問題集の問題を解くほうが効率的でしょう。

 


大学受験Doシリーズ 鎌田の有機化学の講義 四訂版

おすすめ問題集

今回おすすめする問題集の2つは、どれも秀逸だと思っています。
初心者であれば、この2つだけを選択肢に選んで損はなく、これが一番効率的だと思っています。
大きな違いは、問題の収録数と難易度なので、今の自分に一番適していると直感的に思うものを選べばよいと思います。

 

セミナー化学

特徴

  • 超基礎~超発展まで網羅
  • 収録問題数は多いが、難易度ははっきり明示されている
  • 問題量の多さから、反復性が高い
  • 学校採用率が高い

 

使い方

  • 初心者は基本例題・基本問題だけ集中
  • 計算問題は後回しで、性質面の問題だけに特化

 


セミナー化学基礎+化学 2021年度用 最新版  

 

昔から有名なセミナー問題集。

学校準拠の問題集として採用されていることが多く、昔から名著と呼ばれています

 

収録問題数はかなり多く、超基礎の問題から超発展までの問題も収録されており、この1冊だけで受験に十分対応できます。

しかし、その問題数の多さから、まともに全問題に手を出そうとすると挫折します。

初心者であれば、基本例題・基本問題だけに絞って学習を進めれば、重要事項を網羅した十分な学習が実現できます。

そして問題量が多いため、複数の問題にわたって知識を繰り返し使う機会が多く、学習の反復性に優れています。

 


セミナー化学基礎+化学 2021年度用 最新版  

化学頻出・スタンダード問題230選

特徴

  • 基礎~標準まで網羅
  • 偏差値55までは本問題集で網羅できる
  • 難易度が★1~★3までで区別されている
  • 収録問題数が厳選されており、勉強が進んでいることを実感しやすい

 

使い方

  • 初心者は★1~2だけに留める
  • 計算問題は後回しで、性質面の問題だけに特化

 


化学頻出!スタンダード問題230選 (駿台受験シリーズ)

 

化学全分野に対して、入試頻出の問題を230題に厳選した名著です。

そして、収録問題も基礎~標準に限定されており、下手に難しい問題に出会うことはありません。

問題の難易度は★1~★3までランク分けされておりますが、初心者は★2までの問題を攻略するだけで、十分な基礎力を身に付けることができます

 

先ほどの網羅性・問題数に富んだセミナー化学と比べると、学習の進み具合の速さはより実感しやすいでしょう。

なお最高ランク★3の問題はかなり少ないので、化学全体で230問と言っても、★2まででも十分な問題演習は確保できます。

 

ちなみに、本問題集を実践すれば、偏差値55程度までの成長は十分に見込めます

限られた問題数で、サクサク学習が進むことを実感しながら成長し、これをやり切ってから次の問題集へ、という考えで取り組むと良いでしょう。

 


化学頻出!スタンダード問題230選 (駿台受験シリーズ)

 

まとめ

  • 暗記に逃げたら負け
  • 性質の理解優先で、計算は後回し
  • 物質の名前・反応に関するルールは絶対に押さえる
  • 構造式は普段の学習から書いていく

 

有機化学は、単純暗記に逃げず、押さえるべき名前・反応のルールを押さえながら学習すれば、如何に学習が楽かが実感できます。

しかし、その現実の一方で、単純暗記に逃げる人が多いのも事実です。

これは、周りの受験生と差をつける機会でもあり、有機化学という安定した得点源で有利に受験を進めるポイントでもあります。

本記事を読んだ方が、正しい勉強法で有機化学を得点源だと自信が持てるようになることを願っています。

 

なお、高校化学について次の記事も紹介しています

こちらも是非参考にしてください

 

高校化学の効率的な学習順序

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化学の試験で効率的に得点を得る方法

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【効果的!】点数が上がる大学入試の過去問の上手な使い方・勉強法

点数が上がる大学入試の過去問の上手な使い方・勉強法

志望校の大学入試を攻略するうえで欠かせない過去問。

過去問は、志望校の大学入試で実際に出題された問題がまとまっているので、問題の難易度・出題傾向・試験時間の忙しさなど、本番の得点力に直結する重要な要素を学ぶことができます。

 

しかし、実際に出題された入試問題ということに妄信し、

  • 過去問を解きまくる
  • 過去問で間違えた問題を復習・解き方を覚える

といった手法で、点数が伸びると勘違いしている方が多くいます

 

そこで、少し考えてみてください。

もしこれだけで点数が上がるのであれば、誰も大学入試で困りませんよね?

しかし、実際は違います。

多くの方が、志望校に合格するために試行錯誤しています。

つまり、何も考えずに過去問ばかりやっていても、試験に合格できないということです。

そして、実際の大学入試で合否を決めるのは、得点力という名の実力です。

 

本記事の対象者

  • 大学入試の過去問の使い方がわからない方
  • 過去問を解き続けても、点数が上がらない方

 

本記事では、私が講師として大学受験を指導してきた中で、最終的に辿り着いた過去問の効果的な使い方を紹介します。

過去問を正しく使えれば、本番の得点力に直結する効果的な学習を実践できます。

本記事を参考にして、徐々に点数が伸びるような、効果的かつ戦略的な過去問演習を実践してください。

 

 

効果的な大学入試の過去問の使い方

解く前に意識すべきこと

  • 満点を狙わない
  • 合格最低点を目指す時間の使い方を考える
    ・1:得点できる問題を確実に取ることを第一優先
    ・2:解けない問題は飛ばして、無駄に時間を使わない

 

解くときに意識すべきこと

  • 試験時間が足りず、十分に手が出せなかった問題は、時間を延長して解く

 

採点後に意識すべきこと

  • 間違えた問題は見直す
    ※未習分野はスルー
    ※解説を見ても明らかにわからない問題もスルー
  • 得点できたであろう問題に注目
    ※純粋に考え方を間違えていたが、正解できそうだった問題
    ※試験時間が足りていれば手が出ていたであろう問題
  • わからないで、無駄に時間を使ってしまった問題はなかった?を確認
  • 得点源になりそうな分野を確認
    ※今後の学習時間を多くする
  • 最低限の得点に抑える分野を確認
    ※今後の学習時間を少なくする

 

これらを意識することで、1回の過去問演習から得られる収穫は格段に増えるでしょう。

では、その理由をこれから解説していきます。

 

過去問を解く前に意識すべきこと

  • 満点を狙わない
  • 合格最低点を目指す時間の使い方を考える
    ・1:得点できる問題を確実に取ることを第一優先
    ・2:解けない問題は飛ばして、無駄に時間を使わない

 

入試本番で最も意識しなければならないことですが、これを意識しない人が非常に多いです。

恐らく『試験 = 満点を目指す』という定期テストに対する考え方の延長で、大学入試を考えてしまっているのでしょう。

 

大学入試で満点を取る必要は一切ありません

合格に必要な点数は『合格最低点』で、それを超えてさえすれば何点でも合格です。

合格最低点を非公表にしている大学もありますが、概ね『6~8割の点数』で合格できます。

 

そのため、良い点数を取るのではなく、合格最低点を超える解き方を意識すべきです。

そうすると自然と、次のような試験時間の使い方を考えたくなりませんか?

  • 自分の得意分野で点数を稼ぐ
  • 高難易度・苦手分野の問題は後回し
    ※最悪、まったく手が出せなくてもOK 

 

入試には試験時間があり、好きなだけ考えてよいわけではありません。

そのため『限られた試験時間を、得点できる問題にどれだけ使えたか?』が得点に直結します。

 

試験開始と同時に前から順に解き始め、わからない問題に出会って無駄に悩み時間を浪費する。

その結果、試験後半の得点できた問題に手が出せず後悔する。

このような話はよくあることで、1回は経験したことがあるのではないでしょうか?

 

入試は前から解きなさいと誰も指示していません。

合格最低点を取るために、

  • 取るべき問題に、しっかり時間を使えたか?
  • 取れない問題に無駄な時間を掛けなかったか?

といった戦略意識を最初に持つだけで点数は変わってくるでしょう

 

なお、この目標点数の考え方を非常にわかりやすく説明しているのが次の本です。

単純な努力だけではなく、努力を最大限活かす戦略的な入試攻略を提唱することで有名な『和田秀樹』さんの本です。

私は受験勉強の目標を明確にするために、1週間勉強を止めて、この本に没頭しました。

目標とする大学は東大になっていますが、

  • 科目別の得点配分
  • 得意・不得意の科目を分けた学習の戦略

など、一見に値します。

戦略なき勉強は非効率です。

より効率的な受験勉強を望む方は、是非この本を一読してみてください。 

 


2018年度版 新・受験技法: 東大合格の極意
 

解くときに意識すべきこと

学習済み分野

  • 試験時間が足りず、十分に手が出せなかった問題は、時間を延長して解く
  • 延長時間は試験時間の半分程度が目安

 

入試本番では、試験時間が終わった時点で終了です。

しかし、過去問演習では時間延長を必ず考えましょう。

それは、得点できたはずなのに時間が足りなかったという『戦略面での失点』を確認するためです。

そして『実際に解く』という行動から、あと少しで解けそうだという、学力面での惜しい失点を確認するためです。

 

  • 解けたはずの問題 = 得点に直結する問題
    その問題に手が出せなかったのは時間の使い方の問題
    ・その問題を解く前に、無駄に時間を使った問題はないか?
  • もう少しで解けそうだった問題
    ・もう少し実力を上げれば得点できただろう問題
  • どうすれば、もう少し点数が伸びたか?

 

これらを振り返ることで、限られた試験時間・普段の受験勉強の有効活用法を考えることができるでしょう。

 

得点できる問題に、十分に手が出なくて失点することは悔しいですよね?

解けない問題に使った無駄な時間を、解けそうな問題に使えば良いのです。

この戦略的な見直しだけで点数が伸びます。

具体的な戦略として、次のようなことを考えましょう。

  • 大問1つあたりに何分使うのか
  • 何分悩んだら飛ばして次の問題に移るのか

ここまで具体的に戦略を立てながら過去問を解くと、徐々に自分の実力を無駄なく発揮した入試の解き方に近づけていけるでしょう。

 

そして、自分が勉強してきた分野で、あと少しで得点に辿り着きそうだった問題も見逃せません。

大学入試の問題の難易度は、志望校で決まります。

もう少しの努力で手が届きそうな分野は、あと少しの努力で得点につながる分野です。

普段の学習時間をその分野に多めに割り当てることで、得点力が上がるでしょう。 

未習分野

  • 未習分野の問題は解かない
    ※そもそも解けないから
  • 高配点ならば優先的に勉強する目標とする
    ※勉強することで大きく得点upする

 

過去問を解く時期によっては、まだ学習していないから解けない問題があると思います。

その場合、学習していない分野に試験時間を割く理由がないので、解かないという選択をしましょう。

解くために必要な知識・経験がないので、解けないのが当たり前です。

解けない前提の問題に試験時間を使うのであれば、学習済みの分野の問題に使いましょう。

そのほうが、勉強した分野の問題にどれだけ手が出せたか?で、目標に対する今の自分の実力を知ることができます

 

全然解けないのであれば、勉強時間を増やさなければ目標に到達できません。

最悪、志望校変更も真剣に考えなければなりません。

 

また、未習分野の配点が高い場合は、今後の受験勉強で優先的に時間を掛けなければならない分野として目標設定しましょう。

まだ未開拓の美味しい分野があるのであれば、その分野に勉強時間を掛けるほど得点力に直結します。

配点の低い分野に時間をかけるのは無駄です。

 

  • 既に学習済みの分野を強化すべきなのか?
  • 既習分野よりも、未習分野に時間を掛けるべきなのか?

 

今の自分の実力と、未習分野を勉強することで得られる得点の可能性

これらを天秤にかけて、どうするのが最も得点につながるのか?を考え、戦略的な学習目標を立てましょう。

採点後に意識すべきこと

  • 間違えた問題は見直す
    ※未習分野はスルー
    ※解説を見ても明らかにわからない問題もスルー
  • 得点できたであろう問題に注目
    ※純粋に考え方を間違えていたが、正解できそうだった問題
    ※試験時間が足りていれば手が出ていたであろう問題
  • わからないで、無駄に時間を使ってしまった問題はなかった?を確認
  • 得点源になりそうな分野を確認
    ※今後の学習時間を多くする
  • 最低限の得点に抑える分野を確認
    ※今後の学習時間を少なくする

 

ここまでくると、今までに考えてきたことの総仕上げです。

考えるべきは次の2点です。

  • 戦略面
    ・より多くの点数を取る行動が取れていたか?
  • 目標面
    ・どの分野の点数が伸びやすいか?

 

既に、試験時間の使い方(戦略面)は十分に説明しました。

そこで、ここでは『目標面』について掘り下げたいと思います。

 

人には得意不得意があります。

得意分野ほど勉強すれば点数が伸びますし、不得意分野を伸ばすには、より多くの時間が必要です。

 

もし不得意分野の配点が低いのであれば、その問題を解くために多くの時間を不得意分野の勉強に割く必要はないでしょう。

まったくの0点とまではいきませんが、先に得点できそうな美味しい分野に時間を割くべきです。

それが片付いてから不得意分野の点数を上げれば良いだけです。

例えば、得意分野で目標点数よりも10点多く取るとします。

これならば、不得意分野で得点すべきは、目標点数よりも10点低くすることができます。

このような『天秤的目標設定』を意識してみては如何でしょうか?

 

入試本番までの時間は限られているので、より多くの点数が、より少ない時間で実現できる分野に勉強時間を割きましょう

この判断のために、採点後にしっかり振り返りしましょう。

どのような問題か?ではありません。

どの分野を攻略するのか?です

より広い目線で学習目標を定めると、どの分野に時間を掛けるべきかが明確になり、ブレの少ない受験勉強計画を作ることができます。

 

なお、この過去問の復習のやり方について次の記事で細かく解説しています

気になる方は、是非参考にしてみてください。

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まとめ

解く前に意識すべきこと

  • 満点を狙わない
  • 合格最低点を目指す時間の使い方を考える

解くときに意識すべきこと

  • 試験時間が足りず、十分に手が出せなかった問題は、時間を延長して解く

採点後に意識すべきこと

  • 間違えた問題は見直す
  • 得点できたであろう問題に注目
  • わからないで、無駄に時間を使ってしまった問題はなかった?を確認
  • 得点源になりそうな分野を確認
  • 最低限の得点に抑える分野を確認

 

大学入試は万能さを求めていません。

あくまでも、合格に必要な点数を取れるか?の点取り合戦です。

  • 試験時間の使い方
  • 得点の伸びしろのある分野への学習時間の注力
  • 苦手分野に割く勉強時間の削減

 

これらの戦略が、志望校の合格をより近づけてくれます。

せっかく時間を使う過去問演習だからこそ、今回の過去問演習で何を学んだのか?

単純な得点だけではなく、解答の〇✕以外に目を向けるようにしましょう

 

 

なお過去問』や『科目別の勉強』について次の記事を紹介しています。

こちらの記事も、是非参考にしてください。

 

過去問をいつから解き始めるのか?

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高校化学の勉強法

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 高校物理の学習法

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問題集の効果的な使い方

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【もう迷わない!】大学入試の過去問はいつから始めるのが正解?時期・ペースを解説

過去問をいつから始めるのか?時期・ペース

大学入試の過去問はいつから始めるのが正解か?

 

これは人によって意見が分かれます。

また、極端かつ代表的な考え方に次の2つがあります。

  • 過去問を解きまくれば点数が上がる
  • 実力がついてから過去問を始める

 

この考え方の気持ちはわかりますが、私はどちらも不適切だと考えています。

 

それは、過去問が大学入試に合格できる万能な問題集でもなければ、本番の入試のように重たいものでもないからです。

仮に、過去問で悪い点数を取っても不合格になるわけではありません。

重要なことは『過去問を使う目的』です。

 

本記事の対象者

  • 過去問をいつから始めるのが良いか?わからない方
  • 過去問をやる目的がわからない方

 

本記事では、私が大学受験を指導してきた経験・実績に基づき、これらの疑問を解決していきます。

本記事を参考にすれば、過去問を始める時期で悩むことは無くなります

 

 

過去問をやる目的は?

  • 入試の難易度と自分の実力の把握
  • 出題量と試験時間のバランスの把握
  • 入試の傾向の把握
  • 入試本番を想定した模擬試験として利用

 

大学入試の過去問をやるうえで重要なことは『目的』です。

ただ何も考えずに過去問だけをやっても、実力・成績は効果的に上がりません

時間の浪費です。

過去に出題された志望校の入試問題である過去問を有効活用するためにも、次の目的意識をしっかり持っておきましょう。

 

問題の難易度と自分の実力がわかる

  • 自分の現状と志望校とのギャップを知る
  • 伸ばすべき科目など、学習目標を明確にする

 

大学入試の試験の難易度は、志望校によって異なります。

一般的には滑り止めを考えて、階段式に難易度が異なる大学を受験するでしょう。

その中で第一志望(一番難易度が高い)の大学の問題が、どの程度難しいのか?を知ることは、

  • 今の自分の現状と目標がどれだけ離れているのか?
  • どれだけ実力を上げなければならないのか?

を考えるうえで、非常に有益です。

むしろ、これを知らないことは『受験勉強の目標が決まっていない』と言えるでしょう。

 

ただ時間を掛けて勉強すれば第一志望に合格できるほど、大学入試は甘くはありません。

志望校に合った実力を身に付けて、初めて合格の権利を手にすることができるのです。

この『自分が身に付けるべき実力の目標設定』のためにも、実際の入試問題で手ごたえを体感することは、とても有効でしょう。

 

大幅に実力が足りないのであれば、勉強時間を増やす必要があるでしょう。

科目によって点数が大きく異なるのであれば、点数の低い科目の勉強時間を増やす必要があるでしょう。

配点の高い分野で大きく失点したのであれば、その分野を強化するのに勉強時間を割くべきでしょう。

 

どの科目・分野も万遍なく勉強する発想は、戦略的とは言えませんし、効率的でもありません。

これら全てが、過去問をやることにより生まれる学習目標の設定です。

 

そして、状況によっては、滑り止めの大学の過去問に苦戦することもあるでしょう。

入試までに残された時間によっては、志望校の変更も真剣に考えなければなりません。

過去問を本番直前まで避けた結果、入試直前でそれに気づいたときを想像すると怖いですよね?

『実力がついてから過去問をやろう』

この発想は、自分の実力と志望校とのギャップを知る時期を後回しにするだけです。

その実力はどの程度なのか?

これは過去問をやらなければ、絶対にわからないことです。

志望校の妥当性を考えるうえでも、過去問は非常に有効に利用でき、自分の目標をより明確にしてくれます

 

出題量と試験時間のバランスがわかる

普段の学習のメリハリと集中力の持続性につなげる

 

試験の出題量と時間は、大学によって変わります。

試験時間に対して、問題の少ない大学もあれば、試験時間が足りないと思われるような出題量の大学もあります。

そして試験時間もまちまちで、大学によっては長い試験時間が要求されます。

 

一方、普段の学習に制限時間はありませんので、タラタラ勉強することができますし、細切れに休憩することもできます。

 

では、メリハリ(読み書きの速さ)のない勉強をしている人が、いざ本番で適切な速度で問題を解けるでしょうか?

長時間勉強を続けていない人が、長い試験時間で集中を維持することはできるでしょうか?

 

できないですよね。 

この『スピード』と『集中力』は一朝一夕では身に付きません

 

この、本番で要求されるスピードと集中力を知った上で、普段の学習につなげることは、実戦力を磨くうえで、とても重要です。
そして、この後で説明する『入試本番の模擬試験』の目的と合わせると、本番での得点力を上げるうえで、とても役立ちます

 

入試の傾向の把握

  • 大学によって出題されやすい分野・テーマが異なる
  • どの分野を強化すべきか(学習目標)がわかる

 

大学入試は定期テストと異なり、試験範囲全体から万遍なく出題されるわけではありません。

大学によっては、出題されやすい分野が偏っており、出題されやすい分野、逆に出題されにくい分野があったりします。

 

この場合、

  • 出題されやすい分野
    学習量・レベルを上げる必要がある分野(高優先)
  • 出題されにくい分野
    そこそこの学習に留めておく分野(低優先)

という具合に、普段の学習内容にメリハリをつけることができ、それが本番の得点力に無駄なく直結させることができます。

 

しかし実際には、全範囲の実力を一通り上げようと思う人が多いです。

その理由は『何も考えなくても努力しているように感じる』からです。

 

しかし、普段の勉強が入試本番の得点に結びつくのは、学習した内容・分野が試験で出題され、それに正解したときだけです。

当然、出題頻度の低い分野が出題された場合に備えて、その分野も学習します。

しかし、その可能性は確率的に低いです。 

つまり、勉強した分野が出題されなければ、極論、その勉強は無駄だったという結果になります。

 

限られた時間で勉強を効率的、かつ高確率で得点につなげるためには、このように強化すべき学習テーマを決めることが重要です。

普段の学習目標を明確にするために、過去問の分析・利用はとても重要です。

 

なお、1年分の過去問だけでは傾向はわかりません。

そのため、志望校の出題傾向を知るならば、実際に問題は解かないで、複数年度の問題の出方を調べてみましょう。

傾向を知るならば見るだけで十分です。

 

入試本番を想定した模擬試験

解く順番・時間配分を試行錯誤して得点率を上げる

 

試験=100点を目指す 

このように試験の目標を考える人は多いです。

 

しかし、実際の大学入試では、

  • 満点を取るのが難しい
  • 満点を取らなくても合格できる

という現実があります。

合格に必要なのは『合格最低点』であり、良い点数ではありません

※合格最低点が非公表の大学もありますが、概ね6~8割が合格最低点です。

 

言われれば当たり前と思うかもしれません。

しかし、この合格最低点を真剣に考えている人は少ないです。 

 

そのため、戦略のない人は前から順番に解いていき、途中の問題で行き詰った結果、それに悩んで無駄に時間を消費してしまいます。

そして、十分に手を付けられなかった後半の問題に対して『この問題は解けた』と、試験後に後悔します。

 

試験は前から解く必要はありません。

そして、自分が得点できる・しやすい分野が前にあるとは限りません。

つまり『限られた試験時間内で自分が最高得点を取れる戦略』を練ったうえで、試験に臨まないと後悔することになります。

 

これを一番練習できるのが過去問です。

 

満点を取らなくても、

  • 点数を取るべき問題は何か?
  • 逆に捨てても良い問題は何か?
  • どのくらい悩んだら、問題を飛ばすのか?

このような試行錯誤を繰り返して得点率を上げるには、過去問を使った演習が最も最適です。

 

この『戦略的に大学入試の目標を定める考え方』を、次の本が明確に解説してくれています。

この本の目標は東大ですが、考え方自体は東大以外の大学入試でも通用します。

  • 科目ごとの勉強時間の割り振りがわからない
  • 入試で勝つための戦略がわからない

といった人は、今の学習を一度止め、この本を読んだ後に目標を設定し、学習を再開すると学習効率が上がるでしょう。

私は、この本(過去版)で大学入試の攻略法を学ぶために学習を1週間止め、学習目標とペースを決めました。

今でもこの本で学んだ考え方は、非常に有効で、より精度の高い学習を実現するのに役立ったと思っています。

是非参考にしてください。

 


2018年度版 新・受験技法: 東大合格の極意

 

過去問をやる時期・ペース

先ほどまで解説した『過去問をやる目的』に従って、過去問をやるべき時期・ペースを説明します。

個人の学習進度によって違いはありますが、概ね、以下で説明する方法で実施するのが良いでしょう。

 

高2冬~高3春・高3夏

目的

  • 学習した範囲内の問題が解けるか?で、自分の実力確認
  • 入試で出題される問題のレベルを把握

ペース

  • 1回で十分

 

あまり早くに過去問を解いても、その効果は薄いです。

それは、解けない問題が多すぎるからです。

 

ただし、高2冬~高3春・高3夏の時期には、全部とは言わないまでも、学習した範囲の問題が過去問で出題されます。

そのため、

  • 未習・十分に学習できていない分野は無視
  • 学習済みの分野の問題の手ごたえ

という基準で志望校のレベルを実感し、自分と目標とのギャップを実感することは、その後の学習目標を立てる上で有効です。

 

学習した範囲で解けなかった分野・配点の高い分野を実感しながら、強化すべき目標を決めましょう。

遅くとも、高3夏までには過去問を一度解いた方が良いです。

実際の本番で出題された問題だからこそ、受験生に響くものは大きいです。

 

ちなみに、現役生であれば、この時期に過去問を解くのは1回で十分です。

それは、本番の入試が約1年後で、この時点で十分に解けないことは当たり前だからです。

そして、それを何回繰り返しても結果は変わらないからです。

 

  • 少ない回数で自分と志望校とのギャップ
  • 全体的な学習を進めながらも、自分が特に磨くべき分野
    ※全分野で一通りの学習が終わった人は『磨く』を重視

を自覚する機会として捉えましょう。

 

そして、この機会は遅くとも高3夏前にしかできません!

入試直前にやっても、気付いたころには『対策する時間がない』という結果になるからです。

そのため、少なくとも、本番6ヵ月前までには1度は過去問を解いて、自分の現状を見極めた方が良いでしょう。

 

高3冬前後(直前期)

目標

  • 点数を取るべき分野の得点力up
  • 試験時間の使い方の実践と反省

 

ペース

・対策が済むたびに実施
・1週間で1~2回

 

せめて直前期までには、一通りの学習を終える、もしくは、出題される範囲の8割程度の学習は終えておきましょう。

そのうえで、

  1. 得点源の実力が足りないのか?(実力面)
  2. 得点源に使う時間が足りないのか?(戦略面)
  3. 不得意分野で底上げできる要素はあるか(実力面)

を振り返ったうえで対策を講じましょう

 

全分野での得点力は、本番では不要です!

  • どの分野の配点が高いか?
    勉強時間を増やして対策する分野
    配点が低くて解けない分野の勉強は後回し
  • 自分がどの分野で得点を取れるか?
    勉強時間を増やして対策する分野
    苦手分野の勉強は後回し
  • 苦手分野に、無駄に時間を割いていないか?
    どの程度悩んだら問題を飛ばすのか?を考える

 

このように、本番想定の実践演習で、最後の復習・試験への挑み方を見直し、本番に向けた調整をしましょう。

 

なお、この時期は過去問を解く頻度を上げて良いです。

それは、志望校のクセを意識したうえで、試験中の立ち回り方を試行錯誤していくからです。
ただし、過去問で間違えた問題だけを見直して次の過去問を解く、という流れは非効率です。

 

せめて、

  • 過去問で間違えた主要分野の見直し
  • 問題を解く方針(解く順番・時間配分)の見直し

を行ったうえで、次の過去問演習に進みましょう。

 

ある問題を単発で間違えることは、当然あります。

ただし、間違えた分野で他に見落としが無いか?を見直すことで、より広い範囲をカバーできます。

過去問で間違えた問題だけの見直しは、わからない英単語1つの意味を確認するのと同じです。

入試直前期だからこそ、残された学習時間の使いどころを過去問で決めましょう。

  

まとめ

  • 過去問をやる時期は、目的別に次の2通り
    ・高2冬~高3春・高3夏
     自分の実力と、受験校の出題傾向を確認し、学習目標をより明確に
    ・高3冬
     本番でより良い点数を取る方法を試行錯誤する実践演習
  • 過去問をやるペース
    ・実力確認、傾向確認ならば1回
     傾向は、実際に解かないで、複数年度の問題を見比べるだけで十分
    ・入試直前の実践演習は、毎回反省と対策をしながら、週2程度で実施する

 

過去問は万能な問題集ではありません。

過去問を使ううえで重要なことは『使い方と目的』です。

読者の方は、本記事を参考に、適切な過去問の使い方を実践し、効果的な学習へと結び付けてください。

 

なお、過去問や大学入試に関連した次のような記事も紹介しています。

是非参考にしてください。

 

過去問の効果的な使い方

www.tm-life-agent.com

 

過去問の正しい復習のやり方

www.tm-life-agent.com

 

科目別勉強法・レベル別のおすすめ参考書・問題集の紹介

www.tm-life-agent.com

【解き方間違ってない?】化学の『時間足りない・点数取れない』の簡単な解決法

化学の時間が足りない・得点が取れないを簡単に解決する方法

化学は、

  • 面倒な化学反応式の記述・計算が多い
  • 覚える知識が多いため、問題数が多い

という特徴から、理科の中でも試験時間が足りず、点数が上がらないで困る受験生が多い科目です。

しかし、時間が足りず点数が取れない受験生の多くは、実力の前に試験の挑み方を間違えていることが多いです。

この試験の挑み方を工夫するだけでも、

  • 試験時間内で解ける問題数が増える
  • 焦ることによるミスが減る

ことで、簡単に化学の点数が上がる可能性があります

 

本記事では、私が高校生時代にも実践し、塾講師として指導した経験から有効だった『化学の試験の挑み方の工夫』を紹介します。

 

 

化学で点数が取れない
よくある失敗事例

化学で点数が取れない原因は『実力不足』と『戦略不足(時間不足)』の2つに大きく分けることができます。

実力不足の受験生は、当然実力を磨く学習が必要です。

しかし、この方でも、本記事の内容を参考にすれば化学の効率的な学習法を掴むことができるので、是非参考にしてください。

 

さて、化学の試験で点数が取れない最も典型的な失敗事例はコチラです。

  • 前から順に解いていく

 

定期テストの感覚なのか、模試や入試でもこの解き方をする受験生はかなり多いです。

しかし、この試験の挑み方が化学の失敗を招く大きな原因です。

 

前から問題を解くこと
のデメリット

  • 時間のかかる理論化学で時間を消費する
  • 点数の取りやすい無機化学・有機化学の問題を犠牲にする

 

化学は、

  • 知識と計算がバランス良く問われる理論化学
  • 知識問題が中心の無機化学・有機化学

の3つの分野に分けることができます。

その中でも、理論化学は1問に使う時間が多いです。

それは、化学反応式を作った上で、小数計算も含めた面倒な計算が必要になることがあるからです。

そして、模試や入試は『理論化学→無機化学→有機化学』の順で出題されることがほとんどです。

つまり、安易に前から順に解いていくと、次の事態が起こりやすくなります。

  • 前半の理論化学で大半の時間を使ってしまう
  • 残りのわずかな時間で無機化学と有機化学の問題を解く
  • 時間が足りず解ききれない、焦ってケアレスミスして点数が取れない
  • せっかく時間をかけた理論化学で計算ミスもして、さらに失点

 

これが最も典型的な化学の試験の挑み方の失敗例です。

一番問題なのは、知識メインで時間をあまりかけずに点数を取りやすい無機化学・有機化学で点数を取れないことです。

 

このような経験に覚えがある人は多いのではないでしょうか?

つまり、この試験の挑み方を変えなければいけないということです。

 

化学の点数を上げるための方針

考え方

  • 前から順に解くという発想を捨てる
  • 全ての問題を解くという発想を捨てる
  • 解いた問題で確実に点数を積み重ねる

具体的な方法

  • 時間がかからない有機化学→無機化学の順で解く
    ※安定した得点源の確保
  • 残りの時間で、理論化学の取りやすい知識問題、手間の少ない計算問題を進める
    ※残り時間での得点の底上げ

 

理論化学

理論化学の1問と無機・有機化学の1問における配点は、さほど大きな差はありません。

そのため、時間を消費しやすく、計算ミスもしやすい理論化学から先に手を出すのは良い作戦ではありません。

そもそも、試験において、誰も前から解きなさいという指示は出していません。

 

有機化学

有機化学は最も安定して得点が取れる分野で、解く時間もそこまでかかりません。

それは暗記内容も覚えやすく、出題パターンもほぼ決まっているからです。

特に構造決定(問題の条件から物質を当てる推理問題)は対策しやすく、まとまって多くの点数を取れる美味しい問題です。

 

なお、有機化学の点数を上げる効率的な学習方法を次の記事で紹介しています

こちらの記事も参考にしてください。

 

www.tm-life-agent.com

 

無機化学

無機化学も知識問題が中心で、計算問題はそこまで多くありません。

そのため、問題を解くのに時間は掛かりませんし、仮に知識を忘れていたら、勘か飛ばすという割り切りがしやすいため、無駄が生まれにくいです。

 

このような特徴から、少ない時間で点数を取りやすい有機化学・無機化学の2分野でまとまった点数を確保し、残り時間で理論化学の手間が掛からない問題に手を出すのが、最もコスパの良い戦略です。

さらに、全てを解くという発想を捨てれば、焦ることによる理論化学の計算ミスも減るので、さらに化学の点数を上げることにつながるでしょう。

 

以上の内容からも、安易に前から解くのではなく、戦略を持って試験問題を解くことが、いかに効果的かがわかると思います。

では次で、各分野の攻略法について、内容を少し具体的に深掘りたいと思います。

 

化学の点数を上げる
具体的な行動

  1. 有機化学→無機化学→理論化学の順で解く 
  2. 知識問題と有機化学の構造決定を優先し、計算問題は後回し
  3. 残った時間で解きやすそうな計算問題を順次解いていく

 

センター試験や大学によって出題形式・傾向は変わりますが、基本的にこの流れで対策できます。

なお、有機化学・無機化学でも計算問題が出ますので、有機化学の構造決定以外は後回しにして問題ないでしょう。

 

この流れをもとに、過去問で出題形式を確認すれば、より具体的な解答手順をイメージできるはずです。

そして、一度作戦を立てて、制限時間ありで実際に過去問を解けば、

  • どのテーマの問題を優先すべきか?
  • どのテーマの問題は避けるべきか?

の振り返りができ、より実践的で、あなたに合った作戦を作り上げることができるでしょう。

それをわかったうえで、普段の勉強で計算・判断の正確さを磨けば、順調に化学の点数を上げることができます。

 

なお、この感覚を掴むには実際に試験問題を解く必要がありますが、まずはセンター試験の問題を解くと良いでしょう。

それは、知識・計算問題のバランスが取れていて、色々な作戦を試すのにちょうど良いからです。

ここで時間の使い方の感覚を掴めれば、他の大学でも自分で作戦を立てることできるようになります。

 

ちなみに、お試しで使うには『河合塾のマーク式問題集』というセンター形式の問題集を使うのが良いです。

それは、

  • 問題にクセがない(ひねくれた問題が少ない)
  • 知識・計算のバランスがちょうど良い
  • 問題の難易度も標準レベルで、簡単すぎず、難しすぎず

という理由です。

 


マーク式総合問題集化学 2020 (河合塾シリーズ)

 

また、化学全般の学習の優先順位とその考え方を次の記事で紹介しています

試験での点数の取り方に加えて、化学の勉強時間の割り振りを参考にしたい方は、本記事を是非参考にしてください。

 

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さらに、化学が苦手な人向けに、おすすめの問題集・参考書を次の記事で紹介しています。

応用ではなく、まず基本を徹底したい方は是非参考にしてください。

 

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まとめ

  • 理論化学は、計算で時間を消費しやすく、計算ミスも起こりやすいためコスパが悪い
  • 有機化学が最も安定して短時間で点数を取りやすい
  • 無機化学は覚えているかどうかで、解くかを判断しやすく時間が掛からない
  • 知識問題&有機の構造決定を優先し、有機→無機→理論で解く
  • 残り時間は、手間が掛からなそうな問題を優先して取れるだけ取る

 

試験は制限時間があるため、作戦を持って挑まないと実力通りの点数は取れません。

まずは、取りやすいところから点数を集め、残り時間で少しずつ点数をかき集める考えが必要です。

この考えはスポーツと同じで、

  • 普段の学習は、試合に勝つために自分を磨くトレーニング
  • 解く順番を考えることは、試合に勝つための作戦

です。

この考えがあれば、他の科目の試験の挑み方も変わって、試験で得点を上げやすくなるでしょう。

是非、限られた時間内で得点を上げる攻略ルートの意識を持ってください。

 

なお、勉強法に関して次の記事も紹介していますので、是非参考にしてください。

 

化学の点数を上げる効率的な学習順序

https://www.tm-life-agent.com/entry/study-chemistry-procedure

 

化学の基礎を徹底する問題集・参考書

https://www.tm-life-agent.com/entry/chem-probBooks-beginner

 

有機化学の効率的に点数を上げるおすすめ勉強法

https://www.tm-life-agent.com/entry/howto-organic-chem

 

化学の基本計算問題を徹底して練習する問題集

https://www.tm-life-agent.com/entry/chemistry-cal-trainingBook

 

点数を上げるための問題集の正しい使い方

https://www.tm-life-agent.com/entry/howto-exercise-book1

【最速攻略】高校化学の点数を効率的に上げるおすすめ勉強法 -学習順序を工夫せよ-

高校化学の点数を効率的に上げるおすすめ勉強法

化学は高校の理科4科目の中でも、

  • 覚えるべき知識量が多い
  • 小数計算などの面倒な計算で時間が掛かりやすい

という特徴があり、安定して高得点を取るのが難しい科目です。

そのため、センター試験の平均点を見ると、化学が理科の中で最も平均点の上下が大きくなっており、受験生の多くが化学で得点が安定しないことに悩んでいることがわかります。

そんな厄介な化学ですが、実は『化学の点数を効率的に上げる学習順序』が存在します。

これは、高校化学の学習内容の特徴と大学入試の出題傾向・配点に着目した攻略法です。

 

そこで本記事では、私が塾講師として化学を指導してきた経験から『最も効率的に化学の点数を上げるお勧めの学習順序』を1つの勉強法として、その理由と合わせて紹介します

これは私が高校生時代に実践した方法でもあります。

  • 化学で安定して点数が取れる分野がない人
  • 大学受験に向けて、何から強化すれば良いのかわからない人

は、本記事の内容を参考にすれば、今まで以上の得点の伸びを実感できるでしょう。

本記事を通じて、戦略的に勉強を進めることの大事さを感じていただければと思います。

なお、後半では、分野別の基本的な学習方針とおすすめの参考書も紹介しているので、こちらも参考にしてみてください

 

高校化学の効率的な学習順序:
分野別攻略

高校化学は『理論化学・無機化学・有機化学』の3つの分野に大きくわけることができます。

この各分野の特徴は後で説明しますが、この3つの分野の最も効率的な学習順序は次の通りです。

  1. 理論化学
  2. 有機化学
  3. 無機化学

 

無機化学と有機化学の学習順序は学校によって変わります。

しかし、受験勉強で本気で化学の点数を狙うならば、この順番で勉強するのが最も効率的です。

この点について、理由と合わせて次で説明していきます。

 

化学の点数が効率的に上がる
理由を考える

高校化学では、

  • さまざまな物質の性質
  • 物質の量の考え方
  • 物質の反応の考え方
    反応の種類・反応による量の変化

について学習し、その学習内容に応じて理論化学・有機化学・無機化学の3つの分野に分かれます。

 

理論化学では、さまざまな物質に共通する化学の基本知識や量の計算方法、化学反応について学習します。

そして、有機化学と無機化学で、非常に多くの物質の性質を学んでいきます。

物質はC(炭素)を中心に持つ有機物質とそれ以外の無機物質に分けることができ、この分類に応じて有機化学・無機化学で物質の性質を学習します。

 

では、この3つの分野の特徴と大学入試の傾向を整理していき、何故この学習順序で化学の点数が効率的に上がるのかを考えていきます。

なお、ところどころの専門用語を知っている必要はなく、そんな内容があるんだ程度で捉えてもらえれば十分です。

 

理論化学の特徴

分野の特徴

結論:基礎知識&計算のバランスの取れた最重要分野

  • 物質を作る原子・結合の性質の基礎知識
    物質の性質を学ぶ無機・有機化学の土台
  • 物質の量・反応の種類と計算方法
    どんな物質にも関係する計算方法や反応の考え方
    無機・有機化学の計算の土台
  • さまざまな現象(個別テーマが多い)

大学入試の傾向

  • 必ず出題され、配点は全体の1/3程度
  • 計算量が多く、試験時間切れの原因となる

 

理論化学は、さまざまな物質に共通する基本的な考え方を学ぶ分野であるため、どの学校でも最初に学習します。

特に最初の化学基礎で学ぶ内容が非常に重要で、化学基礎の内容が理解できないことは、化学全体が理解できなくなることを意味します

このように、化学の基礎理論を学ぶ重要分野のため、入試では必ず出題され、全体の1/3程度の配点を占めます。

なお、重要分野ではありますが、計算量が多く、試験時間切れを起こす1番の原因となる厄介な面があります。

 

しかし、いずれにせよ、残りの無機化学・有機化学を学習するための基本知識を学ぶ分野であるため、1番最初に学ばなければならない分野です。

そして計算で時間がかかるため、早めに学習しないと受験に間に合わなくなります。

そのため、学習順序は3つの分野のなかでも1番目になります。

 

無機化学の特徴

分野の特徴

結論:単純暗記

  • 多くの無機物質の性質を学ぶ
    覚える量が多い
  • 暗記内容同士に関連性が少なく、英単語暗記に近い
    忘れやすい
  • 無機化学を知らなくても有機化学は困らない
    無機化学を早めに勉強する理由はない

大学入試の傾向

  • 配点は全体の1/3~1/4程度で、他よりも配点が少ない傾向がある
  • 単純知識と簡単な計算問題

 

入試では、若干の計算を問われることもありますが、あまり難しい計算は要求されません。

そして、上位大学でない限り、単純な知識問題が大部分です。

これだけ聞くと得点源にできそうです。

しかし、実際は違います。

 

覚える量がかなり多い割に、覚えること同士の関連性が少ないため、英単語のように、ひたすら暗記する勉強になります。

そして英単語と異なり、普段の化学の勉強に覚えた知識が登場することは少ないです。

つまり、無機化学の勉強をしているときしか、知識の確認ができません。

そのため、触れる機会が少なく、かなり忘れやすくなります

無機化学は忘れていたら得点できずに終わり、非常に忘れやすい分野のため、安定した得点源にしにくいのが実際です。

 

そして、この単元を勉強しなくても、残りの有機化学はしっかり勉強できますし、有機化学の方が圧倒的に安定して点数が取れます。

配点の比率も高くないので、無機化学を早めに勉強する理由はありません

そのため、学習の順番は一番最後の3番目で、中途半端に触れるよりも、最後に集中的に暗記するのがベストです。

 

有機化学の特徴

分野の特徴

結論:規則性で覚えやすく、出題パターンがほぼ決まっている

  • 多くの有機物質の性質を学ぶ
    覚える量が多い
  • 前半『脂肪族~芳香族化合物』と後半『高分子化合物』の2パートに分かれる
  • 前半パートは『物質の名前』『性質』『反応の仕方』に規則性(ルール)があるため、暗記量は実は多くない
    単純暗記しなければ覚える量は少なく済み、忘れにくい

大学入試の傾向

  • 配点は全体の1/3程度
    ※農学部・薬学部では配点がもう少し高くなる
  • 出題パターンがほぼ決まっており、対策しやすい
  • 特に前半パート『脂肪族~芳香族化合物』の出題頻度がかなり高い

 

化学の中でも、最も安定した得点源にできるのが有機化学です。

教科書を見ると、非常に多くの物質が登場するため、一見すると無機化学と同じ大変な分野に感じます。

しかし、入試で出題頻度の高い前半パートの『脂肪族~芳香族化合物』は、覚えることにかなりの規則性(ルール)があります。

そのため、単純暗記という安易な勉強さえしなければ、実際に覚えることは少なくて済みます

そしてこの規則性は有機化学の至るところで登場するので、勉強中の反復性が高く忘れにくいです。

さらに出題パターンもほぼ決まっていることから、最も安定して得点に直結しやすい分野となるため、理論化学で知識の基礎を学んだあとに、すぐに勉強すると、化学の点数が効率的に上がり、点数も安定化します。

 

なお、有機化学を効率的に得点源とする勉強法を次の記事で紹介しています

・有機化学の勉強で困っている方

・今後の勉強の参考にしたい方

は、是非参考にしてください。

 

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学習順序のまとめ

理論化学は無機化学・有機化学の基礎となるため、1番最初に勉強します。

しかし、理論化学は試験時間切れを起こしやすく、問題の難易度も幅が広いため、安定した得点に直結しにくい特徴があります。

そこで、理論化学の後に、最も安定して得点できる有機化学を学習すると、試験では有機化学でまとまった点数が取れるようになり、化学の点数が上がります。

この状態を作れれば、残りは理論化学の実力を磨きながら、無機化学をひたすら暗記するというシンプルな作戦になり、効率的に化学の勉強が進みます。

 

各分野の大まかな学習法と
おすすめの参考書

各分野の細かい勉強法は長くなるため、別記事で紹介します。

ただし、本記事で各分野の学習上の重要なポイントとおすすめの参考書を簡単にまとめておきたいと思います。

これを意識するだけでも、大事なところにしっかり時間が割け、化学の勉強が効率的になります

 

理論化学の学習法と参考書

  • 化学基礎は全てをしっかり理解
  • 発展化学は基礎までに抑え、有機化学に早めに手を出す

 

理論化学は最も重要な分野ではありますが、他の分野と比べて難易度の幅が広いです。

そして、計算も豊富なため、そもそもの勉強時間が長くなりやすいです。

そのため、下手に応用まで手を出すと勉強が行き詰まり、他の分野の勉強が手薄になる危険性があります。

 

そこで、まずは化学基礎の理解の徹底を最優先しましょう。

それは、化学基礎を理解していることが、化学全体の勉強が成立するための絶対条件だからです。

そして、化学基礎以降の理論化学の学習は、基礎レベルの習得に押さえ、ドンドン先に進み、有機化学に進みましょう。

理論化学の実力を磨くなら、他の分野で得点力がついた後が良いです。

 

なお、化学基礎は重要ですが、物質量(mol)でつまづく人が非常に多いです。

この物質量から濃度・化学反応式までをごまかして勉強すると、確実に化学で点数が取れなくなるため、しっかりできるまで理解しつくすことが重要です。

しかし、内容が難しいのも事実です。

だから理解に耐え切れず、ごまかして先に進み、化学を苦手とする人が多くなります。

 

このように化学基礎の理解に困ったときは、次の『化学基礎をはじめからていねいに』を参考書として利用すると良いでしょう。

図などを用いて、なるべく簡単で丁寧な言葉で解説しているため、初学者の勉強に非常に使いやすいです

参考書には、公式のようにただ計算方法を教える本が数多く存在します。

しかし、この本は、

  • 意味をしっかり解説してくれる
  • 意味を理解したうえで計算方法がわかる
  • 『くどすぎず丁寧に』という読み手に良いバランスの解説

という点で、他の参考書とは一味違う中身を持っています。

この本に代わる化学基礎の参考書に覚えはありません。

 


鎌田の化学基礎をはじめからていねいに (東進ブックス 名人の授業)

 

無機化学の学習法と参考書

  • 忘れることを恐れない
  • 1度はしっかり覚え、まずは一通りの学習を終える
  • 忘れたことに気付いたら、その知識を入れなおせば良い

 

無機化学は単純暗記が非常に多いので、どうしても忘れることを恐れがちです。

そのため、無機化学の学習の途中で頻繁に復習する受験生が多いです。

しかし、これはかなりキリがない勉強法で、ただただ不安に駆られて時間を浪費して終わります。

 

そこで、一度覚えたら、どんどん先に進み、無機化学を一通り学習し終えるのが良いです。

そして、問題を通じて忘れていることに気づいたら、その知識だけ入れなおすことを繰り返し、徐々に記憶を定着させるのが良いでしょう。 

というのも、問題集で問われる内容ほど重要な知識の傾向が強いです。

そのため、不安という自己判断ではなく、問題で問われている内容を覚えているか?という客観的な確認で復習すれば、重要事項に重点を置いた効率的な学習になります。 

 

なお、教科書でも十分勉強できますが、何が重要なのか?がわかりにくく、覚えようとすることが無駄に増えがちです。

そこで、無機化学の重要事項がコンパクトにまとまっている、『解法の焦点 無機・有機編』がお勧めです。

  • 見開きの左ページに重要事項が整理
  • 右ページに図を使った補足解説
  • 赤シートで重要な内容を隠せる

といった構成で、無駄なく暗記が進められます

有機化学もこの本が使えます。

なお、問題も掲載されていますが、これは解かなくていいです。

まずは覚えるだけ覚えきってしまうことを最優先にしましょう。

 


化学 解法の焦点 無機・有機編

 

有機化学の学習法と参考書

  • 脂肪族~芳香族化合物は、絶対に丸暗記しない
  • 命名法・反応による構造の変化の規則性を必ず覚える
  • 高分子化合物は単純暗記

 

有機化学は、入試頻出で出題パターンもほぼ決まっている前半パート『脂肪族~芳香族化合物』を規則性を覚えながら学習することが大事です。

絶対に単純暗記してはいけません。

覚えるべき規則性は、次の3点です。

  • 命名法(物質の名前の付け方)
  • 反応による構造の変化
  • 構造で決まる性質

これさえ押さえておけば、有機化学のいろいろな物質で同じ考えをそのまま使うので、無駄に覚えることを減らせます。

なお、後半パートの『高分子化合物』は単純暗記の要素が強いので、ひたすら覚えましょう。

 

有機化学も教科書で十分に学べますが、文字数が多く、太字も多いです。

そして、重要な規則性について説明が十分でなかったり、小さな字の補足説明で命名法が説明されているなど、かなり扱いにくいです。

そこで、無機化学と同じ『解法の焦点』を使うと、重要なことをコンパクトにもれなく覚えられます

 


化学 解法の焦点 無機・有機編

 

その他おすすめ問題集・参考書

次の記事で、化学の基本を徹底するのにおすすめの問題集・参考書を、その特徴から使い方まで紹介しています

勉強は、使う教材と使い方次第で大きく成果が変わります。

化学が苦手な人ほど、次の記事を参考にしてください。

 

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まとめ

  • 学習順序:理論化学→有機化学→無機化学
  • 理論化学は化学基礎を徹底し、基本レベルだけ一通り押さえる
  • 理論化学の実力を磨くのは、後で良い
  • 有機化学は規則性を意識して覚える
  • 無機化学は忘れるのを前提に、まずは一通り終え、忘れたら覚えなおすの繰り返し

 

高校化学は覚えることが多く、計算も厄介なので、戦略的に勉強を進めないと、どの分野も自信がない状態になり、何を勉強すれば良いのかの目標が立てにくくなります。

そのため、関連性と得点の取りやすさを意識した工夫ある学習を実践しましょう。

その結果、確実な得点源が1つ1つ増えていき自信がつくでしょう。

そして、自分が磨くべき目標も定まるでしょう。

本記事を参考に、化学の勉強が順調に進むことを願っています。

 

なお、学習法について次の記事も紹介していますので、是非参考にしてください。

 

有機化学の点数を効率的に上げるおすすめ勉強法

https://www.tm-life-agent.com/entry/howto-organic-chem

 

化学の試験で効率的に点数を取る試験の挑み方

https://www.tm-life-agent.com/entry/chemistry-exam-countermeasure

 

高校物理の点数を効率的に上げるおすすめ勉強法

https://www.tm-life-agent.com/entry/study-physics-procedure

 

【物理が苦手な人向け】物理の点数が上がるおすすめ参考書・問題集と使い方

https://www.tm-life-agent.com/entry/physics-beginner-book

 

点数を上げる正しい問題集の5つの使い方

https://www.tm-life-agent.com/entry/howto-exercise-book1

【(1)が解けない人向け】高校物理の点数を上げる『わかりやすい、おすすめ参考書・問題集』と『使い方』

高校物理の点数を上げる『わかりやすい参考書・問題集』と『使い方』

高校物理は覚えることが少なく、問題の解答手順もはっきり決まっているため、安定して高得点を取りやすい科目です。

しかし、正しい知識の理解や使い方が身についていないと安定して解けず、問題集や模試の問題の(1)でつまづくことが多いでしょう。

この状態では(1)以降の問題も解けないため、物理を安定した得点源にすることは難しく、物理が苦手科目のまま受験を終えてしまうでしょう。

 

そこで本記事では、私が塾講師で指導してきた中で、生徒の反響と結果が良かった『物理初級者向けにおすすめできる参考書・問題集』を厳選して5点紹介し、具体的な使い方まで解説します。

自分のレベルに合わない参考書・問題集をやっても辛いだけで実力は伸びません。

物理が苦手な人は是非参考にしてください。

前よりも解ける問題が増え、物理の点数が上がることを実感できます

 

物理で点数が上がる
参考書・問題集の条件

最初に、物理の点数が上がる参考書・問題集の条件について簡単に触れます。

条件は次のたった3つです。

  • 自分のレベルに合っている
  • 公式の考え方・使い方をしっかり説明している
  • 問題に対する考え方をシンプルに整理している

 

まず自分のレベルに合った参考書・問題集を使うことは当たり前です。

自分よりもレベルの高い参考書・問題集を使っても、わからず悩む時間が増え、無駄に時間を浪費した結果、できることが何も増えない不幸な結果を招くだけです。

 

そして、物理にはさまざまな公式が登場しますが、ただの計算方法に終わらず、その公式の考え方や正しい使い方をしっかり説明していることが、良い参考書・問題集の前提条件です。

物理が苦手な人ほど公式に頼りがちで、公式をむやみやたらに使おうとします。

公式は単なる計算方法で、重要なことは、その公式で得られる結果が何を意味していて、どのような使い方ができるか?という中身です。

 

これと関連して、さまざまな問題に対して『どのような手順で考えていけば良いのか?』という考え方の道筋をしっかり教えてくれる参考書・問題集であることが重要です。

物理の解法パターンはかなり限られます。

多くの問題に通用する考え方を極力少なく整理している参考書・問題集を選ぶことが、物理の点数を上げるためのポイントです。

 

当然、今回紹介する参考書・問題集は全てこの条件を満たしています。

 

高校物理のおすすめ参考書:
特徴と使い方

参考書は、問題を解くために必要な知識の正しい理解、問題への利用法を学習するための道具です。

ここで紹介する参考書は、問題の解き方ではなく考え方を学習するためのものと思ってください。

 

"ひとりで学べる" 秘伝の物理 講義
力学・波動編、電磁気・熱・原子編


秘伝の物理講義[力学・波動]

 


秘伝の物理講義[電磁気・熱・原子]

 

特徴

  • 教科書に代わる1からしっかり学べる解説書
  • 読みやすい文章と丁寧な解説
  • 丁寧な解説のため、ページ数が多い

向いている人

  • 教科書の理解で困ることが多い人

おすすめの使い方

  1. まずは教科書で知識を理解してみる
  2. 問題集の基本問題で知識を試してみる
  3. うまく解けない場合に『該当する知識の部分だけ読む』

 

後で説明する問題集の参考書版です。

世の中には初級者向けの参考書は多数出ていますが、その多くは、

  • 説明がくどすぎて、結局何を言っているのかわからない
  • 単なる公式の紹介

といったものが多く、参考書を読んでも問題が解けないで終わるケースが多いです。

物理は公式を知っていれば解けるほど単純ではありません。

公式の意味から使い方まで1セットで正しく理解することが重要です。

 

その点、この『秘伝の物理 講義』は難しくない丁寧に言葉で知識を解説しており、くどすぎない点で非常にバランスが良いです。

ただし、丁寧な解説のためページ数が多いのが難点です。

そのため、1から全て読むのではなく、まずは教科書で知識を学んでみましょう。

その中でも、理解できるものと、理解しにくいものにわかれるはずです。

その『理解しにくいものだけを本書の丁寧な解説でしっかり理解する』という使い方が効率的でしょう。

さらに、本書の問題集版があります(後で紹介)。

これをペアで利用していくと、理解と実践の相性が良く、物理の学習が進みやすくなるので、この点も使いやすい特徴の1つと言えるでしょう。

 


秘伝の物理講義[力学・波動]

 


秘伝の物理講義[電磁気・熱・原子]

物理のエッセンス
力学・波動編、熱・電磁気・原子編


物理のエッセンス 力学・波動 (河合塾シリーズ)

 


物理のエッセンス 熱・電磁気・原子 (河合塾シリーズ)

 

特徴

  • 20年以上前から名著
  • シンプルな解説を徹底
  • まず知っておくべき問題の解答の手順を網羅

向いている人

  • 問題への取り組み方がはっきりしていない人
  • 教科書の内容はある程度わかるが整理できていない人

おすすめの使い方

  1. 本書を読み、問題の取り組み方を真似て例題(EX.)で実践
  2. 間違えるたびに解答の方針を再確認
  3. ※本書の練習問題は解かなくて良い

 

高校物理の定番中の定番である物理のエッセンス。

20年以上前からあり、私が高校生時代で実際に持っていた参考書の1つです。

 

本書は、公式の成り立ちや考え方に終わらず、物理を学習する人であれば絶対に知っておきたい『解答・考え方の手順』をコンパクトにまとめている点が優れた特徴です。

高校物理の大半の問題は解法パターンがしっかり決まっており、数もそこまで多くありません。

そのため、本書で解答の流れをしっかり身に着け、それを問題で実践するだけで解ける問題の量は大きく変わるでしょう。

 

なお、本書はさきほどの『秘伝の物理 講義』と異なり、シンプルな解説を徹底しています。

そのため、教科書の内容理解で困る人には少しハードルが高いのが実際です。

一方で、教科書で言っていることはある程度わかるが、

  • 教科書の内容が頭の中でごちゃごちゃして整理できていない
  • 問題への知識の具体的な使い方がわからない

 という人には無駄のない効率的な学習ができる参考書と言えるでしょう。

 

本書には、解説の後に例題(EX)と練習問題が用意されています。

問題があるとつい解きたくなりますが、例題だけで知識の実践をすれば十分です。

本書の練習問題は少しレベルが高いので、例題以外の問題実践は後で紹介する問題集でやった方が効果が高いです。

 


物理のエッセンス 力学・波動 (河合塾シリーズ)

 


物理のエッセンス 熱・電磁気・原子 (河合塾シリーズ)

橋元流 解法の大原則
力学・波動編、電磁気・熱・原子編


イメージでわかる物理基礎&物理 橋元流解法の大原則(力学・波動) (大学受験BOOKS)

 


イメージでわかる物理基礎&物理 橋元流解法の大原則(電磁気・熱・原子) (大学受験BOOKS)

 

特徴

  • 20年以上前から名著
  • つまづきやすい単元をイメージで理解できる
  • 図が丁寧・文章は長すぎず丁寧で非常にわかりやすい
  • 物理の全範囲を丁寧に説明しているわけではない
  • 出題頻度と配点の高い力学・電磁気の解説が秀逸

向いている人

  • 初級者であれば誰でも手元に1冊は持っておきたい

おすすめの使い方

  1. 特に苦手な部分をピンポイントで理解するのによい

 

先ほどの物理のエッセンスと同様に20年以上前から存在する高校物理の定番参考書。

『イメージでわかる』を売りにしており、多くの学生がつまづきやすい内容を、丁寧な図と具体例などで直感的に理解させてくれる良書です。

特に、高校物理の中でも出題頻度が高く、配点も高い『力学・電磁気』の2分野の解説は秀逸です。

私も高校生時代に本書にかなりお世話になりました。

抽象的な考え方の多い物理をイメージ感覚で『こんな感じのことなんだ』と身近なものに感じさせてくれるため、知識が忘れにくくなり、問題でも正確に知識を使うことができるようになります

 

ただし、物理の全内容を丁寧に解説してくれているわけではありません。

つまづく人が多い・絶対に外してはいけない内容に特化しているため、マイナー単元の説明が手薄です。

そのため、本書で物理全範囲をしっかり理解するのは難しいです。

しかし、物理で特に重要な内容の説明はピカイチなので、困ったとき用に手元に持っておきたい1冊です。

 


イメージでわかる物理基礎&物理 橋元流解法の大原則(力学・波動) (大学受験BOOKS)

 


イメージでわかる物理基礎&物理 橋元流解法の大原則(電磁気・熱・原子) (大学受験BOOKS)

高校物理のおすすめ問題集:
特徴と使い方

問題集や模試の(1)の問題でつまづく人は基礎レベルに徹底した問題集を使うことが重要です。

下手に応用問題があると、それで行き詰り、余計に混乱してしまうからです。

それを踏まえて、高校物理の初級者向けには次の2冊が問題集に適しています。

 

秘伝の物理 問題集


秘伝の物理問題集[力学・熱・波動・電磁気・原子] (ひとりで学べる)

 

特徴

  • 掲載されている問題が全て基本レベル
  • 問題設定も一般的なものが多くクセがない
  • 解説の図は丁寧で、解答のところどころに丁寧な補足説明がある
  • 基本レベルの中でも難易度が1~5まで分類されている
  • 物理全分野で計189問と少ない

向いている人

  • とにかく基礎だけを徹底したい人

おすすめの使い方

  1. いけそうな単元は難易度5まで挑戦してみる
  2. 苦手な単元は、まずは難易度3までを目標にする
  3. 基礎だけを押さえて、まずは物理全範囲を終える

 

参考書で紹介した秘伝の物理の問題集版です。

この問題集の問題は、どれも基本レベルで統一されており、問題設定もよく出題されるパターンが多くクセがありません

さらに、物理全体で問題数が189問と少ないため、少ない問題で物理全範囲を効率的に徹底攻略するのに適しています

 

解説は、きれいな図に加え、解答のところどころに補足説明が用意されており、解説でつまづくことがないよう徹底した工夫がされています

さらに問題レベルは基本問題のなかでもレベル1~5段階まで細かく分類されているため、比較的得意な分野と苦手な分野で、どの難易度までを目標にすれば良いのかがわかりやすくなっています。

苦手分野であれば難易度3まで、比較的解きやすい分野ならば難易度5までを目標にするとよいでしょう。

 

とにかく解説が親切なので、解答の1つ1つで『どんな考えで何をしているのか?』を焦らず確認していけば、大きくつまづくことはないでしょう。

問題数が少ないので、学校の問題集が辛い人は、まずこの問題集で基礎を徹底した後、学校の問題集を利用するという流れで使うとよいでしょう。

 


秘伝の物理問題集[力学・熱・波動・電磁気・原子] (ひとりで学べる)

セミナー物理基礎・物理


セミナー物理基礎+物理 2020年度用

 

特徴

  • 学校で配布されることが多い問題集
  • 理科の問題集で評判の高いセミナーシリーズ
  • 基本問題はクセがなく、知識を1つずつ確認しやすい

向いている人

  • 基礎から標準レベルまでを1冊でおさめたい

おすすめの使い方

  1. 基本例題・基本問題だけをまず試す
  2. 基本問題までうまく進めたら発展例題も試してみる
  3. 発展問題・総合問題はやらない(他の問題集が良い)

 

セミナー物理基礎・物理は、理科系問題集で昔から定評のある物理の問題集です。

問題は基本例題・基本問題から、レベルの高い発展例題・発展問題・総合問題までラインナップされているため、この1冊で幅広いレベルまで対応できます。

ただし、発展問題・総合問題は有名大学の過去問などを利用しているため、いきなり問題の難易度が高くなります。

そのため、初級者は基本例題と基本問題だけを徹底することが重要です。

もし可能であれば発展例題まで手が出せると、次の中級レベルに進みやすくなりますが、まずは基本だけで良いでしょう。

 

なお、本書がおすすめできるポイントは、先ほどの問題レベルがしっかり分けられているだけでなく、基本問題にクセが少ない点です。

初級者には、ごちゃごちゃした問題設定や、あまり問われないような問題は触れるべきではありません。

その点、セミナー物理基礎・物理の基本問題は、どれも問題がシンプルな構成になっており、1つの問題であれこれと知識を使うことがありません。

そのため、1問1問で1つずつ知識を正しく使えているかを確認しやすく、初級者の知識実践に適しています。

問題設定も色々な場面で使えるスタンダードな設定が多いため、模試などの結果にもつながりやすいでしょう。

 


セミナー物理基礎+物理 2020年度用

まとめ

おすすめ参考書

  • "ひとりで学べる" 秘伝の物理 講義
  • 物理のエッセンス
  • 橋元流 解法の大原則

おすすめ問題集

  • 秘伝の物理 問題集
  • セミナー物理基礎・物理

 

物理の参考書・問題集は多くありますが、その中でも定評のあるものは実は少ないです。

つまり、長い歴史の中で、どの参考書・問題集が良いのかは、ある程度決まっているということです。

今回紹介したものは、その中でも私が指導で使った結果、最も効果が高かったものです。

とにかく、物理の問題の(1)でつまづく状況は応用はさておき、基礎の徹底が最優先です。

その中でも、結果にもっとも結びつきやすい本を紹介しましたので、是非参考にして、今の苦手な状況を克服しましょう。

 

なお、勉強法で次の記事も紹介しています。

学習効果を高めるためにも、是非参考にしてください。

 

高校物理の中級~上級レベル向けのおすすめ問題集

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高校物理の点数を効率的に上げるおすすめ学習順序 

www.tm-life-agent.com

 

高校化学の点数を効率的に上げるおすすめ学習順序

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問題集の効果的な使い方のポイント5つ 

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